2007年 06月
紙問題の学習会への誘い
【6月29日 AFP】「人類による土地開発で、もはや地球上には未開の地はほとんど残っていない」とする米自然保護団体Nature Conservancyの研究結果が、米科学雑誌「サイエンス(Science)」に発表された。
≫続きを読む…
(c)AFP
と、いうことで、写真とはちょっと外れる案内をひとつ。
またも関東、今度は神奈川県の相模原市。
小田急線相模大野駅から徒歩の会場で、
紙問題の学習会が行われるので、そのご案内を。
日にちは7月7日(土曜日)の午後と、もうすぐなのだが、
お近くの方は、ぜひ。
◆ ◆ ◆
お題:インドネシアの紙パルプ用伐採の現状
~熱帯林の先住民と森林破壊の現場から~
日時:2007年7月7日 14:00時~16:00時
場所:相模大野 大野南公民館2階 コミュニティ室
(小田急線相模大野駅(北口)より徒歩7分)
内容:ビデオ上映と現地報告、ニホン国内における製品の報告など
参加費:500円(資料代、JATAN会員は無料)
主催:熱帯林行動ネットワーク(JATAN)
〒151-0051東京都渋谷区千駄ヶ谷5-29-7-801
FAX 03-5367-8379
URL:http://jatan.org
E-mail:harada1291@yahoo.co.jp
どうしてそんなことしはんの?:
インドネシアのスマトラ島のリアウ州。ここは、地域固有のゾウやトラが生息するなど生物多様性の豊かな地域ですが、現地の製紙企業の破壊的な伐採などにより、森林が急速に減少しています。
日本では、インドネシアから輸入された紙製品が増えています。気づかぬうちに、熱帯林破壊に加担しているかもしれません。普段何気なく使っている紙が、どのようにして作られているのか、ぜひこの機会に一緒に考えてみましょう。
その他:事前申込があると助かる、ということで
上のメールアドレスに一報を(タイトルは「報告会申込」で)
◆ ◆ ◆
インドネシアの森林伐採の問題など、
予備知識や調べごとをされる方は、上記の主催団体である
JATAN・熱帯林行動ネットワークのサイトが便利。
http://jatan.org
取り急ぎ、日時も押し迫っているので、これにてアップ。
.
カテゴリー[ 行動要請ざんす ], コメント[0], トラックバック[0]
登録日:2007年 06月 30日 11:13:41
囲い地+机上の論理
【6月18日 AFP】国営新華社通信(Xinhua News Agency)は17日、北東部黒竜江省(Heilongjiang Province)の動物繁殖センターで3月以降に誕生したシベリアトラの赤ちゃんが84頭になると発表した。
≫続きを読む…
(c)AFP
アムールトラ、の呼び名の方が馴染みがありそうな。
基本的には、
数を増やそうと努力していることは評価できると思うし
実際に数が増えていること自体はいいことだと思うが、
どこか違和感が否めない、中国。
所詮は、飼育施設という「囲い地」の中でのハナシと
机上の計画をつなげているだけではないのか。
◆ ◆ ◆
たとえば、以下の記事なんかを立て続けに読んでしまうと。
http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/environment/2229734/1627494
野生のパンダ生息地区、ますます環境悪化
2007年05月25日 23:11 発信地:成都/中国
http://www.afpbb.com/article/life-culture/life/2232715/1641415
野生に放たれたシャンシャン、遺体で発見
2007年05月31日 23:51 発信地:北京/中国
生息地の環境にはどのくらい目配りしているのか。
シャンシャンの犠牲は、悲しいけれども必用なトライアルの一環
なのか。
技術で何とかしよう、というような科学万能的な思想に
毒されていないのか。
◆ ◆ ◆
シベリアトラ(アムールトラ)にしても、
>1986年に設立された同センターでは750頭のシベリアトラが飼育されており、将来的には620頭が野生に帰されるという
というが、
この620頭のうち、どのくらいが
きちんと生き延びられるのだろうか。
トライアルには犠牲がつきもの、というのはセオリーだが、
相手は生きもの、それも希少種である。
◆ ◆ ◆
生息地の環境破壊を止めたり密猟を廃絶させたり
密猟の要因となる毛皮や漢方薬への欲望を解消させる方が
根本的、本質的な解決となりえよう。
もちろん、シベリアトラ(アムールトラ)の減り具合からして、
あるいはジャイアントパンダの場合も同じく、
数的な面から見て
そうした対応だけでは追いつかないのも判っているし
(なんせ全世界に3桁しかいない、ってどうよ?)
今の生息環境が狭すぎて手に負えないというのも事実だろう。
(でも、生息環境を破壊したのは、大体ジンルイなんだけどな)
けれども。
どうせならこれらの環境配慮をきちんとして
野性下での数が増えるような対策を目指すほうが、
遠回りで効率が悪そうにも思えるが、
実は一番堅実な道なのではないか、とも
思うのだが。
なんだか、技術で全てが解決できる、というのは、
ニンゲンの欲望はとりあえず脇に置いといて、
(現地の環境へ配慮をしたくない;
木を伐りたいとか開発したいとか面倒くさいとか)
(あるいは、毛皮や漢方薬が欲しいとか)
というような感じが否めないし、
技術を用いたいという欲望そのものを
きちんとコントロールできるのかどうかも不安だ。
念押しするが、
木を伐りたい(生息域を縮めたい)とか毛皮とか漢方とか、
そういう「欲望」のコントロールはどこまでしているのだろうか。
つか、やる気があるのか。
この1年ほど、中国の飼育動物関連の情報は
随分と丁寧にみてきているのだが、
なかなかこうした方面以外のハナシが出てこないのだ、
ほんまに。
出てくるのは、こうした飼育下、囲い地でのハナシばかりで、ねぇ。
※1:パンダのシャンシャン死亡、の報道は随分と多かったが、今回収納せず。
※2:1月のエントリと内容がかぶるが、状況に変化がないということで、とりあえずこのエントリも上げておく。
過去エントリ→http://www.actiblog.com/yamaneko/26248
※3:あとは、ヨウスコウワニのこれとか
→http://www.actiblog.com/yamaneko/36298
.
