2007年 02月 26日
バイオといってもピンきりだ
【ジャカルタ/インドネシア 17日 AFP】インドネシアは、今後成長が期待されているバイオ燃料事業に着手する。
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下のエントリに関連して、もしくは2月13日のエントリ
の続きのハナシ。
現地・熱帯の森林に対する環境負荷の話を繰り返すのも
なんなので、
今回はちょっと視点を変えて、
最近の「バイオ燃料」関連記事を幾つか紹介しながら、
環境負荷の少ないエネルギーって何よ? てなことについて
考えていこうと思う。
◆ ◆ ◆
2007年1月17日 産経新聞
世界初、廃木材からバイオエタノール 堺に製造施設完成
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070117-00000005-san-bus_all
1月22日 日経BP
木質系バイオエタノールの製造施設が完成
http://www.nikkeibp.co.jp/news/eco07q1/523183/
この2件、いずれも
大阪の「バイオエタノール・ジャパン関西」設立に関するもの。
ここでエタノールとして考えているバイオ(生物由来の素材)は、
>建設廃木材、おが屑、剪定枝といった木質系バイオマス
が主原料になるとのこと(日経エコロジーの記事より)。
燃やしても埋めても二酸化炭素を出すだけの建築廃材を
エネルギーとして活用しよう、という方法論。
地元のごみ問題とリンクさせて、
地域のごみを地域でエネルギーに転換するのであれば、
さらに環境負荷も減らせそうだ。
ポイントは、
・原料は廃材など、廃棄物由来の木質系バイオマス
・作るのはエタノール(燃料)
・コストの問題が残っているがビジネスチャンスはでかそう
といったところか。
◆ ◆ ◆
1月30日 毎日
京都市:「生ごみから燃料電池」実験成功
http://www.mainichi-msn.co.jp/science/kagaku/news/20070130ddm003040023000c.html
こちらは生ごみ。
天ぷらの廃油など、油によるバイオ燃料は、
片山右京のエコカーの試みなど既にあるが、
それを燃料電池として電力化へと進めたのがこの事例。
将来性は高そうだ。
考えられる課題点は、
原料となる生ごみの品質が一定でない、ということ。
ごみなんだから、そりゃそうだ、という感じだが。
そこんところをどうクリアーするのかの情報も欲しいところ。
ポイントをまとめると、
・原料は廃油や生ごみなど、廃棄物由来のバイオマス
・作るのは燃料電池(電力)
・地域循環・地域密着型の仕組みが可能
・現時点ではまだ実験段階
地産地消というか、コ・ジェネに近い
循環型・小規模化が可能そうな点は、高く評価できる。
その方向性での実用化を希望。
◆ ◆ ◆
2月5日 日経
メキシコで「トルティーヤ危機」、伝統主食が高騰
http://www.nikkei.co.jp/news/past/honbun.cfm?i=AT2M0200A%2002022007&g=G1&d=20070202
こちらはネガティブな情報。
バイオでエタノールをつくるために
食用のトウモロコシが高騰している、という例。
この手の話はこれまでも何度か出ているが
(下にリンクした過去記事も参照のこと)、
バイオマスが「グローバルに」市場化されると、
もっと多発しそうだ。
この、トウモロコシのバイオエタノール畑(とその市場)の規模が
更に拡大すると、
この貧困と飢餓の問題もまた、同じように拡大していくだろう。
つまり、ポイントは
・原料は食糧ともなるトウモロコシ、作るのはエタノール(燃料)
・よって、食べるかガソリンにするか、という
消費の中での対立構造を生む
・まさにグローバリゼーション。原料調達、生産地、消費地が
それぞれバラバラという仕組み
という辺りを意識しておこう。
◆ ◆ ◆
2月8日 ロイター(goo経由)
スペインのバレンシア、オレンジからエタノール生産へ
http://news.goo.ne.jp/article/reuters/world/JAPAN-246401.html
オレンジからエタノール。
正確にはオレンジの皮など加工に伴う廃棄物の有効利用。
発想としては、上の京都の取り組みとやや近いものがある。
さらにこれも、地産地消型の発展が望めるといいのだが。
記事にある、カリフォルニア州の前例というやつ、
気になってサクッと調べてみたら
なんとニホン企業が事業化に成功している。
(http://www.carview.co.jp/news/0/16730/
2006年6月20日 日揮、米国で廃材からバイオエタノール生産)
廃棄物の有効利用という仕組みは、
ニホン企業のビジネスチャンスでもあるわけだ。
ポイントは幾つか。
・原料はオレンジの皮など、食品加工の廃棄物由来
・作るのはエタノール(燃料)
・既に企業による参入があるなど、
コストの問題はクリアーできている?
