バイオといってもピンきりだ
【ジャカルタ/インドネシア 17日 AFP】インドネシアは、今後成長が期待されているバイオ燃料事業に着手する。
≫続きを読む…
下のエントリに関連して、もしくは2月13日のエントリ
の続きのハナシ。
現地・熱帯の森林に対する環境負荷の話を繰り返すのも
なんなので、
今回はちょっと視点を変えて、
最近の「バイオ燃料」関連記事を幾つか紹介しながら、
環境負荷の少ないエネルギーって何よ? てなことについて
考えていこうと思う。
◆ ◆ ◆
2007年1月17日 産経新聞
世界初、廃木材からバイオエタノール 堺に製造施設完成
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070117-00000005-san-bus_all
1月22日 日経BP
木質系バイオエタノールの製造施設が完成
http://www.nikkeibp.co.jp/news/eco07q1/523183/
この2件、いずれも
大阪の「バイオエタノール・ジャパン関西」設立に関するもの。
ここでエタノールとして考えているバイオ(生物由来の素材)は、
>建設廃木材、おが屑、剪定枝といった木質系バイオマス
が主原料になるとのこと(日経エコロジーの記事より)。
燃やしても埋めても二酸化炭素を出すだけの建築廃材を
エネルギーとして活用しよう、という方法論。
地元のごみ問題とリンクさせて、
地域のごみを地域でエネルギーに転換するのであれば、
さらに環境負荷も減らせそうだ。
ポイントは、
・原料は廃材など、廃棄物由来の木質系バイオマス
・作るのはエタノール(燃料)
・コストの問題が残っているがビジネスチャンスはでかそう
といったところか。
◆ ◆ ◆
1月30日 毎日
京都市:「生ごみから燃料電池」実験成功
http://www.mainichi-msn.co.jp/science/kagaku/news/20070130ddm003040023000c.html
こちらは生ごみ。
天ぷらの廃油など、油によるバイオ燃料は、
片山右京のエコカーの試みなど既にあるが、
それを燃料電池として電力化へと進めたのがこの事例。
将来性は高そうだ。
考えられる課題点は、
原料となる生ごみの品質が一定でない、ということ。
ごみなんだから、そりゃそうだ、という感じだが。
そこんところをどうクリアーするのかの情報も欲しいところ。
ポイントをまとめると、
・原料は廃油や生ごみなど、廃棄物由来のバイオマス
・作るのは燃料電池(電力)
・地域循環・地域密着型の仕組みが可能
・現時点ではまだ実験段階
地産地消というか、コ・ジェネに近い
循環型・小規模化が可能そうな点は、高く評価できる。
その方向性での実用化を希望。
◆ ◆ ◆
2月5日 日経
メキシコで「トルティーヤ危機」、伝統主食が高騰
http://www.nikkei.co.jp/news/past/honbun.cfm?i=AT2M0200A%2002022007&g=G1&d=20070202
こちらはネガティブな情報。
バイオでエタノールをつくるために
食用のトウモロコシが高騰している、という例。
この手の話はこれまでも何度か出ているが
(下にリンクした過去記事も参照のこと)、
バイオマスが「グローバルに」市場化されると、
もっと多発しそうだ。
この、トウモロコシのバイオエタノール畑(とその市場)の規模が
更に拡大すると、
この貧困と飢餓の問題もまた、同じように拡大していくだろう。
つまり、ポイントは
・原料は食糧ともなるトウモロコシ、作るのはエタノール(燃料)
・よって、食べるかガソリンにするか、という
消費の中での対立構造を生む
・まさにグローバリゼーション。原料調達、生産地、消費地が
それぞれバラバラという仕組み
という辺りを意識しておこう。
◆ ◆ ◆
2月8日 ロイター(goo経由)
スペインのバレンシア、オレンジからエタノール生産へ
http://news.goo.ne.jp/article/reuters/world/JAPAN-246401.html
オレンジからエタノール。
正確にはオレンジの皮など加工に伴う廃棄物の有効利用。
発想としては、上の京都の取り組みとやや近いものがある。
さらにこれも、地産地消型の発展が望めるといいのだが。
記事にある、カリフォルニア州の前例というやつ、
気になってサクッと調べてみたら
なんとニホン企業が事業化に成功している。
(http://www.carview.co.jp/news/0/16730/
2006年6月20日 日揮、米国で廃材からバイオエタノール生産)
廃棄物の有効利用という仕組みは、
ニホン企業のビジネスチャンスでもあるわけだ。
ポイントは幾つか。
・原料はオレンジの皮など、食品加工の廃棄物由来
・作るのはエタノール(燃料)
・既に企業による参入があるなど、
コストの問題はクリアーできている?
