バイオ燃料だけでエコになれる、わけではない
【アーリントン/米国 12日 AFP】ガソリンにエタノールを混入させた燃料に人気が集まっていることで、トウモロコシの価格が急騰している。米国では、ガソリンに混入されるエタノールは主にトウモロコシから生産されている。そのため、食料用と燃料用の市場動向をにらみながら、トウモロコシ生産者は生産計画をたてている。特定の車両に使用できる燃料「E85」は85%のエタノールと15%のガソリンを混ぜたもの。写真はバージニア(Virginia)州アーリントン(Arlington)のガソリンスタンドに設置されたE85の給油機(3月2日撮影)。(c)AFP/Karen BLEIER
てなわけで、最近何かと話題になることが多い
バイオマス(生物由来の)・エネルギー。
中でも、バイオエタノールについては、
安倍首相がハッパをかけている影響もあってか、
とりわけ目に付く機会も増えた。
丁度、自分のスクラップを振り返る機会があったので、
そこからバイオマス・エネルギーに関して
幾つか記事を取り上げながら、
最近のバイオマス事情を見ていくことにする。
ちなみに、当ブログでの関連する過去記事は以下のような感じ。
8月2日http://www.actiblog.com/yamaneko/12111
9月25日http://www.actiblog.com/yamaneko/16268
.
◆ ◆ ◆
古くから、木質バイオマス、菜種油や食品廃油などを
発電や動力のエネルギーとして利用しよう、ということは、
報道のあるなしに関わらずそこそこ行われてきた。
最近では、サトウキビの搾りかす等の農業廃棄物を
バイオエタノールとして有効に活用しようとする例も
実際に進んでいる。
たとえば、宮古島ではサトウキビのバイオエタノール・プラント
ということも行われているようだ。
8月16日、沖縄タイムスhttp://www.okinawatimes.co.jp/day/200608161300_05.html
8月30日、沖縄タイムス http://www.okinawatimes.co.jp/day/200608301300_05.html
上記の報道では、
環境省も予算をかけるなどかなり気合が入っている。
ほかに、大阪の堺市で建築廃材を利用した
(恐らく木質を中心とする)バイオエタノールのプラントを始める
といった話題を取り上げているなど、
廃棄物問題とエネルギー問題がいい塩梅にリンクして
バランスよく動き始めている様子を感じさせる。
エタノールではなく、メタンによる動力利用の話も出ている。
場所はオシャレで知られる神戸市で、
下水汚泥由来のメタンガスで市バスを運行しよう、というもの。
9月29日、日経
http://www.nikkei.co.jp/news/retto/20060928c6b2802r28.html
考えてみると、メタンガスの使用は結構昔から聞かれる話である。
メタンガスといえば火力というイメージがあるが、
それだけではない、ということで。
先月には、同じ廃棄物でも
焼酎粕を使ってのエタノール化の話も出てきている。
三井造船が宮崎で、焼酎粕を
飼料原料やエタノールにリサイクルするプラントを受注した、
という話。
エタノールとしてよりも
廃棄物のリサイクルという視点の方が強い記事だが、
こちらも将来性は高そうだ。
10月2日、日経BPネット
http://www.nikkeibp.co.jp/news/eco06q4/514426/
また、有名なレーサーで登山家でもある片山右京さんが
菜種油由来のバイオエタノールでパリ・ダカを走るという
カッコイイニュースも、聞いた人は多いだろう。
10月25日、朝日
http://www.asahi.com/car/news/NGY200610250002.html
(右京 カッコイイよ 右京)
宮古にしろ神戸にしろ、あるいは宮崎にしろ、
地域の特徴やそれぞれの廃棄物、生物資源との兼ね合いで
バイオマスの活用を進めていることが見えてくる。
菜種に関しては、全国的なネットワークもあるなど、
意外と進んでいる。
◆ ◆ ◆
ところで。
トウモロコシのバイオエタノールについては、
次のような報道も。
11月8日、フジサンケイ リビングアイ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061108-00000012-fsi-bus_all
ひらたく言えば、バイオエタノールの需要があるということで、
トウモロコシの相場が急騰し、
食糧や飼料用の入手が難しくなってきている、というハナシ。
とりあえず今のところは餓死者は出ていないようだが、
エネルギーというか、ガソリン同様に車を動かすことを優先して
人様の口に入れる分は後回し、ということにもなりかねない
背景がちらつくこの動き。
これらを見ていてふと思ったのは、
こうした報道をリードしていくことで、
トウモロコシに関する相場師や投資家、種苗会社などは
簡単に儲けることができそうだな、ということ。
まあこれは、あくまでも邪な推測に過ぎないかもしれないが。
儲けに走る方々から見れば、
エコになるならないというのは、
市場向けのお題目、といった程度のハナシだろう。
金になるのであれば、エコであってもいい。
それだけではなく、
たとえ本当にエコでなくても、それで価格が上がるのであれば
エコだと宣伝されさえすれば問題はない。
◆ ◆ ◆
さらに。
基本的にバイオエタノールでなんとかしのごう、という発想は、
つまりは代替品にすげ替えるだけのハナシで、
そこまで車を使う必要があるのか、
といった辺りの問い直しへとつながることは
ほとんどない。
自動車への過度の依存やエネルギーを大量消費し続ける
という構造はそのまま置いておいて、
エネルギーの供給源だけを確保するというのは、
対症療法だけを続ける治療法のようなものだ。
だいたい、バイオエタノール専用車が売れるとなると、
それまでの車がごみになったり、
新車製造時に多くのエネルギーや鉱物資源が使われるなど、
別のエネルギーの消費拡大を推し進めるという部分も
必ず派生してくるものである。
エタノールのための大規模農場開発、などがそのいい例だ。
まだ、地元の木質バイオマスやら廃棄物を使う、というのであれば
理解はできるのだが。
どうしてバイオエタノールが必要なのか。
そして、どこまで、どのくらいの量が必要なのか。
トウモロコシの話を聞く限り、
本当は何をやらないといけないのか
というところを置き去りにしてコトが進んでいるようなのだが。
さて。
カテゴリー[ 資源・エネルギー ], コメント[2], トラックバック[0]
登録日:2006年 11月 13日 22:24:18
コメント
夏休みの自由研究でバイオエタノールについて調べているのですが、こちらの文章を少し引用させていただきたいのですが、よろしいでしょうか。このごろいろいろと厳しくなってるので(^^;;)
ruira @ 2007年 07月 30日 09:51:43
ruiraさん、こんばんは。ご訪問ありがとうございます~。
お返事遅れて失礼しました。
引用、特に問題はありません。
わざわざお願いのお知らせをいただくとは、ありがたいことです。はい。
あと、ウチのブログではバイオエタノールに関する記事については、大体「資源・エネルギー」のタグでまとめています。
2007年に入ってから、自分がブログ記事を書くにあたって参考にした報道の類(の大半)も、記事の最後に添付するかたちを取っています。それらの報道もあわせてご覧になると、少なくとも今年の流れは分かるかとおもいます。もっとも、自分が恣意的に選んだ報道ですので、多少の偏りが有るのは事実ですが、それで宜しければあわせてご参照ください。
山猫通信社 @ 2007年 08月 02日 01:46:15
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