カテゴリー[ 絶滅危惧種 ], コメント[0], トラックバック[0]
登録日:2007年 06月 29日 00:01:56
不要な需要の掘り起こし
イスラエルの研究チーム、バラやレモンの香りがする「遺伝子組み換えトマト」を開発
【6月25日 AFP】バラやレモンに似た香りのするトマトを遺伝子組み換え技術で開発したと、イスラエルの研究チームが24日、米科学誌ネイチャー・バイオテクノロジー(Nature Biotechnology)の電子版で発表した。
≫続きを読む…
(c)AFP
バラの香りをかぎたいならば、バラの花を愛でればいい。
檸檬の香りを味わいたいのならば、檸檬を一口齧ればいい。
ちなみに、日本が誇る調味料、「しょうゆ」の中には、
バラの香りと同じ成分もあれば、
コーヒーと同じ成分も含まれている。
まあ、かいだらしょうゆの匂いしかしないけれども。 ※
と、余談はさておき。
◆ ◆ ◆
GM(遺伝子組み換え技術)そのものの問題性もあるが、
(安全性、遺伝子汚染を含む環境破壊の可能性)
それ以前に、
バラの香りのトマト、食いたいか?
これを見て、なんかの本のタイトルにあった
イヌイットに氷を売る
とかいう商売の話を思い出した。
(実は本は読んでない、タイトルがそのニュアンスのものだった)
この発想、商売人としては優秀なんだろうが、
当のイヌイットが幸せかどうか、
それ以前に
北極圏で氷を売るという環境配慮的なセンスの無さ、
その無意味さの中に
意味を見い出すことの是非はどうなっとるのか、
という疑問があったんだが。
いらん需要といえば、
肥満の不安を煽ってのダイエット関連商品の数々なんかも、
似たニオイがぷんぷんとしてくるんだが。
なんか、マッチポンプな構造だよな、どれも。
GMという技術そのものにも当てはまる話だが、これ。
※:しょうゆには、分かっているだけで300種類もの香りの成分が含まれている。原料は大豆と小麦、塩だけだというのに。すげー。
.
カテゴリー[ 食から見る環境 ], コメント[0], トラックバック[0]
登録日:2007年 06月 28日 00:19:35
実践、スクラップ&スクラップ!!!
【6月27日 AFP】アフリカ、ヨーロッパ、米国の21か国に335のホテルを展開するスペインのホテルチェーン、NHホテルズ(NH Hoteles)が、「ストレスがたまった人」を募集している。
≫続きを読む…
(c)AFP
但し、内装のみ。
タイトルのネタ元は、この春大人気だったあの方の台詞から。
↓
東京都知事候補 外山恒一 政権放送
http://www.youtube.com/watch?v=l2C9lv5t0yQ
(動画Youtube、注意)
まあ、その後プロの手により、ビルドされちまうんだけどな。
そんだけストレス溜まっているんだったら、
破壊作業をやっているよりも
ストレスの元、根本の原因やら要因やらを
一つずつきちんと片付けていく方がええんでねーか?
と一応、正論も付け加えつつ。
しかし、
>築11年のホテルを改装するため内装の取り壊し作業が行われる
築11年で改装とは、えらくタイムスパンが短い。
あんまりエコじゃあねえよな、と思いつつ。
.
カテゴリー[ 分類保留 ], コメント[0], トラックバック[0]
登録日:2007年 06月 27日 22:29:30
大手マスコミはちゃんと取材をしとるんか
【5月27日 AFP】モロッコ南西部の町タルーダント(Taroudant)ではこの時期、ヤギがアルガン(Argania spinosa)の木に登り、苦い実を食べる様子が見られる。アルガンはモロッコ南東部の半砂漠地帯に生育する樹木で、8メートルから10メートルの高さまで育ち、およそ200年の寿命を持つ。アルガンの森は80万ヘクタールの範囲に広がり、ユネスコ(UNESCO)により生物圏保護区に指定されている。(c)AFP
黒ヤギさんたら、木の実を食べた~♪
アップで見ると、こいつ、かなりオモロイ顔をしとる。
ヤギが紙も食う、というのは、いまはもう昔の話。
実際、
今の紙は工業製品として化学薬品なんかをばんばん使って
作られているものだから、
昔の、みつまたやこうぞ、あるいは藁なんかを使っていた頃と
同じように食わせるわけにはいくまい。
で、間が飛んだけれども、
タスマニアの森の、ちょっとだけ続きのテーマから。
前回まで、
タスマニアの原生林を伐り払ってそれを紙の原料にしている、
(んで、そのお得意さんは日本製紙株式会社だという、)
という話を2回ばかりエントリとしてアップしたが、
その日本製紙がニュースソースとなっている新聞記事などが、
この春、何度か「ジャーナリズム」のかたちをとって
ネットなどにも流れている。
たとえば、こんな感じ。
4月24日 朝日
実は燃料大量消費、100%再生紙を廃止へ 日本製紙
http://www.asahi.com/life/update/0424/TKY200704240323.html
6月8日 R25(yahoo! 経由)
100%再生紙やゴミ分別の常識は、エコじゃなかったの?