・スペインは地域循環的な志向のようだが、
カリフォルニアではグローバルな展開になっている模様
思慮のあるグローバル、であってほしいと思いながら。
◆ ◆ ◆
2月17日 日経
大阪府、バイオマス燃料普及へ実証事業・廃木材を利用
http://www.nikkei.co.jp/news/retto/20070216c6b1602d16.html
2月19日 goo自動車&バイク
大阪府、バイオマス燃料の普及を推進
http://autos.goo.ne.jp/news/society/article_91686.html
こちら2つとも、大阪。
最初のバイオエタノール・ジャパン関西とは
連動しているのかいないのか。
◆ ◆ ◆
2月25日 毎日
バイオエタノール:大増産計画が本格化 技術開発に課題
http://www.mainichi-msn.co.jp/science/env/news/20070225ddm008020112000c.html
こちらは課題点を論評した記事。
これまでが、やや理想論的なハナシだったのに対して、
これは「じゃあ現実に実用化・運営していくには?」
というところを丁寧に見直している。
上の大阪や京都の話が
「廃棄物の有効利用」という辺りが強く感じられるのに対して、
こちらの記事は「温室効果ガスの排出抑制」を重視した展開
になっているのも、興味深い。
記事では、
>食料用に生産されている既存原料を大量にバイオエタノールに振り向けると、
穀物価格の高騰や食料自給率の低下につながる懸念がある
と指摘のある通り、
業界は安くできるのであれば
この辺りを無視しそうな流れもあるので、
ここはきちんと言い続けないといけないところ。
また、記事後半の指摘も大きな壁になりそう。
と、いうのも。
一方では、
未利用の資源や耕作放棄地を有効活用といった、
農林水産省の希望がバイオへの期待を膨らませている。
他方では、
ガソリンへの混合率や税金をどうするか、さらには
開発~商業ベースに乗せるまでのコスト問題から
渋がる経産省がいる。
こうした対立構造があることも触れていて、
ああ、またかよ、と。
こういった辺りの縦割りを何とかして欲しい、というのが
素朴な庶民の願いだったりするんだが。
◆ ◆ ◆
で。
これまでの報道と、
この写真のインドネシアのハナシとを比べてみると。
後者の場合、つきつめてしまうと
要はどうやって儲けるか、というハナシのように見えてくる。
というかまあ、温室効果ガスの排出削減は「口実」で、
儲かればいい、というのがやっぱ本音だろう。
1980年代、90年代の
マレーシアやインドネシアの森林伐採のときも、
現地の雇用拡大だとか貧困対策だとか、
まったく同じ文言でコトが進められていたことを思い出す。
結果、引き起こされたのは
大規模な環境破壊であり、
地元の人びとへの人権侵害・弾圧だった。
ちなみにこの状況、今も続いている。
そう考えると今回のこれも、やはり
その同じ道を、
同じように辿るだけのことになるのではないかと、
深く懸念されるのだが。
さて。
◆ ◆ ◆
尚、当ブログのバイオ燃料関連の過去エントリはこんな感じ。
2006年3月8日 薪・炭・エネルギー
8月2日 「エコ」的イメージにご用心
9月25日 植物性なら問題なし?
11月13日 バイオ燃料だけでエコになれる、わけではない
※文中の各報道は<続きを読む>で。
.
.
