2007年 06月 14日

タスマニアの森の話(其の壱)

堀江謙一さん マーメイド2号の進水式を行う

【5月30日 AFP】海洋冒険家でソロセーラーの堀江謙一(Kenichi Horie)さんが、来年の3月中旬から5月下旬にかけて予定されているハワイ・ホノルルから紀伊水道を目指す約6000キロメートルの航海へ向け、世界初となる波の動力を利用して進むパワーボート「マーメイド2号」(Mermaid II)の進水式を行った。(c)AFP

AFPBB News


写真は、今日のエントリと全く関係のない、堀江さんの写真から。
相変わらずカッコええなぁ、この人は。

波の力を推進力に転換するという船の方も、成果が楽しみ。


◆ ◆ ◆

さて。
先週6月4日、5日と、
オーストラリア・タスマニアの森林伐採に関する講演会の
裏方をやった。
(これ→http://www.actiblog.com/yamaneko/35996)

充実した、いい話がたくさん聴けたので、
忘れないうちに備忘録かたがたメモを。


発言を行ったのは、だいたい以下の4名。

タスマニア・緑の党の ペグ・パットさん。
タスマニア州議会の議員。
(緑の党が議席を持ってる、てなだけでスゴイと思う)

豪州ウィルダネス・ソサエティ(地元の環境NGO)の
コーディネーター ジェフ・ローさん。

タスマニア大学講師で生態システムが専門、
農業科学博士のピーター・マクィランさん。

3回行われた講演会の中で毎回、まとめとしてトリを飾ったのが、
豪州ウィルダネス・ソサエティの全国ディレクター、
アレック・マーさん。

このほか、ビデオで緑の党のボブ・ブラウン上院議員の
メッセージも流された。

主催はレインフォレスト・アクション・ネットワーク(RAN)。
     サイト→http://treesnotgunns.org/jp 
ちなみにここ、ニホン支部の専従スタッフは孤軍奮闘。
エライ。


中でも特に注目したいのが、
豪州ウィルダネス・ソサエティのジェフ・ローさんと
タスマニア大学のピーター・マクィランさんの話。
なので、当ブログでもこのお二人の話から展開していく。

(管理人の個人メモから起しているので、
間違い・勘違いなどがあったら、そこんとこツッコミよろしく)


◆ ◆ ◆

以下は、ジェフさんのお話を中心に起していく。
話は全て、スライド写真つきで説明が行われた。
ちなみに、ジェフさん、写真がすげー上手い。
『ナショ ジオ』に売り込んでも、いけるんじゃないか、と
素で思うほど。

で。

タスマニアは
オーストラリアにある北海道よりも一回り小さな面積の島で、
固有種が多いことでも有名。

ここには多くの温帯雨林が残されているのだが、
その原生林が伐られ、
製紙用チップとしてニホンへと輸出されている、
というのがこの問題の要点。

伐られている木の中には、樹齢が400年のもの、
直径が4メートルもあるもの、
樹高が70メートルの高さもあるものなど、
どう考えてもニンゲンが軽々しく「再生しま~す」などと
責任の持てない樹木もたくさん含まれている。

これらの中には、タスマニアの固有の樹種も多く、
遺伝資源的に見ても価値の高いもの、
絶滅やばくね? というものもあるが、
この点は何ら省みられることなく、バンバン伐られている。

これらの森が、皆伐
(そこいらじゅう一面を丸裸にして全部の木を伐り出す伐採方法)
されている。
大木の中には、チェーンソーが入らないからと、
爆弾を使って
伐り出す、とはいわないが、伐り倒すものも
あるという。
(信じられないと思うかもしれないが、これ、
鬱になるような証拠写真が映された)


皆伐した後は、どうするのか。
木の畑にしてしまうんである。

早生樹種のユーカリなど、
商業的に価値の高い木を植えていくんである。

木の畑にするため、元をきちんと更地にせんと、
皆伐の後には、火を放つ、ナパーム弾もぶち込むという。
(こちらは動画もある……ユーチューブにアップするよう、
強く要請はしておいたので、後日フォローしたい)

貴重な原生林を伐り払い、焼き払うだけでは
気がすまないらしい。

ちなみにこの火事、相当なものらしく、
焼き払うことで温暖化の促進にもなっている、とのこと。
つまり、
 伐ったら植えるよ、はい元通り、
というのは、どう考えても誤魔化しだよな、という話。
 あとは育った植林木を伐採すればいいんだから、循環型だよ、
てな嘘が、その後に続く。

この、タスマニアの森林の伐採の酷さを、
グーグルアースを使ってリアルタイムで見せてもらったが、
半端なく広い面積が「皆伐」されていた。
あまりの広さに、みんな唖然としていた。勿論、自分も。


タスマニアの森林は、
動物はもちろん、植物種もまた、固有種が多い。
ユーカリと一口に言っても、いろいろな種類のものがあり、
タスマニアだけで50種だかの、固有種があるらしい。