・スペインは地域循環的な志向のようだが、
カリフォルニアではグローバルな展開になっている模様
思慮のあるグローバル、であってほしいと思いながら。
◆ ◆ ◆
2月17日 日経
大阪府、バイオマス燃料普及へ実証事業・廃木材を利用
http://www.nikkei.co.jp/news/retto/20070216c6b1602d16.html
2月19日 goo自動車&バイク
大阪府、バイオマス燃料の普及を推進
http://autos.goo.ne.jp/news/society/article_91686.html
こちら2つとも、大阪。
最初のバイオエタノール・ジャパン関西とは
連動しているのかいないのか。
◆ ◆ ◆
2月25日 毎日
バイオエタノール:大増産計画が本格化 技術開発に課題
http://www.mainichi-msn.co.jp/science/env/news/20070225ddm008020112000c.html
こちらは課題点を論評した記事。
これまでが、やや理想論的なハナシだったのに対して、
これは「じゃあ現実に実用化・運営していくには?」
というところを丁寧に見直している。
上の大阪や京都の話が
「廃棄物の有効利用」という辺りが強く感じられるのに対して、
こちらの記事は「温室効果ガスの排出抑制」を重視した展開
になっているのも、興味深い。
記事では、
>食料用に生産されている既存原料を大量にバイオエタノールに振り向けると、
穀物価格の高騰や食料自給率の低下につながる懸念がある
と指摘のある通り、
業界は安くできるのであれば
この辺りを無視しそうな流れもあるので、
ここはきちんと言い続けないといけないところ。
また、記事後半の指摘も大きな壁になりそう。
と、いうのも。
一方では、
未利用の資源や耕作放棄地を有効活用といった、
農林水産省の希望がバイオへの期待を膨らませている。
他方では、
ガソリンへの混合率や税金をどうするか、さらには
開発~商業ベースに乗せるまでのコスト問題から
渋がる経産省がいる。
こうした対立構造があることも触れていて、
ああ、またかよ、と。
こういった辺りの縦割りを何とかして欲しい、というのが
素朴な庶民の願いだったりするんだが。
◆ ◆ ◆
で。
これまでの報道と、
この写真のインドネシアのハナシとを比べてみると。
後者の場合、つきつめてしまうと
要はどうやって儲けるか、というハナシのように見えてくる。
というかまあ、温室効果ガスの排出削減は「口実」で、
儲かればいい、というのがやっぱ本音だろう。
1980年代、90年代の
マレーシアやインドネシアの森林伐採のときも、
現地の雇用拡大だとか貧困対策だとか、
まったく同じ文言でコトが進められていたことを思い出す。
結果、引き起こされたのは
大規模な環境破壊であり、
地元の人びとへの人権侵害・弾圧だった。
ちなみにこの状況、今も続いている。
そう考えると今回のこれも、やはり
その同じ道を、
同じように辿るだけのことになるのではないかと、
深く懸念されるのだが。
さて。
◆ ◆ ◆
尚、当ブログのバイオ燃料関連の過去エントリはこんな感じ。
2006年3月8日 薪・炭・エネルギー
8月2日 「エコ」的イメージにご用心
9月25日 植物性なら問題なし?
11月13日 バイオ燃料だけでエコになれる、わけではない
※文中の各報道は<続きを読む>で。
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登録日:2007年 02月 26日 23:54:12
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