※以下、各報道のコピー
2007年1月17日 産経新聞
世界初、廃木材からバイオエタノール 堺に製造施設完成
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070117-00000005-san-bus_all
廃木材からバイオエタノールを製造する世界初の施設が16日、大阪府堺市内に完成した。年間1400キロリットルを生産し、ガソリンの添加剤として販売する。原油価格の高騰で、バイオエタノールはガソリンに代わるエネルギー源として注目される半面、製造コストの高さや税制の不利など価格面では課題も指摘される。
製造施設の建設主体は、大成建設や丸紅、サッポロビールなど5社が出資する「バイオエタノール・ジャパン・関西」(大阪市)で、総事業費は約40億円。商業用バイオエタノール製造施設の稼働も国内初となる。
施設では、約1センチ程度に粉砕した廃木材から糖分を収集後、特殊な菌で発酵させ、エタノールを製造する。原料には建設廃材などを想定しているため、産業廃棄物の減量にもつながるという。
海外のバイオエタノール製造は、トウモロコシやサトウキビなど農作物を原料とする場合が多く、廃木材を原料とした例はない。バイオエタノール・ジャパン・関西は「廃材を利用した方がコストも安い。一石二鳥だ」と話している。
当面は環境省の実証実験向けに販売するが、今春以降は民間業者などにも販路を拡大し、平成20年度には生産量を年間4000キロリットルまで引き上げる予定。
課題は、1リットルあたりの製造原価でガソリンの約2倍となるコストだ。バイオエタノールはガソリンに3%混ぜて使うが、現行制度ではガソリン段階とガソリン混合段階の2度、揮発油税がかかるという。同社は「エタノール販売だけでは収支が合わない。廃材の処理費と合わせ、採算を取りたい」と話している。
1月22日 日経BP
木質系バイオエタノールの製造施設が完成
http://www.nikkeibp.co.jp/news/eco07q1/523183/
バイオエタノール・ジャパン・関西(大阪府堺市)は、世界で初めて、廃木材を主原料としたバイオエタノール製造施設を建設した。このほど開所式を行い、本格的な稼動に向けてスタートした。
バイオエタノール・ジャパン・関西は2004 年3 月に大成建設、大栄環境、丸紅、サッポロビール、東京ボード工業の5社が設立した。2004年度から環境省の助成を受けて、大阪府堺市の「大阪エコタウン」にバイオエタノール製造施設を建設してきた。
この施設は、従来エタノールの製造が難しいとされてきた建設廃木材、おが屑、剪定枝といった木質系バイオマスを主原料とする。丸紅、月島機械が米国から導入した新技術を用いることにより、エタノール製造を可能とした。年間4万~5万t の廃木材から1400kl のバイオエタノールを製造し、燃料用エタノールとして販売する。
今後、数年以内に設備の増設とさらなる新技術の導入により、年間製造量を4000kl にまで引き上げる予定という(日経エコロジー編集/EMF)。
1月30日 毎日
京都市:「生ごみから燃料電池」実験成功
http://www.mainichi-msn.co.jp/science/kagaku/news/20070130ddm003040023000c.html
京都市は、家庭から出る生ごみや廃食用油から水素ガスを生成して燃料電池に使用する全国初の実証実験に成功し、29日、同市伏見区の研究プラントで実験過程を報道関係者に公開した。
市は全国初の地球温暖化対策条例を05年4月に施行し、京都大学などと協力して同年11月から実験を進めていた。
実験では、家庭から出たてんぷら油などの廃食用油から発生したグリセリンや生ごみを発酵させ、メタンガスを主体としたバイオガスを生成。さらに、メタンに水と酸素を加えて高温で反応させて水素に変換し、燃料電池の燃料に使った。缶や瓶、ペットボトルを除いた一般ごみ1トンから約250キロワット時の発電が可能という。
2月5日 日経
メキシコで「トルティーヤ危機」、伝統主食が高騰
http://www.nikkei.co.jp/news/past/honbun.cfm?i=AT2M0200A%2002022007&g=G1&d=20070202