だのに、皆伐後に植える樹種は、かなり問題も多いという。
オーストラリア本土の種であるユーカリピタスという、
タスマニアにとっては外来・移入種にあたる樹種を植えていたり、
アメリカの松なども植えられているという。
こんなことがあると、当然だが、
交配による、ユーカリの遺伝子汚染も問題となる。

植林したから二酸化炭素吸収してまっせ、
持続可能型でっせ、
というようなレベルではない。


この森には、多くの動物が棲んでいる。
たとえば、オナガイヌワシやオポッサムなどの、希少種たちが。

木の畑として管理していくためには、
こうした野生動物は邪魔になる。
で、害獣駆除、というような発想になっていく。

そのために、1080(テン・エイティと呼んでいる)という
毒性の非常に高いものを散布する。
(でっかいオポッサムの死体の写真には涙)
この1080(テン・エイティ)、あまりの毒性の高さに
問題がアリということで、
今のオーストラリアでは使用禁止になった(2005年)。
でも、個人所有の土地などでは、まだ使われている。


原生林をガンガン伐っているということについて、
法律はどうなんだ、という点に関しては、
法律の解釈によって、
伐採会社に都合のいい解釈となるような恣意的なことが
行われているそうだ。

(違法伐採に類することもあるとのことだが、
このあたりは自分のメモが雑なので、
もう少し調べてから後日、丁寧に展開したい)


この地元の伐採企業が製紙用のチップも作っている。
この最大手が「ガンズ社」。

で、そのガンズ社の最も大きなお得意様がニホンの企業。
この企業の収入の7割は、ニッポンが占めている。
その中でも、日本製紙が最大のお得意様である。 ※

てなわけで、今回、
一行は日本製紙に話し合いを申し入れたが、 
条件が折り合わないとされ、却下された。
中には、州の議員(ペグ・パットさん)もいるというのに。
失礼な話だ(と、自分は思うんだが)。

ちなみに以前、
同じくお得意様のひとつであった三菱製紙が、
話し合いの結果、
タスマニアのチップ材は環境破壊要素が大きいことに納得し、
ガンズ社との取引を中止した。
それでも、三菱製紙は別に困っていない。


豪州における伐採企業の影響力は
相当でかいらしい。
献金などの関係もあるようで、
法的解釈のねじまげなども、その辺りが影響している模様。

オーストラリアでは、緑の党が議席を持つなど
かなりグリーンなイメージもあるが、
反動側もお金があるということで、
その政治的影響力のでかさが、
これだけのトンデモをやらかしているのだといえる。

ガンズ社は、緑の党の党首、ボブ・グリーン氏を訴えている。
まあ、どう見ても恫喝、脅しなんだが。


ジェフさんの話の最後の方では、
多くの地元民が「森を伐るな」ということで
パレードで沿道を埋め尽くしている、
かなりAFPつかマスコミ好みの写真も映された。
2004年6月には、メルボルンで15000人、
2006年9月には、地元のラストセンという小さな町で、
町の人口8万人のうち、実に8000人もの人が行進していた。

ペグさんの報告だったかもしれないが、
市民レベルで取った統計では、
8割もの人がタスマニアの原生林の伐採に反対しているという。

でも、金になるから、というのが理由で、
これらの木は、今も伐られている。

(つづく)


※日本製紙については、最近えらくヤバイ話(しかも一見良く見える話)もあるので、要注意!

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登録日:2007年 06月 14日 13:06:35

(事務連絡)跪いて足をお舐め。

生後6か月迎えた「クヌート」、人気衰えず

【6月12日 AFP】母グマが育児放棄したためベルリン動物園で人工飼育されているホッキョクグマのクヌート(Knut)が5日に生後6か月を迎えた。世界的に人気を博しているクヌートを一目見ようと、同動物園ではいまだに連日数百人の来園者が訪れている。(c)AFP


AFPBB News


お舐め、というような命令形ではなく、
進んで足を舐める(というか噛み噛みかもしれん)クヌート。

こっちはくんくんしてる。
 http://www.afpbb.com/article/life-culture/life/2238424/1685105

どうでもいいが、今月に入って、さらにでっかくなっている。
 http://www.afpbb.com/article/life-culture/life/2238424/1685123

加減をして遊んだり甘噛みしたりしているんだろうが、
ニンゲンにそこまでべったりで大丈夫なんだろうか。
いくら飼育下にあるとはいえ。


◆ ◆ ◆

事務連絡。
つい最近気づいたのだが、
どうもトラックバックの表示ができなくなっている模様。
これからAFPブログ編集部に問い合わせて、確認を取る予定。

本サイト(AFPBB)がしょっちゅう表示が凍るは、
ブログの方では使い勝手がブログ以前の状態だわ、では
ほんま困るんだがな……

.

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登録日:2007年 06月 14日 00:16:26

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◆屋号の「山猫」は宮沢賢治から。大阪に長くいたので時々関西弁が混ざることあり。
◆07年3月、ブログタイトルを一部変更。今後も、カメだけでなく、ワニやラクダやトカゲからも いろいろと学べるもんだろうと思いつつ、のてのてと更新中。
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