2007年 04月 28日

バイオエタノール情報(つづき)

海賊版製造は産業の一部、米国は著作権侵害でWTOに提訴 - 中国

【北京 9日 AFP】「ディズニーランドは遠すぎる」をキャッチフレーズにする北京石景山游楽園(Shijingshan Amusement Park)は、「シンデレラの城」や「マジック・キングダム」、白雪姫と7人の小人たちなど、ディズニーランド(Disneyland)そっくりのイメージがあふれるアミューズメント・パークだ。
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(c)AFP

AFPBB News


写真はエントリの内容と全然関係のない
中国のパチモン・パークから。
(これでライオンキングを名乗るのだから、すげー)

下のエントリで、うっかり重要な情報を入れ忘れたのだが、
エントリ自体が長いことと この情報の有用性から
別エントリとして作成する。


◆ ◆ ◆

さて。バイオエタノールのハナシの続き。
要約すると、ビールの値段が示しているこの問題の本質は
「食糧にするものを燃料にしてしまっていいのか」
という点にあるのだ、という問題提起へとつながっていく。

このようなバイオエタノール問題について、
環境問題についての政策提言における大御所のひとつ、
レスターブラウン氏のワールドウオッチ研究所
 http://www.worldwatch-japan.org/
の最近のレポートから、有益な情報を紹介する。


まずは、写真に関連する(←ムリムリ ヤリヤリ~)、
中国のエタノール事情のレポートから。

中国-バイオ燃料の生産拡大が中国の生態系を脅かす《1》
 http://www.worldwatch-japan.org/CHINAWATCH/chinawatch2007-3.html
及び
中国-バイオ燃料の生産拡大が中国の生態系を脅かす《2》
 http://www.worldwatch-japan.org/CHINAWATCH/chinawatch2007-3B.html
より。

ここで指摘されているのは、
中国に存在する広大な沙漠で
バイオエタノール原料の植物を栽培するのではなく、
わざわざ生態系の豊かな国内の原生林を売り払って、
そこをプランテーションにすることで
バイオエタノール生産に励む危険性が極めて高い、という点だ。
とりあえず、中国由来のバイオエタノールに関しては、
まだ油断は禁物、ということか。


もう一点。
【資源】トウモロコシが燃料へ。バイオ燃料の可能性《1》
 http://www.worldwatch-japan.org/NEWS/ecoeconomyupdate2007-5.html
及び
【資源】トウモロコシが燃料に。バイオ燃料の可能性《2》
 http://www.worldwatch-japan.org/NEWS/ecoeconomyupdate2007-5B.html
より。

こちらはトウモロコシを題材に、
バイオマスの環境負荷と人権について、理詰めの提示。

たとえば、

>バイオ燃料の生産で作物を評価する際には、二つの重要な指標がある。作付け地の単位面積当たりの燃料生産量と、その生産と精製に使われたエネルギーを差し引いた、バイオ燃料の正味エネルギー生産量だ。

という、根本的な環境負荷についての考え方は
常に頭に置いておきたい内容だ。

さらに、具体的な数字を挙げていく。

>たとえば、アメリカでは、2004年に3200万トンのトウモロコシで34億ガロンのエタノールを生産した。使用したトウモロコシの量は、アメリカの膨大な総生産量のわずか12%だが、世界の平均的な穀物消費量では1億人を養える量だ

文字通り、「食えるもんを燃料にしちゃってるのね」問題、
なわけだ。

このレポートの結末は、なかなか重たい指摘で締めくくられる。

>自動車を運転する裕福な人々が低所得の食料消費者と、食料資源をめぐって争うことになり、世界は新しい複雑な道徳問題に直面することになる。

これはまあ、道徳問題というよりも、
生存権にかかわる問題という方がより適切なような気もするが。


以上、前エントリの補足、ということで。


(尚、今回の紹介レポートについては、テキストの収納はなし。参考になるようであれば、ワールドウオッチ研究所にカンパなり、本を買うなりして支援を)
.
.

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登録日:2007年 04月 28日 22:11:01

ビールだけで済む問題か?

ドイツ国民がこよなく愛すビール、バイオ燃料生成で価格上昇の危機か - ドイツ

【ベルリン/ドイツ 22日 AFP】ドイツ人が愛してやまないビール。
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(c)AFP/JOE KLAMAR

AFPBB News


ビールの値段がどうこうというレベルの話ではないと思うのだが。
それとも、身近なビールをきっかけに
この問題へと誘うため、ということか。

食物と燃料とどっちにするの? 問題というのは、
過去にもハナシが出ている。
特に、エタノール生産によるビール価格の影響というハナシは
2ヵ月前、2月26日の日経(英ファイナンシャル・タイムズの記事)
で既出。

バイオ燃料の生産拡大がビール価格押し上げへ
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/media/20070226NTE2IFT0226022007.html


一部のバイオエタノールと食糧生産との軋轢については、
過去にも当ブログで幾度か取り上げているが、 ※
今回は、それとは別に
最近報道されたものを中心にまとめて紹介する。


◆ ◆ ◆

まずは先月あたま。
3月3日の日経より。
 トウモロコシ高騰、食品会社が悲鳴
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20070303AT1G0203V03032007.html

ここでバイオエタノールの原料として取り上げられているのは
大麦ではなくトウモロコシ。
記事内ではトウモロコシ製品全般の値上げの可能性も
示唆されているが、
これは食料自給率40%というニホンにとっても
近い将来大問題になるのではないか、と。


◆ ◆ ◆

4月4日 時事通信
 エタノール燃料ブームが食糧危機を悪化させる=米研究
http://news.goo.ne.jp/article/jiji/life/science/070403185953.lp28y5e1.html