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070607-00000007-rec_r-soci
6月11日 日経BN
古紙100%配合でCO2は増加? 日本製紙が再生紙を見直し
http://business.nikkeibp.co.jp/article/tech/20070608/126867/
ええっとさ。
別に、タスマニアの原生林に関心がなかったとしても、
これ、
「日本製紙」以外のソースにどこまで取材、ちゃんとしとるのか、
というのがすぐに疑問として浮かんでくるんだが。
特に、日本製紙のニュースリリースと見比べてみたりすると。
4月24日 日本製紙(ニュースリリース)
再生紙ラインナップを再編、古紙100%配合製品を廃止
http://www.np-g.com/news/news07042401.html
裏を取る、というのがマスコミさんの仕事の一部、じゃないんか、
ふつー。
だってさ。
ニホンではいまや、古紙の値段がとても値上がりしていること、
そして古紙の多くが中国へと輸出されていて
ニホンでの古紙は品薄状態にあることなどは、
それなりに新聞を読んでいたら、幾らでも出ているわけだし。
主要な原料の入手が困難になってきている、
(高いから、また品薄だから、という理由で)
という背景がある中で、
こういう記事が出された、ということは、
原料を変えるしかない、その理由付けのひとつに
温暖化云々を使った、
というふうに見るのが妥当なところなんじゃないかな、と。
◆ ◆ ◆
ここまで斜に構えた見方をしていなかったとしても、
同じ疑問を抱いた人びとはいた。
しかも、古紙にずっと関心を寄せていた人びとだ。
古紙問題市民行動ネットワーク(以下「古紙ネット」と略)では、
http://homepage2.nifty.com/koshi-net/
この話の出た頃から
日本製紙の言い分に疑問を持っていたので、
日本製紙に取材に行ったそうだ。
その経過は、古紙ネットの会報(印刷物、ネットはなし)に
詳しくある。
そこから少しばかり紹介するが、
少なくとも、
民間のボランティア団体・NPOの人の取材の方が、
上にリンク張ったマスコミ3社の取材よりも
はるかに充実している、ということだけは強調しておこう。
ちなみに、古紙の値上がりや品薄云々についてのテータも、
この古紙ネットの過去記事に
幾らでも見つけることができる。
http://homepage2.nifty.com/koshi-net/trend/trend.htm
◆ ◆ ◆
取材日はわからないが会報の発行日は6月1日なので、
恐らく5月には話を聞きに行ったものと思われる。
取材とまとめは、同ネット代表の中村さんによる。
ちなみに古紙ネットによる古紙利用の提案、
その土台となる理念は次の6点である。
【環境保全型の紙とは】
・古紙の混入率が高い
・環境に配慮した森林からのパルプを原材料としている
・過度な漂白をしていない
・つや出しのための化粧が少ない
・リサイクルしにくい加工をしていない
・有害性の疑いのある薬品を使っていない
こう定義づけている。
で、古紙ネットは
日本製紙の環境部局の人と広報の人とに話を聞いたのだが、
日本製紙側の結論をすげー簡単にまとめてしまうと、
結局は
「古紙配合によって二酸化炭素の排出が増える」の一点張り
ということに理由が絞り込まれていく。
これ、ニュースリリースでも話はだいたいこの通り。
いいのか悪いのかわからんが、視点にぶれはない(笑。
古紙ネット、取材の中村さんのまとめによると、
>「木材チップだけからつくる紙に比べて、製造工程で黒液を使えない再生紙は石油由来の二酸化炭素排出量が多い」ということに尽きる
とある。
温暖化以外の環境配慮について、どの程度考えているのか
その話は全く出てこなかったようだ。
たとえばそのまとめの中で、
>日本製紙のコンセプトで抜けていると思うのは、環境負荷からの「紙の白色度は高くなくていい」という視点です。
というツッコミもかましている。
流石だ。
◆ ◆ ◆
もちろん、紙の用途によっては
古紙100%では対応の出来ない分野があることも
よく分かっているし、
何が何でも全てが古紙、というのは現実的ではないことも
事実。
でも。
要は、古紙を原料として使いづらくなったから
ちょっと別の原料を入れたいんだけどもー、
というストレートな話を、
温暖化云々と絡めて言っているところが、
おかしいだろ、と。
たとえこれが全部事実で
温暖化対策になっているんだとしても、
じゃあ、その原料はどこからきているのか。
まさかタスマニアの原生林じゃあねぇだろーな?
という疑問も当然あるわけだし。
(だから、驚いて
古紙ネットさんが6月5日に講座に来てくれたわけだ)
これがタスマニアの原生林や
他の地域の原生林などでなかったとしても、
遠くから製紙原料を持ってくるというだけで、その分の
エネルギーは消費しているわけだし、
(伐採や現地加工、運送のための石油エネルギーね)
そうした分の二酸化炭素排出量は
どの程度勘定にいれてるのか、
というのも謎だ。
日本製紙のニュースリリースの図表では、
そこんところ数に入れていないようにしかみえないし。
運送分だけを考えても、
国内の古紙を集めるよりも、海外のパルプ持ってくる方が
石油を多く使っていることは確実なわけだし。
◆ ◆ ◆
さて。
懐事情の厳しい日本のNPOですら、
このくらいの取材はきちんとしている。
一方の、朝日新聞なりR25なり日経BNなりは、
ニュースリリースの孫引き程度で、
裏どりをしている気配すらない。
恐らく、
再生紙100%が温暖化対策にならないかもしれないという
ネタのインパクト、面白さ、新しさに驚いて、
そのまんま飛びついてしまったんだろう、ということも
理由の一つにはあるんだと思う。
既存のありがちなエコネタに飽きているとしたら、
これは「記事としては」面白くなるはずだから。
◆ ◆ ◆
しかし、タスマニアの森の話は聴きにくることなく、
大手企業のニュースリリースから引っ張って書いておしまい、
って、どうよ?
それで銭取って儲けてるとは、楽な商売だよな、これ。
こんなニュースリリースからの孫引き記事よりも、
日本製紙に
「タスマニアからのパルプを輸入しているのか
(しているとしたらどのくらいしているのか)」
「現地での原生林破壊のことをどの程度知っているのか」
「取引先のガンズ社が
反対派の議員を告訴・恫喝していることについて、
取引企業としてどう考えるか」
「タスマニアでの種の絶滅の危機や地元の市民の反対に
どう思うのか」
ナドナドのことを一言でも聞けば、
(別の意味で)面白いニュースができるはずなのに。
「タスマニアで燃やしている原生林の二酸化炭素は、
貴社の事業のどの部門で吸収しているんですか」とかさ。
なんだか、ここ2、3年で、
温暖化対策
と書いてあれば、なんでもエコ、と思考停止するヒトビトが、
マスコミをはじめ、多くなってきているような気がするのは
気のせいか。
このエントリを思い出す。
オランウータンが絶滅しても、わたしは二酸化炭素の排出量を減らしたいんです
http://www.actiblog.com/yamaneko/29404
ちなみに、この古紙ネットさんの記事、ウェブにはないので、
ご興味のある方は
古紙ネットの会員になるなり、カンパをするなりして
支援かたがた情報を入手されることを
オススメする。
※今回、マスコミのニュースについては、過去記事への収納はなし。リンク切れまではリンクを飛んで確認を。
.
