2007年 03月 26日
こぐまのクヌート
母クマの育児放棄で、安楽死の危機もあったホッキョクグマが一般公開 - ドイツ
【ベルリン/ドイツ 23日 AFP】一時は安楽死か…といわれたホッキョクグマの「Knutくん」が、ベルリン動物園(Berlin Zoo)で一般公開され、元気な姿を披露した。
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(c)AFP/MARCUS BRANDT
ものすごく可愛い。
飼育員さんとの情愛のこもったやりとりが、
その温度も含めて伝わってくる写真だ。
飼育員さん個人は、いいヒトそうで何より。
これ、甘噛みをしているんだと思うが、痛くないんだろーか。
まあ、こんな甘噛みができるのもあとちょっとの間だけだろう。
オトナになれば、
ヒトと戯れることがそのまんまスプラッタムービーの実演にも
なりかねない。
子グマを見ているとまるでぬいぐるみのようだが、
実際のホッキョクグマは、猛獣だ。
東京・築地のなんかの店で
(たぶん食材を売っている店だったと思う)
ホッキョクグマとオオヤマネコの剥製を飾っていたのを見て
その悪趣味さに
ぶん殴りたくなるほどの不愉快さを感じたことがあるが、
そこのホッキョクグマ(オトナ)のでかいことでかいこと。
と、それはさておき、クヌートに戻ると、
こっちの写真なんか、まるでウチの猫のようだ。扱われ方が。
http://www.afpbb.com/article/1449542
これは、肉球もわかる。
http://www.afpbb.com/article/1449531
ベロ出しに心奪われるミーハーも多そうだ(含む自分)。
◆ ◆ ◆
と、楽しんだところで、ふと疑問が湧き上がる。
まずは母グマの育児放棄というが、
どうしてそうなったのかの解明は
どこまでできているんだろーか。
つか、母グマが飼育環境に適応できないからこその育児放棄、
の可能性は充分に考えられるんだが。
(飼育環境そのものがストレスになっていたり、
自身も飼育下で生まれ育ったため育児方法を学び損ねていたり、
ということ)
幼体を献身的に保護するのは評価してもいいが、
母グマのケアは大丈夫なんだろうか。
◆ ◆ ◆
もう一点。
一瞬、記事の中にガセネタが混じっているのかと
錯覚しそうになったが、
他の報道(毎日)の方でもこの点については重複しているので、
(3月24日 毎日
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20070325k0000m030059000c.html )
恐らく相応に近い事実があったものと思われる。
毎日の記事の方から引用すると、
>一部の環境保護団体は「ホッキョクグマの生存率は非常に低い。動物は自然に育てるべきで安楽死させた方がいい」と主張
これ、本当に環境保護団体、なんですか(笑。
つか、「自称・環境保護団体」とか
「なんちゃって保護団体」とかじゃね?
あるいは、売名行為のために、過激なことを主張したり、
とかいうことをしちゃう輩。
裸族のPETAさんたちのような。
てか、あそこはもう手段が目的化しているような感じも
受けるけれども。
いずれにせよ、傍流の考え方というか、
ホンモノの方々はないことは、確か。
まあ、
>一部の
とあるように、本当に一部の方々、なんだろうけれども。
逆に、報道が、煽るため(記事を読み物的に面白くするため)に
そうした傍流を大きく取り上げたか、
あるいは動物園側がクヌートに同情・注目を集めるために
その点を大きく主張した、
という可能性もある。
キャンペーンにバンバン利用したりとか
グッズ販売に力入れまくりだとか、
やりすぎ感も結構漂っているし。
メディア・リテラシー的には非常に面白い題材とも言えそうだが、
当のクヌートにとってはいい迷惑、のような感じもして、
何となく不快感が残る。
にしても、自分もこの業界
(環境問題なんかにかかわるNGO)は結構長いが、
この手の主張をリアルでしている方々は、
少なくともアジア圏ではほっとんど見かけないなぁ。
それとも、欧米には、多い?
……そうとも思えないんだが、やっぱ。
ホッキョクグマは、温暖化の影響云々も含めて
その絶滅の危機が非常に心配されている哺乳類のひとつ。
(その昔は、
化学物質汚染なんかも数を減らす要因として言われていた。
極地は農薬などの化学物質が
地球上を巡り巡って吹き溜まる、そんな場所なのだ)
ここまで希少種になってしまうと、「安楽死」を言い出すのは
どう考えても
科学的な視点を欠落しているとしか言いようがない。
このような希少種・絶滅危惧種に関しては
生息地域の環境保全を図ったり、
(生息地の環境悪化・破壊がその要因であることも多いため)、
他の減少要因(狩猟や開発など)の
禁止や改善を図ったりしながら、
その種の数が野生状態で増えるように対策を取るのが、
環境保護家、もしくは動物愛護者としてのセオリー。
つか、まともな団体はほとんどそういうことをやっている。
し、
別に団体でなくてもそれをやっているひとびとはいる。
わざわざ、こんなアホ臭い、
今飼育下にある生きている個体を、「サツガイせよ!」 ※
とかってやっている暇なんてない。ふつー。
◆ ◆ ◆
AFPも毎日も、どうせなら、そういうまっとうな保護家たちも
一度きちんと取り上げてみればいいのに。
PETAとかシー何とかとか、
絵になるしインパクトはあるけれども
アホ臭くて面白い(←ここで言う面白いはinterestではない)
輩ばかり取り上げるのは
ほどほどにして。
ま、まっとうな団体たちがやってることは
非常に地味だし、記者だって事前の勉強はいるしで、
記事にしづらいとは思う。
けれども。
絵になりやすいことやストーリーとしてわかりやすい
ことばかりを追いかけて、
大切なことを取りこぼしていては
報道とは言えないだろ、やっぱ。
あと、記事読んだヒトも、「かわい~♪」とかって
思考停止している暇があったら、
野性のホッキョクグマの保全に関して
自分がちょっとでもできそうなことを
さっさとやったほうがいいと思う。
可愛さを消費するだけして、後は野となれ、という考えならば、
その意味では一貫性があるとは思うが(賛同はしない)。
とりあえず、WWFのホッキョクグマの関連ページを紹介。
http://www.wwf.or.jp/activity/wildlife/lib/polarbear/index.htm
http://www.wwf.or.jp/activity/climate/impact/beartrack/index.htm
※:「サツガイせよ!」は、まんが『デトロイト・メタル・シティ』(白泉社)の主役、クラウザーさん(デスメタルバンドのヴォーカル)がその持ち歌でよく使う、有名なフレーズ。無関係だけど無理やり引用。
あと、毎日の記事テキストは<続きを読む>以下に収納。
.
.
... 続きを読む
カテゴリー[ 絶滅危惧種 ], コメント[2], トラックバック[0]
登録日:2007年 03月 26日 12:23:05
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◆屋号の「山猫」は宮沢賢治から。大阪に長くいたので時々関西弁が混ざることあり。
◆07年3月、ブログタイトルを一部変更。今後も、カメだけでなく、ワニやラクダやトカゲからも いろいろと学べるもんだろうと思いつつ、のてのてと更新中。
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