具体的提言あり。特に、
>バイオ燃料がトウモロコシや大豆以外の材料から経済的に製造されるようになるまで、各国政府はエタノール燃料に対する優遇政策を控えるべき
という提案はもっと大きく知られた方が良い。

というのも、
>補助金などの優遇政策が導入されれば、農民たちがトウモロコシやその他の穀物を大量にエタノール用に転換
すると見られているため。

もしもそうなった場合、
>バイオ燃料に回ることが原因となって主要食糧品の実際の値段が1%上昇するごとに、世界中で食糧危機に見舞われる人々が1600万人以上増加すると推定
という専門家の話が述べられている。
ビールの値段どころの騒ぎではない。


◆ ◆ ◆

エタノール用の栽培が増えたおかげで、
種苗会社などの株も上がりっぱなし、の模様。

4月5日 日経
 米モンサント、トウモロコシ種子伸び純利益23%増・12―2月期
http://www.nikkei.co.jp/news/past/honbun.cfm?i=AT2M0500C%2005042007&g=G1&d=20070405

ちなみにこのモンサント社は、
遺伝子組み換え技術などで物議を醸している
農薬会社でもある。
ヴェトナム戦争の枯葉剤を開発したのも
確かこの会社だったっけ?
儲かるためには何でもやる、という企業姿勢は、
ある意味すがすがしい(←モチロン皮肉だ


◆ ◆ ◆

ちなみにトウモロコシの高騰の話がまたも出ている。
この手ニュースが流れるだけで、相場が上がって、
その手のヒトタチはえらく儲けているんじゃないかと推測。

4月25日 日経
 トウモロコシ高騰波及、米で食品・農地価格上昇
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20070425AT2M2401724042007.html

◆ ◆ ◆

もちろん、バイオマスの全てに問題があるというわけではない。
これまでも繰り返し述べてきているように、
食用廃油をバイオマスとして活用したものや 
間伐材(植林木の間引き材でその多くが活用されずにいる)
等を利用した木質バイオマス、
サトウキビの搾りかすのような農業廃棄物などなど
廃棄物由来のバイオマスも各地で作られている。

そのほかにも、ニホン国内でいえば、
稲作の転換作物としてのナタネなど、
従来の循環システムを巧みに活用するバイオマスの手法は
幾らでもある。

最近では、植物性ばかりではなく
動物性の油脂からディーゼル化という
バイオマスの話も出てきている。
この技術については正直、まだ情報が少ないこともあって
判断は保留する。
とりあえずそういうものもある、ということで。

そういった中から、幾つかの報道を下に紹介。

4月11日 神戸新聞
 お花畑は未来のエネルギー 稲美町
http://www.kobe-np.co.jp/kobenews/sg/0000298289.shtml

4月17日 日経
 動物脂肪からディーゼル燃料、米コノコとタイソンが事業協力
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20070417AT2M1700T17042007.html
(↓別アドレスによる同一記事)
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20070417AT2M1700T17042007.html

4月17日 AFP
 石油会社と食肉処理会社が共同で「バイオ燃料」製造へ - 米国
http://www.afpbb.com/article/1518453

4月19日 ロイター
 ゾウのふん、バイオ燃料の生成に一役=オランダの科学者
http://news.goo.ne.jp/article/reuters/world/JAPAN-256310.html


◆ ◆ ◆

ともあれ。
温暖化対策になれば何でもエコ、というような考えは
まんま思考停止しているようなもんだし、
それをいい口実にして儲けようとする輩も幾らでもいるだろう。

昨日4月27日のAFPのこれにしても
 http://www.afpbb.com/article/1545675
このバイオエタノールの原料の出所はどこなのか、
生産地の環境破壊はないのか、人権侵害はないのか、
競合する産品との間に問題を生じさせていないか、
といったところまでしっかりとチェックしないことには
単純に歓迎できるものなのかどうなのか、微妙だろう。
(原生林破壊をしたヤシ油からのエタノール、という可能性も
疑わないといけない、ということだ)

だいたい、Aという問題についてはBという技術で解決!
というような、クビの挿げ替えで納めようという発想そのものが
地球の環境破壊の源となっているわけだし。



当ブログの関連過去記事はこちら。
2006年8月2日 「エコ」的イメージに ご用心
 http://www.actiblog.com/yamaneko/12111
     9月25日 植物性なら問題なし?
 http://www.actiblog.com/yamaneko/16268
    11月13日 バイオ燃料だけでエコになれる、わけではない
 http://www.actiblog.com/yamaneko/20236
2007年2月13日 オランウータンが絶滅しても、わたしは二酸化炭素の排出量を減らしたいんです
 http://www.actiblog.com/yamaneko/29404
     2月25日 バイオといってもピンきりだ
 http://www.actiblog.com/yamaneko/30609

エントリ内の報道関係は<続きを読む>に収録。多いので注意。一部は省略。
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登録日:2007年 04月 28日 20:26:49

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このメモは猫のヒゲ
◆環境カウンセラー兼フリーランスのライター・編集業の「山猫通信社」については、上のHPをぽちっとどうぞ。ブログをみてのご連絡は、sorano_ki@yahoo.co.jpへ。
◆屋号の「山猫」は宮沢賢治から。大阪に長くいたので時々関西弁が混ざることあり。
◆07年3月、ブログタイトルを一部変更。今後も、カメだけでなく、ワニやラクダやトカゲからも いろいろと学べるもんだろうと思いつつ、のてのてと更新中。
◆トラックバック、どうも故障中の模様(早く直してくれAFP)。
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