カテゴリー[ 森林 ], コメント[0], トラックバック[0]
登録日:2007年 06月 26日 15:09:24
タスマニアの森の話(其の弐)
絶滅危機のタスマニアデビル、繁殖プロジェクトが進行中 - オーストラリア
【タラナ/オーストラリア 11日 AFP】「デビルがん」という悪性の顔面腫瘍性疾患により、絶滅の危機にひんしているタスマニア(Tasmania)島固有の種タスマニアデビル(Tasmanian Devil)の繁殖プロジェクトが、南部ホバート(Hobart)郊外タラナ(Taranna)の「タスマニアデビル保護公園(Tasmanian Devil Conservation Park)」で進められている。
≫続きを読む…
(c)AFP/Anoek DE GROOT
タスマニアの森の話(其の弐)
6月4日、5日に行われたタスマニアの森の話について、
先週のエントリ(其の壱)の続き。
6月14日
http://www.actiblog.com/yamaneko/37388
今回は、
タスマニア大学講師で生態システムが専門という、
農業科学博士のピーター・マクィランさんの講演録の
個人メモから。
ちなみにピーターさん、元々は昆虫が専門だったが、
もちろん生物全般に詳しく、且つとても話が面白かった。
本などが出たら売れそうだな、と思いながら聞き入った。
(ニホンにはタスマニアの動物本が少ないし)
写真のタスマニアデビルについての話も、もちろん
ガッツりと喰らいついた。
(なにせ相手は現地の専門家だぜ、べいべー)
◆ ◆ ◆
南半球にあるというだけではなく、
大陸のもともとの成り立ちなどもあって、
有名な有袋類をはじめ、
オーストラリアには固有種がたくさんいる。
タスマニアの場合、
オーストラリア大陸と離れた、「島」である。
そのため、タスマニア島だけの固有種もあれば、
オーストラリア本土で絶滅してしまった動植物が
ここでは生き残っているなど、
生物学的にも遺伝資源的にも非常に貴重な地域でもある。
それらの生きものの生息地とも言うべきタスマニアの原生林が
伐られちゃって、ええの? あかんやろ?
というのが前のエントリだったが、
じゃあ、どんな動植物がいるのか、というのが
ピーターさんの話になる。
◆ ◆ ◆
まずは、タスマニアの生物たちの基礎知識から。
タスマニアの島としての生態系の特長として、まず、
北海道よりも狭い島に、昆虫から哺乳類まで
およそ2万の固有種が数えられるという、
その生態的な豊かさがあげられる。
わけても昆虫は知られているだけでも7641種、
しかも、21世紀に入った今でも
まだまだ新種がざくざく発見されるというから、恐れ入る。
(ピーターさんとこの学生さんが、
あっさりと新種を見つけたりとかってことがあるそうだ)
未発見のものもいることを考えると、
この地がどれだけ豊かで細やかな生態系を保ってきたのか、
ということがよくわかる。
このほか、鳥類でも331種、哺乳類で86種というから、
かなりの数が狭い島にひしめいている、という感じなんだ……が。
ちなみに、古くからの生きものが生き延びていることも
タスマニアの特徴だったりする。
生きる化石と言われる生きものがいたり、ということもあるそうだ。
別の地域では5億年前の化石として発見されている生きものが、
ここではリアルの生きものとして生息している、というような例や
セミの先祖である鳴かないセミなども生息している。
とても古いタイプのクワガタもいる。
これらの貴重な生物が数々紹介されたのだが、
そこにも森林破壊の陰が忍び寄っている。
たとえば、
島の東北地方の森林にしか棲まない珍しいカタツムリなどは、
森林破壊の影響でその数が激減している。
また、大木の、木の朽ちかけたものを栄養とする
シムソンクワガタなども、
10年前にさらに新種が二種も見つかるなどという反面、
その生息地が狭められているものと心配されている。
◆ ◆ ◆
さて、写真にもあった、有袋類・タスマニアデビル。
かわいい顔をしているが、
その鳴き声が恐ろしいことから「デビル」とついたと
言われているのも、有名な話。
タスマニアデビルは、この10年で半減した。
しかも、写真の説明にある通り、
また各種の報道もなされているように、
今、タスマニアデビルには顔面のガンが流行していて、
それが原因で、
あるいは交通事故などで、
はたまた森林破壊を含めた生息地の喪失で、
5万頭ものタスマニアデビルが命を失ったのではないかと
推測されている。
いまや、レッド・データにも載ってしまっている。
この顔面のガンだが、主に接触によってうつる。
というのも、比較的知られている通り、
タスマニアデビルは大変アグレッシブな生きものである。
喧嘩などで接触し、病気がうつってしまう、というわけだ。
生息域が狭まった為、接触の機会が増えた、というのも、
問題を大きくしている。
んで、生息域が狭まったというのは、つまりは伐採なんかも
大きく影響している、というわけなんだが。
同じ病気は犬でもみられるそうだが、とても珍しいもので、
なおかつ犬の場合は命にかかわるものではないという。
他の種は罹患することはなく、
命にかかわるのもタスマニアデビルだけであるという。
これだけの激減ぶりから、
このまま放置していては20~30年で絶滅してしまうと
大きく心配されている。
この件について、
質疑の時間に、動物オタク全開で質問を繰り出した。
その内容は、以下の通り。
今、罹患していないタスマニアデビルだけを捕獲して
ノアの方舟よろしく、病気が収まるまで隔離しておき、
かつ繁殖をも試みる、という
タスマニアデビルの生き残り作戦が計画されている。
が、これに対しては、
その隔離した繁殖地の生態系に影響を与えるのではないか、
ということで反対する声も聴かれている。
この影響について、ピーターさんの個人的な見解でいいので、
どうするのが一番好ましいのかを教えて欲しい、と。
ピーターさんは、
移植地の環境配慮もあるが、やはりそれを言えないほど
タスマニアデビルの状況が悪いのだ、ということ、
そして「藁をも掴む」思いで、全ての手を尽くすべきである、
やれるだけのことはやるべきだ、と力説。
それだけ追い込まれている、ということを
憂鬱な思いで噛み締めた。
◆ ◆ ◆
同じく哺乳類として、
有袋類であるオオフクロネコも絶滅の危機にさらされている。
というのも、オオフクロネコは、
高い木、密林が好きな生きもの。
