2008年 04月 28日

条件付で賛成(条件によっては反対)

リスに避妊薬を投与、米カリフォルニア州サンタモニカ

【4月27日 AFP】米カリフォルニア(California)州サンタモニカ(Santa Monica)の市当局は、パリサデス公園(Palisades Park)に生息するリスに避妊ワクチンを投与して個体数を削減する。サンタモニカ市などを含む郡は、リスの増加が公共の衛生に悪影響を及ぼすと懸念を表明、市に対策を求めていた。市は一般的な安楽死ではなく、より愛護的な手段でリスの個体数を減らすことを決めた。(c)AFP

AFPBB News


まあ、お題にした通りなんだけれども。
ニンゲンだって避妊するんだし。

増えすぎたのであれば、リスにも避妊がなされるのは「仕方ない」と思う。
ただし、条件というのは、「増えすぎた理由」がニンゲンの身勝手ではないこと、
および、それによってリスの生息数が逆に減るなど、
希少化が進むなんてことに絶対にならないと確証が持てた場合。
特に後者は慎重に検討をして、確実であること。
その上で、だ。


これ、情報があまりにも少なくて、どうしてリスが増えているのかというのが
よくわからないのがネックなのだが、
ヒト側が生息地を広げたことによって、リスのフィールドが減った、
結果的に出会う頻度が増えたから、というようなケースを、第一に想像した。
これと似たようなものとして、欧州で殺されたヒグマの事例がある。
最近もAFPBB他で関連の報道があったので、ご存じの方も多いだろう。
2つめの想像として、
ニンゲンが公園などを整備したために、リスが暮らしやすくなり、
結果的に数を増やしていった、というようなケース。
ヒトが環境を変えたことによって数を増やしている生きものと言えば、
都市部のクマネズミやハシブトガラスなどが有名だろう。
3つめの想像は、
上の例とも若干かぶるのだが、
リスの可愛さがそれに輪をかけているようなケース。
これは、公園でハトに餌をやるように、リスにも餌をやる、というようなこと。
餌が多ければ、繁殖もまたしやすくなり、その結果 数も増える、という。
とりわけリスは、見た目が相当にかわいい。
仕草もかわいいし、ついつい餌をやりたくなる心理は、よくわかる。
自分も、恐らくその誘惑には勝つのは難しいと思う(てか、負けてしまうかも)。※1

一方、これと逆の例が、オオカミだ。
かわいいシカを捕食する「悪い」生きものだ、
というニンゲンの勝手な価値判断を投影されて、
どんどん数が減ってしまったという、とても悲しい歴史を持っている。
欧州や北米大陸はもとより、ニホンオオカミに至っては……あまりにも悲しい。

生態系にとっては
その生きものが「かわいい」か「きれい」か「きたない」か「悪い」か「醜い」か、
そういったニンゲンのモノサシは意味がない。

というか、生きもの中の一つの要素にすぎないニンゲンが
その判断を下すというのは、
おこがましいことこの上ない。

今回も、かわいいリスが、という見た目でもって
感覚的にこの判断を支持できないヒトも多いかもしれないが、
そうした理由だけで判断を行うことは
正直ニンゲンの身勝手でしかないということは、理解した方がいい。
それに、現実のこととして、
そうしたニンゲンの身勝手の積み重ねによって
自然界の生物のバランスが崩れている例は枚挙に暇が無いほどであることもまた
知っておくべきである。


とはいえ、この少ない情報から結論を出すのもなんだが、
これはやはり、想像の2や3の方の要因の方が大きそうな気がする。

なので、現時点では、これはまあ条件つきの賛成、ということで。


※0:3月からはじめたニュースサイトでもこの記事ちょこっとだけ取り上げている。
 →カメでも読める のてのて環境ニュースクリップ
  http://d.hatena.ne.jp/J-yamanekoya/20080427/1209302986

※1:基本、野生生物に対して餌をやる行為、いわゆる餌付けは、推奨されるような行為ではない。餌付けを受ける生物が優位に立つためその地の生態系バランスを崩したり、餌付けの食べ残しがその地のごみになるなど(湖などだと水質悪化)、問題も多い(白鳥への餌付けに関して、そうした観点からの問題提起がなされている例もある)。ケースにもよるが、その生物がどんなにかわいくても、美しくても、ここは心を鬼にして餌をやるのをやめなくてはならないのが、やはり基本だろう。

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登録日:2008年 04月 28日 23:00:26

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