2006年 11月 08日
偏見を助長する見出し……
【東京 7日 AFP】国内における2005年度の外国人犯罪の逮捕者数が、過去最高記録に迫る勢いであるが、外国人犯罪発生件数と比較して、検挙率はそのごく一部にすぎないと、政府が7日、明らかにした。
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(c)AFP/TOSHIFUMI KITAMURA
この写真についた記事も、よく読めば決して
「外国人犯罪が急増」という警察の言い分を
一方的に鵜呑みにしているわけではないことがわかるのだが、
見出しだけ見ると、オイオイ、なハナシ。
まあ、海外のメディアであるAFPなのだから、
この点に興味を持つことは致し方ないとは思うのだが。
◆ ◆ ◆
ところで他の報道(国内)がこの犯罪白書について
どう報じているかが気になったので、
ちょっとばかりその見出しをピックアップ。
順番は日付及びアップされた時間(申告順)。
11月7日時事
「失業率下がると刑法犯も減少=出所者雇用で抑止効果-犯罪白書」
11月7日毎日
「犯罪白書:発生件数に失業率影響 「雇用対策」必要と指摘」
11月7日読売
「性犯罪者の2割強が再犯、06年犯罪白書公表」
11月8日gooブローバンドナビ
「2005年の犯罪動向などをまとめた「犯罪白書」公表 外国人犯罪の検挙件数が過去最高」
11月8日産経(yahoo! 経由)
「児童狙った性犯罪、下校時に多発 法務省が犯罪白書」
11月8日朝日
「性犯罪の再犯率2割 犯罪白書」
関係ないけど、見出しや本文で「最高」とあるやつ。
こういう悪い事例の場合は「最高比率」や「最多」の方が
用語として適切なんだがな。
まあ、それはさておき。
さて。
ものの見事に、その関心によって
見出しもその報道内容もばらけているのがよくわかると思う。
リンク先の内容(記事本文)もまたそれぞれ。
その社が興味を持つ内容に沿って、
白書の分析を取り上げている。
個人的には、
抑止効果や予防、あるいは原因といった部分に目を向けている、
時事と毎日が示している観点に興味を惹かれた。
(ちなみに、読売は記事のウェブ掲載をすぐにやめるので、
リンク先を見るならお早めに)
◆ ◆ ◆
ところでこの数字なのだが、
取り方によってそのイメージをいじることは可能。
犯人不明のまま逃げ通せるものや、
性犯罪のように被害者が名乗り出づらいものなどは、
こうした白書に反映されない。
外国人犯罪の場合、検挙率を根拠に取れば、当然高まる。
なんせほとんどの場合、言葉や外見、身振りの習慣などが
ニホンジンとは違うのだから、目立つ分捕まえやすい。
◆ ◆ ◆
その昔、1990年代初頭頃には、
バブル景気を理由に、単純労働者が欲しいからということで、
ニホンに滞日外国人がどんどん増えていった。
その頃も、やはりこの手の見出しが週刊誌などに踊っていた。
とはいえ、当時の外国人「犯罪」の内訳の圧倒的多数が、
オーバーステイ(超過滞在)など
査証上の許認可に違反している、という内容だった。
たとえば、丁度朝日が伝えている こんな感じ の事例だ。※1
許可された滞在期間が過ぎていてニホンに滞在していたら犯罪、
観光ヴィザで入国しながら工場などで働いているのも犯罪、
となる。※2
やっていることは別にスリや強盗やポン引きや売春などではなく、
わたし・たち……いわゆるニホンジン、と同じように
ごく普通に働いていていたりしていても、
形式上は犯罪者に分類される。
これは今でも変わらない。
ちなみに、逆の場合。
ニホンジンが旅行用のヴィザで海外に出て、
現地で皿洗いなどのアルバイトをしながら旅費を稼ぎつつ
旅行を続ける、などというハナシはいくらでも聞くのだが、
それに対して
現地で犯罪を行っているからなんとかしろ、ニホンの恥だ、
ということを言っている人はあんまいない。
また、逆に、ニホンジンが外国人労働者を搾取している例が
それなりにきちんと報道されているのかどうか、
という疑問もある。
ニホンで定められた最低賃金以下の金額で雇っている例や
給料未払いのような例もありそう……というか
実際に結構な数あるのだが