器用にも木に登り、鳥などを狩り、そして木の上に棲むという。
その木が、減ってきているのだから、
オオフクロネコにとって世の中は難しい。
また機敏な生きものだが、
それゆえなのか交通事故も多いという。
鳥類では、オトメインコとオナガイヌワシの話も興味深かった。
タスマニアのオトメインコは
世界のインコの中で一番長距離移動を行う。
(確か3000キロだったか、数字メモが見当たらない;汗)
オーストラリア大陸にもいる渡り鳥だ。
ユーカリの受粉に欠かせない媒介者でもあるが、
いまやその数は1000つがいほど。
エサが減っていることも大きく影響して、
繁殖数も減っているという。
また、早く飛ぶという特性があるのだが、そのためなのか
交通事故や建物への激突などによる死亡も多いという。
世界最大のワシの一つ、オナガイヌワシも、
絶滅が心配されている。
まあ、猛禽類は、
ほとんどどこの地域でも、生息地の汚染や破壊、
はたまた繁殖率などの関係で、
希少種になりやすい傾向が高い。
タスマニアのオナガイヌワシの場合、
森林伐採に伴う生息地の減少のほかに、
農家などによる狩猟が圧力となっている。
まあ、農家にしてみたら家畜を襲う害鳥といったところ
なんだろうか。
んでもって、他の地域の猛禽類と同じく、
営巣や繁殖に関してはとてもデリケートなので、
人影があると、もうそれだけで巣を放棄する。
そのため、オナガイヌワシの巣の周りの10ヘクタール以内は
ヒトが入ってはいけない、とされている。
が、問題は決してこのことが守られているわけではない、
といったあたり。
また、巣となる高木や営巣にいい環境が減っているため、
巣を巡る競争が凄まじいというのも、心配材料となっている。
もう一つ面白い生物が、世界最大の淡水ザリガニ。
これはタスマニアの北部にだけ棲む固有種で、
最大で6キロもの重さになるという。
水の冷たい所、なおかつ流木の陰がないと生息が難しく、
伐採の影響で川底に堆積物ができ、流域が減る
といったかたちでその生息域を狭められている。
写真で見てみたが、これ、ほんまに6キロあるんだろうか?
どうにも信じ難い……てか、本物を一度きちんと見てみたい。
(大きさの比較がない写真だったので、余計)
◆ ◆ ◆
さて。
どの地域における種の絶滅の懸念でも出てくる話だが、
ここタスマニアでも生息地の「分断」が
大きく影響を及ぼしている。
実際にタスマニアの中で実験研究をしてみたところ、
こうした「分断」した環境下の場合、
水生生物らはかなり数を減らしたという。
やはり水環境というものはそれだけデリケートなもの
ということだろう。
対照的に、サソリはあまり数を減らさなかったそうだ。
また、区画の形も問題を発生させる。
一定量の森林を残して周りを伐り払うという選択をした場合、
伐り払った場所から30メートル内部までは
外部の影響を受けるということが判明した。
つまり、60メートル幅の森林を残したとしても、
左右から30メートルずつ影響されるので、
とても「森林を保護した、残した」とはならないのだ。
◆ ◆ ◆
地域の古木も、その地の環境維持に大きく役立っている。
100年生の樹木と450年生の樹木とでは、
圧倒的に450年生の樹木の方が生態環境が豊かだ。
古木だから切り倒して幼樹を植えて更新を、というのは
お門違いというもの。
これは、古木の方が、
動物たちが暮らせるほどのくぼみがあったり、
といったことによる。
樹高も容積も、大きく差がある。
たとえば、
タスマニアにいるコウモリは古木に棲むので
(洞窟は寒すぎてタスマニアのコウモリたちは棲めない)
古木が無いと困る。
古木が棲み処ということでいえば、
オポッサムやフクロウなども同様である。
また、ジェフさんも話していた
外来のユーカリを植えている点についても、
在来ユーカリへの影響はもちろんのこと、
そうした在来ユーカリのもとで暮らしてきた
昆虫や動物にどういう影響が出るのか、ということが
とても心配されている。
◆ ◆ ◆
このほか、昆虫についてもいい話しがいっぱいあったのだが、
ともかく今回はタスマニアデビルの移住計画が心配というのが
管理人の一番の関心事であったので、
この話は割愛。
(タスマニアの森と紙の話、もうちょっとだけ続く)
※;タスマニアデビルの関係報道は、まとめて<続けて読む>に収納。
.
... 続きを読む
カテゴリー[ 種の多様性 ], コメント[0], トラックバック[0]
登録日:2007年 06月 21日 01:28:46
ちょっと息抜き
【6月15日 AFP】サンフランシスコ(San Francisco)市近郊のバレホ (Vallejo)にある「シックスフラッグス・ディスカバリー・キングダム(Six Flags Discovery Kingdom)」で飼育されている5歳のホワイトタイガー(White Bengal Tiger)、オーディン(Odin)君が14日、見事なダイビングを披露した。オーディン君は、調教師が投げた肉の切れ端を追って、ネコ科にもかかわらず「水に濡れるのも気にせず、プールに飛び込むトラ」として話題になっている。(c)AFP
アップするまでにキアイのいるエントリの前に、小ネタをひとつ。
オーディン(Odin)とは、また素敵な名前を持つトラさんで。 ※
トラは、ネコ科の中でも比較的水には抵抗のない生きものだ
というのは、
やはりあんま知られてないことなんじゃろーか。
写真のコメントの驚き方が、ちょっと意外だった。
ジャングルで生きるトラは、
泳げなければ縄張りも見回れない、
獲物にも逃げられてしまう、というわけで、
好きか嫌いかは知らないが、水には抵抗がない。
つか、泳ぎは得意とされる。
同じネコ科とはいえ、水嫌いのイエネコと同じと思っては
困るというかなんというか。
(因みに、イエネコでも、泳ごうと思えば泳げる。ただ、
あんまり好きじゃないだけだ。基本的に)
もっとも、写真のように、水中にまで潜って
しつこくしつこく泳ぎまわる、というのが
どこまでトラ本来の生態なのかはわからない。
哺乳類は、後天的な学習が行動を左右する場合が多いし。
水中の写真よりも、こっちの立ち姿の方が驚いた。
寄りかかりつつも爪の力加減をしっかりしているとか、
そういうところが。
あと、水中だと自然と耳を塞いでいるというのが、
何気にすごかったり。
※オーディン(Odin):北欧神話の全知全能の神。ギリシア神話で言うところのゼウスのような地位を占める。
.
