ほんとうの時を 教えてくれるのか
【シカゴ/米国 17日 AFP】米国で核戦争による世界滅亡の日に向けて時を刻み続ける「世界終末時計(Doomsday Clock)」。
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(c)AFP/Scott OLSON
今日は珍しく
タイトルをザ・クロマニヨンズの新譜「タリホー」の歌詞から
少し捻って。
ひと頃は非常に有名、ある意味シンボリックな存在であった
この終末時計。
(本家サイトはこちら:英語)
一応その経緯を軽く説明すると、
実物があるのは、シカゴ大学内。
科学誌『Bulletin of the Atomic Scientists』の発案により
1947年から発表されている。
この雑誌の発案者は、かのアインシュタインとオッペンハイマー。
つまり、核の恐怖を肌身で知っているからこそ、の発案という
背景がそこにある。
デザイン的には、
アジアや中近東、豪州などがない・扱いが軽いところが
設置当時の世界観を如実に物語っている。
.
.
◆ ◆ ◆
少し、設置当時を振り返ってみると。
これは冷戦構造が世界の常識だった時代の産物でもある。
米ソ二大国による核を中心とする軍拡競争、
はたまたその二国の代理戦争たる各地の紛争、
といったことが、針の前後を決めていた。
確か、アメリカの水爆実験成功(1953年)と
キューバ危機(1962年)の年がそれぞれ2分前とされ、
世界の終末に一番近づいてしまった、とされていたと思う
(今のところは)。
個人的に意外に感じたのは、
ヴェトナム戦争の時期やチェルノブイリ原発事故のときは、
針をあまり進めていない、という辺り。
この辺りはやはり、針の位置を決めるヒトビトの関心によって
左右されるのだろうか。
冷戦構造の崩れた後は、それまでの二元論が通用しないせいか、
評価基準があれこれ増えると同時に
注目度もかなり減ったと思う。
終末時計と聞いてピンと来る世代は、恐らく
冷戦時代を(多少でも)皮膚感覚で知っている年代から上の
人びとだろう。※1
逆に言えば、ソ連崩壊以前は、割と
二元論的、善悪二項対立(資本主義VS共産主義、etc……)
といった単純かつ楽で分かりやすい世界観が主流だった、
とも言えるのかもしれない。
◆ ◆ ◆
で、先の北朝鮮・朝鮮民主主義人民共和国の
ショボイ実験のおかげで、今回にわかにクローズアップされた、
というのが、今の段階。
核戦争の脅威をビジュアルで表現し、警鐘を鳴らす、
という役割を担っているこの時計。
本来は、その役割を終わること(世界的な核廃絶の達成)が
目標とされているところなのだが、
テロだの原発事故だの温暖化だの、
原因が複雑化していくことで、
針の位置づけはもとより時計そのものの位置づけが
逆に難しくなってきている。
ふと、エントロピーの増大、の概念が頭をよぎる。
核拡散、然り。
そして、それ以外の要因もまた増大しつつある。
そうした膨れ上がっていく「ジンルイの危機」の要素を
どうやってこの時間へと反映させていくのか。
とりあえず、次回の「時」の発表を楽しみに待つことにして。
※(コチラのページも参考になる:時の理科ページ)
http://www.kodomo-seiko.com/classroom/class/rika/rika0012.html
運営しているのは時計でおなじみのセイコーの「こどもセイコー」。
※1:山上たつひこのコミック『光る風』では、ヴェトナム戦争時代、北爆を契機にカンボジアに原爆が落とされる、という描写があった。1970年代初頭に発表されたこの作品は、バリバリの冷戦構造をシリアスに(というかアナーキーにというか)描いていて、当時の危機感が今・21世紀の世界観とは全く違うことに、別の意味で驚かされる。ちなみに自分が読んだのも、ソ連崩壊後。かなり時代が違うな、という印象があった(さらにこの人が数年後に『ガキデカ』でヒットを飛ばすあたり、その作風のあまりの違いっぷりにもっと驚かされるが)
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登録日:2006年 10月 20日 23:33:11
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