(そしてそういう事例に取り組んでいるNPO団体などもある)
そうしたハナシはよほどきちんとアンテナを張っていないと
並の生活をしているだけでは情報はひっかかってこない。
(報道がまったくないわけではない。最近ではこちら)※3
◆ ◆ ◆
ふと思ったのだが、
毎年の犯罪白書をどう報じたか、ということで、
その報道機関ごとに10年、20年分と見出しを拾っていったら、
面白そうだ。
ちょっと前だと、きっとどの報道機関も
「少年犯罪」一色だったのではないかと。
どなたかやりませんか、これ。
(今回のエントリの元になった写真は、
@kemiさんのブログを見ていなかったら気づきませんでした。
考察の機会を与えてくださった@kemiさんに感謝しつつ)
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登録日:2006年 11月 08日 18:57:28
果たして調査はなされたか。
タイのアジアゾウ、3か月の移送期間を経て動物園に - オーストラリア
【シドニー/オーストラリア 3日 AFP】8月からインド洋上の島で足止めされていた、タイから移送中のメスのアジアゾウ4頭が長旅を終えて、シドニーの動物園に到着した。タイからのアジアゾウの移送に反対する動物保護運動の活動家らにより、論議が巻き起こっていたため、このアジアゾウはオーストリア保護領ココス諸島(Cocos Islands)で隔離されていた。写真は3日、シドニーのタロンガ動物園で水浴びをする4頭のゾウのうちの1頭。(c)AFP/Greg WOOD
このまま収束してしまいそうな話題。
そんなのは嫌だ! ということでエントリをアップ。
以前も何度か取り上げている、
シドニーのタロンガ動物園が輸入を予定していた、
野性かもしれないタイのアジアゾウの件について。
ゾウたちが目的地のタロンガ動物園に到着した、というハナシ。
この件における当ブログの過去記事は、
2月、6月、7月、という流れ。
この到着の件もなかなか情報が得られず、
新しいハナシはこのAFPの写真くらい。
ググってもググッても何も出てこない(涙。
残りの4頭はどうなったのだろうか。
(元の群れは確か8頭。オーストラリアの別の動物園行きが
予定されていたが、無事着いたのか?)
というか、そもそもの問題は
このゾウたちが繁殖ゾウではなく野生の群れではないのか、
という疑問が論議の発端だったはずだが、
その件についてはどうなったんだ?
本当に。
なんだか、ほとぼりを冷ますためだけに隔離したような
感じになっているんだが。
んでもって、
>タイから移送中のメスのアジアゾウ4頭が長旅を終えて、
4頭全てがメス、というのが、
微妙に自然の群れっぽい感じを漂わせている。
(繁殖ならば、オス・メスを混ぜた組み合わせで輸出するだろう。
ちなみに自然界のゾウはメスと子どもだけで群れをつくり、
成体のオスは単独で生活する)
憶測だけでモノを言うのはなんだが、
このあたり、妙に怪しい。
この分だと報道からは何も出てこない感じ。
とりあえず、それ以外の動物関係のアンテナで
マメにチェックはしていく予定。
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登録日:2006年 11月 08日 00:11:18
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- 山猫通信社 篠宮
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- ◆環境カウンセラー兼フリーランスのライター・編集業の「山猫通信社」については、上のHPをぽちっとどうぞ。ブログをみてのご連絡は、sorano_ki@yahoo.co.jpへ。
◆屋号の「山猫」は宮沢賢治から。大阪に長くいたので時々関西弁が混ざることあり。
◆07年3月、ブログタイトルを一部変更。今後も、カメだけでなく、ワニやラクダやトカゲからも いろいろと学べるもんだろうと思いつつ、のてのてと更新中。
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