カテゴリー[ 動物のてのて系 ], コメント[0], トラックバック[0]
登録日:2007年 06月 20日 00:52:38
天安門の母たち
【6月15日 AFP】(一部更新)インターネット検索大手米ヤフー(Yahoo)が運営するインターネットの人気サイト「Flickr.com」が、中国で閲覧できなくなった。
≫続きを読む…
(c)AFP
タスマニアの続きも気になっているが、
先にこちらの補足から。
6月13日 18年めの天安門
http://www.actiblog.com/yamaneko/37370
◆ ◆ ◆
犠牲者の母親が、18年目にしてようやく現場で顕花、
という報道。
6月5日 朝日(goo経由)
天安門の犠牲者の母、現場に花手向ける 当局、初の黙認
http://news.goo.ne.jp/article/asahi/world/K2007060503680.html
朝日の元のウェブと読売とにはもう少し詳しい記載があったが、
既にリンク切れ。
なので、gooに辛うじて残っていたこちらテキストを全部紹介。
> 89年の天安門事件で犠牲になった学生の母親らが、事件後初めて息子が銃弾に倒れた現場に花を手向けて冥福を祈っていたことが5日、香港紙や関係者の話で分かった。
事件18周年前日の3日深夜、事件で長男を失った丁子霖・人民大学元助教授ら3組の肉親が北京市の復興門外大街を訪れた。現場に花と写真などを供えて子供らの死を悼んだという。
(報道テキストここまで)
南米での大規模失踪(その多くが学生などの若者だ)に対して
娘や息子を返せ! と無言の非暴力アピールを続ける
「五月広場の母親たち」ほどの自由すらなく。
(五月広場の母親たち、についての当ブログ過去エントリ
2006年3月6日 http://www.actiblog.com/yamaneko/3547 )
◆ ◆ ◆
ちなみに1989年の天安門事件、今でも13人が獄中にいるという。
6月4日 共同
北京で今も13人が獄中 天安門事件から18年
http://news.goo.ne.jp/article/kyodo/world/CO2007060401000509.html
これ、分かっている人数だが、
他にも無名の囚人がいるような気がする。
その他、この件を報道しようとして逮捕されたジャーナリストなど、
中国政府の神経の配り方は半端ではない。
(もちろん、悪い方に、という意味だ)
とりわけこのところは締め付けが厳しくなったという報道もある。
6月5日 毎日
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/asia/archive/news/2007/06/05/20070605ddm007030047000c.html
今回のタイトル写真もまあ、そういう内容だよな。
個人的には、オリンピックを控えて、というのも
でかい要因のような気がするが。
◆ ◆ ◆
中国の民主活動家、魏京生さんの
ニホン入国拒否問題について。
ざくっとみたところ、
ウェブでは毎日の記事が一番情報が詳しい。
6月4日 毎日
中国・魏京生氏:入管が入国拒否--成田
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/asia/archive/news/2007/06/04/20070604ddm041030125000c.html
資金に乏しい民間団体が高い金払ってわざわざ海外からゲスト
(しかも世界的な著名人でもある)を呼ぶのに、
ヴィザ問題をクリアーさせていないわけがない、と思ったら、
案の定こんなことだったわけだ。
先週のエントリでは
中国政府の顔を窺っていない、と言ったが、やはり
各社の報道をあれこれ見比べて、条件をつき合わせていくと、
ある程度はその顔色を窺っている部分もありそうだ。
まあ、ニホン政府は対中国対応について、
別の件でいろいろと下手打ってるから、
このくらいやらないと溝が埋まらない、(でも全然埋まってない、たぶん)
ということもあるのかもしれん。
し、やっぱ、
下々の者たちはお上の言うことだけ聞いて
静かにしとればいいんだyo!
てな感性の部分で共通点があるから、ってのもまあ
否定はできないかと。
魏京生さんの今回の来日関係の報道、
手元のファイルから見出しだけサクッと紹介。
6月4日 産経
魏京生氏の入国を拒否 「上からの指示」
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/nation/m20070604014.html
6月4日 共同
魏京生氏の入国を拒否 ビザ持たず、成田空港で
http://news.goo.ne.jp/article/kyodo/nation/CO2007060301000330.html
6月7日 日経
魏京生氏の病気診察を許可・法務省
http://www.nikkei.co.jp/kaigai/asia/20070607D2M0602H07.html
6月7日 毎日
中国・魏京生氏:治療で都内の病院へ
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/asia/archive/news/2007/06/07/20070607ddm041030058000c.html
6月8日 共同
魏京生氏、米国へ引き返す 「中国寄り」と日本政府批判
http://news.goo.ne.jp/article/kyodo/nation/CO2007060801000396.html
6月9日 毎日
中国・魏京生氏:米国へ出発
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/asia/news/20070609ddm012030150000c.html
※記事のテキスト収納は一部のみで勘弁。
.
