2006年 03月 04日
美しい、あまりにも美しい。そして暴力的な。
【ラマラ/ヨルダン川西岸 27日 AFP】ラマラ(Ramallah)近郊にある複数の村では、イスラエルが建設中のコンクリート製分離壁への抗議行動が毎週行われている。壁は農地や村内を横切るため、住民を苦しめている。写真はヨルダン川西岸ラマラ近郊のBeit Sira村で24日、問題となっている建設中の分断壁に対する抗議デモでイスラエル兵士ともみ合いになるデモ参加者。(c)AFP/Jamal ARURI
あまりにも美しく、そしてあまりにも哀しい一枚。
全力で自分を殺そうとする、
自分にとってかけがえのない人びとのいのちを排除しようとする、
自分と仲間たちの未来を潰そうとやってくる、
圧倒的な力を持つ集団の暴力に対して、
石を投げることでしか対抗できないとしたら。
足下の花の美しさなど、どんな意味があるだろう。
(ホントウハ、ソレニモイミガアルハズナノニ、
イキテイルトイウ、イミガアルハズナノニ)
自分のいる家が今、理不尽な理由で取り壊されようとしている。
自分自身や幼いきょうだいたち、年老いた母父や祖母祖父に
銃口が向けられているというのに、
自分には、ただ、石を投げることでしか、敵を撃てない。
そんな状況に置かれていたとしたら。
◆レイチェル・コリーを知っているか?◆
2003年3月16日、一人の年若いアメリカ人ボランティアが
ガサ地区のラファで殺された。
その人、レイチェル・コリーは、
パレスチナ人の家を潰そうとしていたイスラエルの軍用ブルドーザーに轢かれ、
潰されて
死んだ。
同じく非暴力でパレスチナの盾になろうと世界から集っていた仲間が
レイチェルの轢かれる瞬間に目を疑い、助けようと駆け寄った。
仲間に向けた、「背骨が折れた」というのが
その最期のことばだったという。
軍用ブルドーザー(ブルドーザーそのものはアメリカ製とのことだ)
に乗っていたイスラエルの軍人は、
何とも念のいったことに、
往復して2回もレイチェルを
ブルドーザーと瓦礫の下に押し潰した。
レイチェルは、石を投げるという行為すら行わず、
何の武器も持たず、
丸腰のまま
パレスチナ人の暮らしを壊すな、と
軍のブルドーザーを止めに入った。
ただそれだけのために、
殺された。
呼吸をすること、ものを食べること、学校や職場に通うこと。
そうしたことすら、強い意志で潰されようとしている。
そんな暮らしを強いられている人の側に寄り添おうと、
非暴力で隣に立っていた、丸腰のただの人間を
まるで虫でも潰すかのように、軍の強い意志は、轢いて潰した。
レイチェルの死から、もうすぐ3年が経つ。
この地の人びとは相変わらず、
緩慢にライフル銃の的にされ続けている。
ものをゆっくりと食べることも、学校や職場へ通うことも、
物理的に制限されている。
病院へ向かう救急車を止められて、殺されるけが人や妊婦が何人も出る。
レイチェルの殺されたその日にも、
50代の丸腰のパレスチナ人が殺された。
子どもにも、何のためらいもなく、銃弾が降り注がれる。
毎日のように銃を向けられ、毎日のように死人が出る。
そんな環境の中で暮らさないといけない、人びと。
あなた方の存在そのものを亡くしていただきたいですな。
と、山のような武器を手にした
自分のことを全く知らない相手から、
そう望まれることに対して、
石礫を投げるな、非暴力で対抗せよ、と自分は言えるだろうか。
◆レイチェルを忘れないでいるということ◆
レイチェルが死んで、もうすぐ3年になる。
遠く離れていることで何もできないという思いに
苛まれる自分は、
せめて可能な限り事実を知ること、
一人ひとりの顔をきちんと見ること、覚えておくことから、
その地に繋がりたいと願う。
パレスチナの人だけではなく、イスラエルの側の人びとの顔も。
片方の立場だけではなく、もう片方に暮らす人びとの顔も。
かの地に暮らす子ども一人ひとりの顔を。
きちんと。
レイチェルの死後、『プロミス』という映画を観た。
http://www.uplink.co.jp/film/promises/
こちらも秀逸。
(直接レイチェルの殺害とは関係ないドキュメンタリーだが、
なぜ、レイチェルがパレスチナの人びとの暮らしの困難さに思いを馳せたのか、が
すんなり理解できるほど、
かの地の子どもたちの暮らしぶり・その困難さがとてもよくわかる)
(レイチェル・コリーについては、
http://www.onweb.to/palestine/index.html
の
http://www.onweb.to/palestine/siryo/rachelism.html
や
http://www.onweb.to/palestine/siryo/orange-star10mar04.html
が良質の情報を提供してくれています)
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登録日:2006年 03月 04日 14:59:01
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