インドの大地と水

農薬残留問題、コカ・コーラとペプシはその一部との意見 - インド

【コルカタ/インド 23日 AFP】過去数十年間でインドへ10億ドル(約1170億円)以上の投資を行っているコカ・コーラ(Coca-Cola)社とペプシコ(PepsiCo)社は、両社商品から農薬の残留物質が検出されたことを受けて同国で批判にさらされている。
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(c)AFP/Deshakalyan CHOWDHURY

AFPBB News


以前取り上げた、インドの農薬入りコーラ問題。
そのときのエントリはこちら
この問題について、考察を重ねてみた。


ちなみに、
8月9日には、ダウ・ジョーンズでも取り上げられている通り、
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060810-00000017-dwj-biz
インド南部のケララ州政府が
コカ・コーラやペプシ、スプライトなど
清涼飲料水の製造・販売を、全面的に禁止する措置を取った。
もっともそれ以前に、
ラジャスタン、グジャラート、マディヤプラデシュ、
チャッティスガルなど4州以上の州で、
コカ・コーラ社とペプシ社、両社の製品は扱いは
既に禁止されていた模様。


んで、そこで負けてはいられないと、
飲料会社側も宣伝合戦で巻き返しを図っている。
インドの人気俳優を使うなど、結構 対立は深まっている模様。
たとえばこちらなど。

もっとも、インド国内では上記の過去エントリの通り、また
この写真この写真のように、
ほんでもってさらにまた、
国会議員が販売中止を呼びかけるなど、
の通り、飲料会社への不信感は根強い。


さて。
いろいろと調べていくにつれて、その根強さの理由が、どうも
 毒(農薬)入り製品をつくっている、
ことだけに留まらないことが背景にあるのではないか、
という理解を促すレポートに目を通すことができた。

以下、山猫通信社の自説として、この問題を解説していく。


それにしてもインドの人気俳優は、ほんま顔が濃ゆいなぁ~。
http://www.afpbb.com/article/786630
と、どうでもいいところに感心したことは、無視の方向で。
 (↑なんやっちゅーねん)
.
.

◆ ◆ ◆

ル・モンド紙に、世界的な思想家であり環境活動家でもある
あのヴァンダナ・シヴァさん(哲学博士、インド在住)
のレポート(日本語訳)がアップされている。
こちら)http://www.diplo.jp/articles05/0503-4.html

2005年3月のレポートだが内容は決して古くはなく、
むしろそれまでのインド経済における
多国籍企業の収奪の背景が詳しく分かる、貴重なレポートである。
できたらぜひ、上記リンクで直接目を通していただきたい。


◆ ◆ ◆

さて、当該のレポートで、
シヴァさんは幾つか重要な指摘をしている。

中でも基本的なことは、
・炭酸飲料をつくるためには、大量の水が必要になる
という点。
ちなみに、
1リットルのコーラを作るためには、9リットルの水が必要
という解説が、同じレポートの中でなされている。


そうした水への需要から、
・コカ・コーラ社とペプシ社は両社合わせて1日あたり
 100万リットルから150万リットルにも達する水を
 汲み上げていること
・そのため、特に貧しい人びとにとって、水資源の確保が
 難しくなってしまったこと
・実際にケララ州では地下水が枯渇し、
 26の井戸が枯れてしまったこと
・こうして水の確保が困難になったことから、
 米どころであったケララ州で米の収穫が1割も失われたこと

といった状況を引き起こしている。

ここまでくるともう、農薬汚染問題というだけのハナシではなく、
この事件の本質が、
多国籍企業による水資源の収奪、
という問題であることがはっきりとわかる。


◆ ◆ ◆

さらに、問題はそれだけではない。

続けてレポートでは、
・工場からは有害廃棄物も排出されていること
・固形の廃棄物が敷地内に素掘りされた穴に投棄されたため、
 それが雨季になると、残されたわずかな地下水、
 水田や運河や井戸を汚染し、住民の健康を脅かしていること

という、そら恐ろしいハナシにまで広がる。

その意味では、(農薬かどうかはさておき)
水の汚染源としても、コカ・コーラ社が責められるのは
それ相応の理由があったのだと言えよう。


◆ ◆ ◆

これらの問題は、一度海外に撤収したコカ・コーラ社が
再びインドに戻ってきた1990年代からずっと続いていることであり、
以来、根強い摩擦の根幹を成している。

こうした流れを見てくると、
この問題が単発的な汚染問題ではないことが理解できる。


それと、地元民たちは、
ただの、単なる弱者というような、ステレオタイプな存在ではない。
写真にもあるように、さまざまな抗議活動を行うほか、
長年に亘って相応に交渉を続けてきている。
そのことを、忘れてはいけない。
(ただ、コカ・コーラ社がそれに応じない、という状況が
続いているだけで)


◆ ◆ ◆

ヴァンダナ・シヴァさんが指摘するもう一つの重要な点は、
ソフトドリンクを作る際に必要となる「果糖」、
その主要原料となるコーンシロップについてだ。
コーンシロップと言うくらいだから、元々はトウモロコシである。
このトウモロコシが飲料として消費される分、
元々そのトウモロコシを主食として必要とする人の食糧を
奪っているのではないか、という指摘がなされている点は
今後も注意が必要だ。


◆ ◆ ◆

3年前の農薬汚染についての状況説明、
そしてその際に地元の人びとがどのように果敢に
コカ・コーラのような多国籍企業とたたかってきたかは、
ぜひシヴァさんのこのレポートを読んでいただきたい。
そこには、
単なる「反対運動」の具体的事例などに収斂できない、
民主主義の本質が、抑えた筆致で紹介されている。


人もその他の生きものも、水なしでは生きていけない。
水の公正な分配は、生きるためのまず最初の、最も基本となる
事柄なのだ。

水の収奪と汚染、それに対する抵抗という
ながいながいたたかいが背景にあるからこそ、
今回の農薬汚染飲料騒動は表面化してきたのだといえる。


尚、内容がかぶるが
(たぶん情報源の一部がシヴァさんのレポートと思われる)
以下のレポートもあるので、参考までに貼り付ける。
http://www1m.mesh.ne.jp/~apec-ngo/water/jirei/cola.htm
(グローバル経済による人権侵害と環境破壊を調査し、
政策提言を行うNGO・AMネット(本部大阪)による翻訳・紹介)

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登録日:2006年 09月 06日 22:29:58

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