... 続きを読む
カテゴリー[ 共に生きる ], コメント[0], トラックバック[0]
登録日:2007年 06月 19日 23:30:35
タスマニアの森の話(其の壱)
【5月30日 AFP】海洋冒険家でソロセーラーの堀江謙一(Kenichi Horie)さんが、来年の3月中旬から5月下旬にかけて予定されているハワイ・ホノルルから紀伊水道を目指す約6000キロメートルの航海へ向け、世界初となる波の動力を利用して進むパワーボート「マーメイド2号」(Mermaid II)の進水式を行った。(c)AFP
写真は、今日のエントリと全く関係のない、堀江さんの写真から。
相変わらずカッコええなぁ、この人は。
波の力を推進力に転換するという船の方も、成果が楽しみ。
◆ ◆ ◆
さて。
先週6月4日、5日と、
オーストラリア・タスマニアの森林伐採に関する講演会の
裏方をやった。
(これ→http://www.actiblog.com/yamaneko/35996)
充実した、いい話がたくさん聴けたので、
忘れないうちに備忘録かたがたメモを。
発言を行ったのは、だいたい以下の4名。
タスマニア・緑の党の ペグ・パットさん。
タスマニア州議会の議員。
(緑の党が議席を持ってる、てなだけでスゴイと思う)
豪州ウィルダネス・ソサエティ(地元の環境NGO)の
コーディネーター ジェフ・ローさん。
タスマニア大学講師で生態システムが専門、
農業科学博士のピーター・マクィランさん。
3回行われた講演会の中で毎回、まとめとしてトリを飾ったのが、
豪州ウィルダネス・ソサエティの全国ディレクター、
アレック・マーさん。
このほか、ビデオで緑の党のボブ・ブラウン上院議員の
メッセージも流された。
主催はレインフォレスト・アクション・ネットワーク(RAN)。
サイト→http://treesnotgunns.org/jp
ちなみにここ、ニホン支部の専従スタッフは孤軍奮闘。
エライ。
中でも特に注目したいのが、
豪州ウィルダネス・ソサエティのジェフ・ローさんと
タスマニア大学のピーター・マクィランさんの話。
なので、当ブログでもこのお二人の話から展開していく。
(管理人の個人メモから起しているので、
間違い・勘違いなどがあったら、そこんとこツッコミよろしく)
◆ ◆ ◆
以下は、ジェフさんのお話を中心に起していく。
話は全て、スライド写真つきで説明が行われた。
ちなみに、ジェフさん、写真がすげー上手い。
『ナショ ジオ』に売り込んでも、いけるんじゃないか、と
素で思うほど。
で。
タスマニアは
オーストラリアにある北海道よりも一回り小さな面積の島で、
固有種が多いことでも有名。
ここには多くの温帯雨林が残されているのだが、
その原生林が伐られ、
製紙用チップとしてニホンへと輸出されている、
というのがこの問題の要点。
伐られている木の中には、樹齢が400年のもの、
直径が4メートルもあるもの、
樹高が70メートルの高さもあるものなど、
どう考えてもニンゲンが軽々しく「再生しま~す」などと
責任の持てない樹木もたくさん含まれている。
これらの中には、タスマニアの固有の樹種も多く、
遺伝資源的に見ても価値の高いもの、
絶滅やばくね? というものもあるが、
この点は何ら省みられることなく、バンバン伐られている。
これらの森が、皆伐
(そこいらじゅう一面を丸裸にして全部の木を伐り出す伐採方法)
されている。
大木の中には、チェーンソーが入らないからと、
爆弾を使って
伐り出す、とはいわないが、伐り倒すものも
あるという。
(信じられないと思うかもしれないが、これ、
鬱になるような証拠写真が映された)
皆伐した後は、どうするのか。
木の畑にしてしまうんである。
早生樹種のユーカリなど、
商業的に価値の高い木を植えていくんである。
木の畑にするため、元をきちんと更地にせんと、
皆伐の後には、火を放つ、ナパーム弾もぶち込むという。
(こちらは動画もある……ユーチューブにアップするよう、
強く要請はしておいたので、後日フォローしたい)
貴重な原生林を伐り払い、焼き払うだけでは
気がすまないらしい。
ちなみにこの火事、相当なものらしく、
焼き払うことで温暖化の促進にもなっている、とのこと。
つまり、
伐ったら植えるよ、はい元通り、
というのは、どう考えても誤魔化しだよな、という話。
あとは育った植林木を伐採すればいいんだから、循環型だよ、
てな嘘が、その後に続く。
この、タスマニアの森林の伐採の酷さを、
グーグルアースを使ってリアルタイムで見せてもらったが、
半端なく広い面積が「皆伐」されていた。
あまりの広さに、みんな唖然としていた。勿論、自分も。
タスマニアの森林は、
動物はもちろん、植物種もまた、固有種が多い。
ユーカリと一口に言っても、いろいろな種類のものがあり、
タスマニアだけで50種だかの、固有種があるらしい。
だのに、皆伐後に植える樹種は、かなり問題も多いという。
オーストラリア本土の種であるユーカリピタスという、
タスマニアにとっては外来・移入種にあたる樹種を植えていたり、
アメリカの松なども植えられているという。
こんなことがあると、当然だが、
交配による、ユーカリの遺伝子汚染も問題となる。
植林したから二酸化炭素吸収してまっせ、
持続可能型でっせ、
というようなレベルではない。
この森には、多くの動物が棲んでいる。
たとえば、オナガイヌワシやオポッサムなどの、希少種たちが。
木の畑として管理していくためには、
こうした野生動物は邪魔になる。
で、害獣駆除、というような発想になっていく。
そのために、1080(テン・エイティと呼んでいる)という
毒性の非常に高いものを散布する。
(でっかいオポッサムの死体の写真には涙)
この1080(テン・エイティ)、あまりの毒性の高さに
問題がアリということで、
今のオーストラリアでは使用禁止になった(2005年)。
でも、個人所有の土地などでは、まだ使われている。
原生林をガンガン伐っているということについて、
法律はどうなんだ、という点に関しては、
法律の解釈によって、
伐採会社に都合のいい解釈となるような恣意的なことが
行われているそうだ。
(違法伐採に類することもあるとのことだが、
このあたりは自分のメモが雑なので、
もう少し調べてから後日、丁寧に展開したい)
この地元の伐採企業が製紙用のチップも作っている。
この最大手が「ガンズ社」。
で、そのガンズ社の最も大きなお得意様がニホンの企業。
この企業の収入の7割は、ニッポンが占めている。
その中でも、日本製紙が最大のお得意様である。 ※
てなわけで、今回、
一行は日本製紙に話し合いを申し入れたが、
条件が折り合わないとされ、却下された。
中には、州の議員(ペグ・パットさん)もいるというのに。
失礼な話だ(と、自分は思うんだが)。
ちなみに以前、
同じくお得意様のひとつであった三菱製紙が、
話し合いの結果、
タスマニアのチップ材は環境破壊要素が大きいことに納得し、
ガンズ社との取引を中止した。
それでも、三菱製紙は別に困っていない。
豪州における伐採企業の影響力は
相当でかいらしい。
献金などの関係もあるようで、
法的解釈のねじまげなども、その辺りが影響している模様。
オーストラリアでは、緑の党が議席を持つなど
かなりグリーンなイメージもあるが、
反動側もお金があるということで、
その政治的影響力のでかさが、
これだけのトンデモをやらかしているのだといえる。
ガンズ社は、緑の党の党首、ボブ・グリーン氏を訴えている。
まあ、どう見ても恫喝、脅しなんだが。
ジェフさんの話の最後の方では、
多くの地元民が「森を伐るな」ということで
パレードで沿道を埋め尽くしている、
かなりAFPつかマスコミ好みの写真も映された。
2004年6月には、メルボルンで15000人、
2006年9月には、地元のラストセンという小さな町で、
町の人口8万人のうち、実に8000人もの人が行進していた。
ペグさんの報告だったかもしれないが、
市民レベルで取った統計では、
8割もの人がタスマニアの原生林の伐採に反対しているという。
でも、金になるから、というのが理由で、
これらの木は、今も伐られている。
(つづく)
※日本製紙については、最近えらくヤバイ話(しかも一見良く見える話)もあるので、要注意!
