食べるという字は人に良いと書く

『ダーウィンの悪夢』シンポジウム開催 - 東京

【東京 21日 AFP BB News】半世紀ほど前、アフリカのヴィクトリア湖に肉食の外来魚、ナイルパーチが放たれた。
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(c)AFP BB News

AFPBB News


『ダーウィンの悪夢』、
この試写会(シンポ付)を観ることができたので、
ちょっと情報を補足してみる。

この映画は、ダーウィンから連想される
生物学的なものや環境破壊問題がテーマ、ではない。
そうしたモチーフを「グローバリゼーション」を観る素材として
巧みに活用している、といったもの。
映画本来のテーマは、やはり「グローバリゼーション」だろう。

キーワードとしては、ODAとか貧困の問題とか
第三世界の収奪とか南北格差とか開発援助とか、
あとは戦争ビジネスとか、その辺り。
その手の専門書かルポ本を斜め読みしてから観るといいと思う。
(今すぐパッと思いつくのは『なぜ世界の半分が飢えるのか』など)
このシンポに参加した松本さんの本などもオススメだ。
(このシンポの発言を聞いた感じでは勝俣さんの話の方が
興味深かったが、書籍は未読なので)
.
.

◆ ◆ ◆
(以下は、管理人が試写会シンポ当日に見聞きした内容を
管理人の独断でメモ化。ネタバレあり。
発言などにニュアンスの取り違えの可能性を含みますので
事実誤認がある場合はご指摘お願いします)


映画は、アフリカ最大の湖・ビクトリア湖の外来魚を、
漁業資源として産業的に活用しているタンザニアが舞台。

魚は、いい部分だけを選り抜いて、欧米やニホンなどの
金のある国へと空輸されて行く。
地元にはその代金が当然支払われているはずなのだが、
じゃあその金がきちんと地元に還元されているのかどうかというと、
それは……まるでミステリー。


映画は、過去に発言の機会を持たなかったタンザニアの庶民に
徹底して発言を促し続ける。
ストリートチルドレンや、輸送機のパイロット、
そのパイロットたちを顧客とした売春婦たち、
漁村の人たちやHIVに感染した人びとと
無知を恥じることの無い宣教師、
低賃金にあえぐ加工工場の夜警、などなど。


◆ ◆ ◆

シンポで印象に残った話は、やはり監督のこの話だ。

>9年前にコンゴの内戦の映画を撮りました。その際、国連の飛行機で援助物資を運ぶロシア人やウクライナ人のパイロットたちと友だちになり、彼らは小麦粉だけを運んでいるのではないことを知ったのです。武器や弾薬も運んでいる。つまり、地雷で脚を吹き飛ばされた人たちに配る義足と一緒に、爆薬や地雷も運んでいたのです。そして、その帰りに魚を運ぶ。


映画には、武器の画は一切出ない。
実際にルポされているのは、
ヨーロッパからは武器を、
その帰りにアフリカからは魚(食糧)を、という輸送形態だ。
タンザニアの周辺国は、いずこも紛争地域。
武器を送れば、確実にそれが金になる。
さらに、帰りに荷物を積むことは「合理的」な行いであり、
なおかつ品物の単価も下げられる。


◆ ◆ ◆

海外の魚が欧米やニホンで安く食べられるのは、
そうした経費削減の「努力」の賜物でもある。

おいしい食べ物が安く食べられる、というその裏に、
実は武器輸送がからんでいたり、
さらには漁村の文化崩壊に加担していたり、
というような構造に
否応無しに放り込まれるのが、グローバリズム。

持てるものはさらに富み、
持たざるものはさらに貧困に拍車がかかるという、
よく言われる図式が、
底辺の人びとの証言だけで構成されているこの映画は、
ある意味非常に貴重な証言集となっているとも言えよう。

監督も言っているように、
この映画では解決策は何ら示されておらず、
問題提起に徹している。
その点では予備知識なしで観に行くと
多少フラストレーションが溜まると思うので、
その辺りを注意して観に行くことをオススメしたい。


◆ ◆ ◆

※今回のお題「食べるという字は人に良いと書く」の元ネタはこちら
http://www.fujitv.co.jp/dybastar/kako.html
(真面目な方は無視することを推奨/くだらないものが大好きな人向き)

この間の放送を観ていなかったら、そしてこのサブタイトルじゃなかったら、この写真のエントリを立てる気にはならなかったと思う。

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登録日:2006年 11月 25日 23:33:23

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◆屋号の「山猫」は宮沢賢治から。大阪に長くいたので時々関西弁が混ざることあり。
◆07年3月、ブログタイトルを一部変更。今後も、カメだけでなく、ワニやラクダやトカゲからも いろいろと学べるもんだろうと思いつつ、のてのてと更新中。
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