種のゆりかご

熱帯地方で種の大半が発生 - 米国

【ワシントンD.C./米国 16日 AFP】植物や動物の種の大半は熱帯地域で発生し、その後温暖地域や両極に拡散した--こんな研究結果が発表された。
≫続きを読む…
(c)AFP/JAY DIRECTO

AFPBB News


驚きよりも、やっぱりそうか、という感想を抱くニュース。
もちろん、いい意味での。


◆ ◆ ◆

現時点であっても、熱帯にある森林、いわゆる熱帯林には
(雨林でない森林も含めての総称なので「熱帯林」)
全地球上の約半数からそれ以上の種が生息している
といわれている。
約、とあるのは、今現在、ジンルイに把握されている「種」は
その全体のうちどのくらいか、ということもよくわかっていない
(科学者によってまちまちな)ため。
とはいえ、
それだけ豊かな生物多様性を持つ地域である、
ということについては、どの科学者・専門家も異論はない。

たとえば、『地球植物誌計画』(G・T・プランス著 紀伊国屋書店 1997年)
によれば、アマゾンの熱帯林について、
 イギリス諸島の全植物相の6倍もの種が、テニスコートの半分ほどの広さの土地に生息しているのである。
とある。
これは、熱帯林・熱帯地域の生物多様性の、
ごく一部の例でしかない。
 
こうした豊かな生態系の存在を思えば、
今回の 「Science magazine」での研究発表は、やっぱりと
うなずかされるところ。
海洋における生物種を加えて考えれば、尚のことだろう。
.
.

◆ ◆ ◆

本来の自然のままであれば、熱帯地方の陸地のほとんどは
森林に覆われているはずであった。
ところが、その森林も、
裸地にされて沙漠化してしまったり、
プランテーションなどの人工林(というよりも木の畑)へと
姿を変えたりしている。※1、※2

森林の喪失と共に、
その森林内でしか生息することのできない生物種もまた
失われてしまっているということは、否定できない事実である。

自分たちがよく知りもしない他者、
それどころかその存在すらまだ知らない他者を、
知らないうちに絶滅というかたちで永久に葬り去る、という行動は、
科学的でもなければ理性的でもなく、知性といった概念からも
ほど遠いと思うのだが。


※1:
熱帯林破壊については、これまで当ブログのエントリで何度か触れたとおり。

※2:
ニホンにいて一番簡単にできるのは「熱帯林(あるいは世界の保護すべき森林)を破壊していない製品を選んで買う」ことだろう。ホームセンター等でそうした製品を扱わないように客として注文をつけるなど、個人でも、誰でもできることは、意外と多い。逆に、森林に負荷を与えない製品しか取り扱わない紙業会社や木材会社も実際に存在している。

カテゴリー[ 種の多様性 ], コメント[0], トラックバック[0]
登録日:2006年 10月 23日 21:38:33

コメントを追加

Trackback

この記事に対するトラックバックURL:

カレンダー
< 2006年 10月 >
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31



プロフィール
山猫通信社 篠宮
山猫通信社
カメでも読める のてのて環境ニュースクリップ
このメモは猫のヒゲ
◆環境カウンセラー兼フリーランスのライター・編集業の「山猫通信社」については、上のHPをぽちっとどうぞ。ブログをみてのご連絡は、sorano_ki@yahoo.co.jpへ。
◆屋号の「山猫」は宮沢賢治から。大阪に長くいたので時々関西弁が混ざることあり。
◆07年3月、ブログタイトルを一部変更。今後も、カメだけでなく、ワニやラクダやトカゲからも いろいろと学べるもんだろうと思いつつ、のてのてと更新中。
◆トラックバック、どうも故障中の模様(早く直してくれAFP)。
最近のコメント
[07/29] タテゴトアザラシ エトセトラ
[06/30] 食うは一時の欲、食わぬは一生の快 管理人(山猫通信社)
[06/27] 食うは一時の欲、食わぬは一生の快 kkneko
[06/27] 食うは一時の欲、食わぬは一生の快 kkneko
[05/29] ホッキョクグマは野生のクマ 管理人(山猫通信社)
[05/28] ホッキョクグマは野生のクマ あるる
[04/07] オーストラリアのアジアゾウと森林 管理人(山猫通信社)
[04/05] オーストラリアのアジアゾウと森林 うえ
[02/12] これはいい記事。 管理人(山猫通信社)
[12/19] 発見、即、絶滅危惧指定、とならないように 管理人(山猫通信社)
最近のトラックバック
検索