カテゴリー[ 森林 ], コメント[2], トラックバック[0]
登録日:2007年 06月 14日 13:06:35
(事務連絡)跪いて足をお舐め。
【6月12日 AFP】母グマが育児放棄したためベルリン動物園で人工飼育されているホッキョクグマのクヌート(Knut)が5日に生後6か月を迎えた。世界的に人気を博しているクヌートを一目見ようと、同動物園ではいまだに連日数百人の来園者が訪れている。(c)AFP
お舐め、というような命令形ではなく、
進んで足を舐める(というか噛み噛みかもしれん)クヌート。
こっちはくんくんしてる。
http://www.afpbb.com/article/life-culture/life/2238424/1685105
どうでもいいが、今月に入って、さらにでっかくなっている。
http://www.afpbb.com/article/life-culture/life/2238424/1685123
加減をして遊んだり甘噛みしたりしているんだろうが、
ニンゲンにそこまでべったりで大丈夫なんだろうか。
いくら飼育下にあるとはいえ。
◆ ◆ ◆
事務連絡。
つい最近気づいたのだが、
どうもトラックバックの表示ができなくなっている模様。
これからAFPブログ編集部に問い合わせて、確認を取る予定。
本サイト(AFPBB)がしょっちゅう表示が凍るは、
ブログの方では使い勝手がブログ以前の状態だわ、では
ほんま困るんだがな……
.
カテゴリー[ 動物のてのて系 ], コメント[0], トラックバック[0]
登録日:2007年 06月 14日 00:16:26
- プロフィール
- 山猫通信社 篠宮
- 山猫通信社
- カメでも読める のてのて環境ニュースクリップ
- このメモは猫のヒゲ
- ◆環境カウンセラー兼フリーランスのライター・編集業の「山猫通信社」については、上のHPをぽちっとどうぞ。ブログをみてのご連絡は、sorano_ki@yahoo.co.jpへ。
◆屋号の「山猫」は宮沢賢治から。大阪に長くいたので時々関西弁が混ざることあり。
◆07年3月、ブログタイトルを一部変更。今後も、カメだけでなく、ワニやラクダやトカゲからも いろいろと学べるもんだろうと思いつつ、のてのてと更新中。
◆トラックバック、どうも故障中の模様(早く直してくれAFP)。
- 最近のエントリー
- [12/31] 2008年の終わりに
- [12/24] 虹の記憶08、秋~冬
- [12/23] 目を背けるために取り組みをする。または取り組んでいるふりをする
- [12/23] ぼちぼち復帰(たぶん)
- [11/24] 簡単なお知らせ、ナドナド
- [11/23] 虹の記録、08.07末~09
- [11/22] ただ商売がしたいだけ。
- [11/21] 孫たちに「カメなんて見たことがない」と言わせないために
- [11/07] いいかげん、「倫理」や「正義」で口論してても、本質には辿りつけない。そんな気がする。
- [10/28] 空飛ぶペンギン(←嘘
- 最近のコメント
- [10/18] えらく情報の足りないものを持ち出して、何が言いたいのやら ネット旅人
- [10/08] 在来種を駆逐する外来ヒキガエル あ
- [06/15] 一人一日26キロ出してます。 グリーン
- [04/09] 食うは一時の欲、食わぬは一生の快 中村透信者
- [02/16] 多くのヒトはどうしてモテ・非モテのような話題が好きなのか(いーかげん うんざりなんだがな) プク
- [02/15] 食うは一時の欲、食わぬは一生の快 toripan
- [01/25] 食うは一時の欲、食わぬは一生の快 toripan
- [12/31] 波力発電について調べてみた コンタクト
- [12/24] 波力発電について調べてみた 雲英
- [11/19] いいかげん、「倫理」や「正義」で口論してても、本質には辿りつけない。そんな気がする。 コト
- 最近のトラックバック
- 月別アーカイブ
- 2008年 12月 [4]
- 2008年 11月 [5]
- 2008年 10月 [9]
- 2008年 09月 [8]
- 2008年 08月 [4]
- 2008年 07月 [4]
- 2008年 06月 [4]
- 2008年 05月 [9]
- 2008年 04月 [9]
- 2008年 03月 [16]
- 2008年 02月 [19]
- 2008年 01月 [22]
- 2007年 12月 [14]
- 2007年 11月 [11]
- 2007年 10月 [11]
- 2007年 09月 [16]
- 2007年 08月 [18]
- 2007年 07月 [11]
- 2007年 06月 [12]
- 2007年 05月 [20]
- 2007年 04月 [19]
- 2007年 03月 [22]
- 2007年 02月 [20]
- 2007年 01月 [16]
- 2006年 12月 [21]
- 2006年 11月 [25]
- 2006年 10月 [24]
- 2006年 09月 [21]
- 2006年 08月 [19]
- 2006年 07月 [27]
- 2006年 06月 [27]
- 2006年 05月 [21]
- 2006年 04月 [17]
- 2006年 03月 [29]
- 2006年 02月 [11]
- 検索