治験といういい口実
【リマ/ペルー 11日 AFP】ペルー保健省は、小児下痢症で治療を受けている3か月~3歳までの幼児を対象に、遺伝子組み換え米から作った経口補水薬の治験を開始した。ペルー医師会が発表した。この経口補水薬は米カルフォルニア州サクラメント(Sacramento)のベンチャー企業Ventria Bioscience社が開発したもので、米国では使用が禁止されており、人権団体が治験に懸念を表明している。ペルーでは、小児下痢症が5歳以下の子どもの死因の第3位となっている。写真はVentria Bioscience社のホームページ。(c)AFP
治験というが、いくらなんでもこのやり方は治験を超えている。
明らかに人体実験だろう。
「米国では使用が禁止されており」
の一文が、何気に怖い。
勘違いもあるかもしれないが、
小児下痢症は、確か、きれいな水と適切な塩分が摂取できれば
防げるのではなかったか。
(↑医療面に詳しい方、突っ込みたのむ)
きれいな水が確保できる環境にあるのかどうか、
そういった問題の方が要因としてはでかそうな話。
ここ、水資源の確保の難しさという、
環境問題でよく言われているテーマの一つととリンクする。
で、気になるのがこの「遺伝子組み換え技術」を導入、
云々といった辺り。
.
.
◆ ◆ ◆
遺伝子組み換え技術については、
丁度先週、7月6日、大阪朝日放送のニュースで
以下のような報道があった模様。※1
ニュースこちら
おおまかに要約すると、※2(ココから)
ロシアの科学アカデミーの研究で、
遺伝子組み換え大豆を食べていたラットから生まれた
子どものうち、半数以上が3週間以内に死亡したという。
その死亡率は、普通のえさを食べていたラットから生まれた
子どもと比べ、6倍以上。
また、生き残ったラットの子も体重が増えないなど、その多くに
生育不良が見られたという報告がなされた。※2(ココまで)
導入されてから、まだそれほど長い実績があるわけでもない
この遺伝子組み換え技術。
だのに、厚生労働省は、
遺伝子組み換え食品の安全性については、
「慢性毒性等に関する試験は実施する必要がない」として、
安全性を確かめる実験すらほとんど行っていない
(上記リンクの朝日放送のニュース記事より)※3
というから、何を考えているのやら。
厚生労働省は、一体誰の権利(利権?)を守ろうとしているのか。
少なくとも、国民の健康、ではなさそうだ。
◆ ◆ ◆
過去記事でも取り上げた通り、
(http://www.actiblog.com/yamaneko/7040
と
http://www.actiblog.com/yamaneko/8967)
遺伝子組み換え技術については、
正直、ニンゲンの手に余るような部分も大きい。
社会に浸透していくにつれて、ぽつりぽつりと、
その毒性についての話も上がってきている。
その中にはニンゲンの死亡事例もあるわけで。
◆ ◆ ◆
乳幼児の死亡率を下げるためとかいった
分かりやすい話で、
いいように食いモノ(というか、被験体)にされるのは、
次は誰だろうか。
そこまでの犠牲を払ってまで必要とする技術なのかどうか。
その影で誰が利益を得ているのか。
本当に考えること、知るべきことは、
むしろそこにあるはずなのだが。
※1:現在リンク切れ。元記事は、大阪朝日放送の報道内容をyahoo! japanがニュースとして取り上げていたもの。
※2:コメント欄参照。この内容について、実験結果が信用できない、という見方が現状では相応しい模様。
(実はどう訂正するか迷ったが、丸々消すと余計混乱しそうなので、詳細はコメント欄を参照してほしい、ということで。読者の皆様、ご迷惑おかけします)
※3:元記事がリンク切れのため、この厚生労働省のコメントは、この実験に限定しての話なのか、遺伝子組み換え技術全般についての話なのかが、確認しきれなくなっている。この件については、近い将来、改めて確認をしたい。
カテゴリー[ 食から見る環境 ], コメント[2], トラックバック[0]
登録日:2006年 07月 12日 23:31:27
コメント
イリーナ博士の行った実験について
この実験は半年以上前に発表され、その時点で、問題が多い
このデータでは科学的には何も言うことができないという評価でした。
これは、厚生省 農水省の遺伝子組み換えQ&Aにも書かれています。
今回、その不備についてどのような補足データが示されるのか
私も確認するためにつくば会場へ足を運びましたが、
残念ながら何も変わっていませんでした。
この件に関してはFOOD SCIENCE というホームページで
熱心に取材されています。
データだけの一人歩きは困る〜ロシアのGMダイズRat Study
http://biotech.nikkeibp.co.jp/fsn/kiji.jsp?kiji=554
「科学」の名に値しない遺伝子組み換え毒性試験
http://biotech.nikkeibp.co.jp/fsn/kiji.jsp?kiji=660
http://biotech.nikkeibp.co.jp/fsn/kiji.jsp?kiji=661
飼料についての虚しい検証を試みる〜ロシアのRat Study再び
http://biotech.nikkeibp.co.jp/fsn/kiji.jsp?kiji=664
http://biotech.nikkeibp.co.jp/fsn/kiji.jsp?kiji=665
ロシア人科学者の遺伝子組み換え毒性試験を総括
http://biotech.nikkeibp.co.jp/fsn/kiji.jsp?kiji=667
私自身も遺伝子組み換え食品については、慎重な立場を取っているつもりですが
反対意見であればどんなことを言ってもいいという訳ではありません。
ぴら @ 2006年 07月 22日 21:10:40
ぴら さん、当ブログへようこそ。
丁寧な資料のご提示、ありがとうございます。
>反対意見であればどんなことを言ってもいいという訳ではありません。
この姿勢は当方も旨としているつもりですが、
今回の記事に関しては当方の確認が甘かったと認めざるをえません。ご指摘ありがとうございます。もっと勉強を積まなくては(汗。
紹介されていたサイトの各記事を拝読して思ったのは、遺伝子組み換え技術の危険性・安全性・技術力にまつわる話もそうですが、それに加えてこれを巡る政治性がまた非常に面白いというか、むしろ気になりました。これは、以前この件に関して調べた時も思ったのですが。
まあ、それらの背景は抜きにしても、当該する実験が杜撰で、この実験結果ではまるで判断材料にならないということは理解できました。情報提供、感謝します。
一方で、今回取り上げた写真の問題に関しては、自国で治験ができない試薬をなぜ他国で行っているのか、という点についてはやはり疑問が残ります。
それに根本的に、この遺伝子組み換え技術そのものが、市井からのニーズではなく業界からのニーズによって生まれてきている点、また遺伝的雑交の不安が払拭できない限り、当方はクリティカル(単なる批判ではなく、建設的な意義ある問題提起を含めて)な立場を選択し続けます。
もちろん、批判のための批判や、何でもいいから非難のための材料で塗り固めよう、というような愚に陥らないように、慎重に事実を見極めることに注意を払います。何より、このことが政治的に正しいかどうかよりも、知りたいのはただ真実のみ、ですから。
その意味では、今回のご指摘、改めて肝に銘じたく思います。
尚、訂正(というより追記での補足になるかな)については、もう少し時間をください。別の案件(ブログではなく)で、1週間ほど身動きが取れなくなる可能性が高いので。
管理人(山猫通信社) @ 2006年 07月 23日 00:31:31
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