メキシコの伝統的主食トルティーヤの価格が高騰し、国内各地で抗議デモなどが相次いでいる。米国の新エネルギー政策によるエタノール需要拡大を受けた原料のトウモロコシ価格の高値が原因。就任したばかりのカルデロン大統領は「トルティーヤ危機」(地元紙)に見舞われている。
1月31日の首都メキシコ市での野党や労働組合主催の抗議デモには4万人の市民が参加した。小売価格はこれまで最高でも1キロ6ペソ(1ペソ=約11円)だったが、今年に入り12―15ペソに上がった。(サンパウロ=岩城聡) (16:20)
2月8日 ロイター(goo経由)
スペインのバレンシア、オレンジからエタノール生産へ
http://news.goo.ne.jp/article/reuters/world/JAPAN-246401.html
[マドリード 7日 ロイター] オレンジの産地として有名なスペインのバレンシアでは、オレンジの果肉や皮を原料にした自動車燃料用バイオエタノールの生産が計画されている。地元自治体の関係者が7日に明らかにした。
バレンシアのオレンジ生産量は年間400万トン。現在稼動しているジュース工場5カ所では、エタノール原料として再利用可能な廃棄物が24万トン出されている。
同関係者は、新たに建設が予定されているジュース工場が稼動すれば、同廃棄物は合計50万トンに拡大すると指摘。米カリフォルニア州の経験を前例にすると、3750万リットルのバイオエタノールが生産可能だとしている。
2006年6月20日 CARVIEW
日揮、米国で廃材からバイオエタノール生産
http://www.carview.co.jp/news/0/16730/
日本初のエンジニアリングコントラクターである日揮は、米国で廃木材を原料とする自動車燃料用バイオエタノールの製造・販売事業を実施するため、今回米国のアルケノール社との間で事業開発基本協定を締結した。
この事業協力により、今後米国内に日揮、アルケノール社などが出資する新事業会社を設立し、同国内で廃棄物処理されている廃木材を原料とする年産約3万キロリットルのバイオエタノールを生産し、販売するようになるという。事業地となるのは、カリフォルニア州オレンジ郡。
日揮では、以前から農作物の茎や芯、廃木材などの木質系残渣などバイオマス資源の燃料化技術に着目し、アルケノール社との独占提携によって同社が所有するバイIエタノール製造特許技術の商業化実証研究を続けていた。2002年には鹿児島県出水市の(独)新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)出水アルコール工場内に、NEDOの委託事業としてパイロットプラント(実証装置)を建設し、日揮が持つプロセス技術・開発技術の工業化ノウハウを組み合わせることで本技術の商業化への技術蓄積を行なった。
米国では原油価格の高騰に伴い、輸入エネルギー資源の比率を低下させ、さらにCO2の排出量を削減させる観点から、2005年に新エネルギー法が制定され、自動車用の代替燃料としてバイオマス由来エタノールの導入が積極的に進められている。今回日揮が参画する事業は、今までバイオエタノールの原料に使用されていたサトウキビやトウモロコシなど食物や飼料を使用せずに、廃棄物として処分されている木質廃棄物を利用する画期的なもの。
2007年2月17日 日経
大阪府、バイオマス燃料普及へ実証事業・廃木材を利用
http://www.nikkei.co.jp/news/retto/20070216c6b1602d16.html
大阪府は廃木材を使ってガソリンを代替するバイオマス(生物資源)燃料の普及に向け、2007年度から5年間の計画で大規模な実証事業を実施する。バイオ燃料専用の供給スタンドを府内に約10カ所つくり、製造から供給までの各プロセスの品質管理や設備管理を検証する。
実用化を検証するバイオ燃料は、建設廃木材を主原料とするバイオエタノールを3%混合したガソリン「E3」。エタノールは大成建設や丸紅などが出資するバイオエタノール・ジャパン・関西(大阪市)が1月に堺市に完成させた製造プラントから供給される。エタノールとガソリンを混合する設備と、自動車に供給するガソリンスタンドは新たに整備する。「バイオマスエネルギーの導入加速化戦略」を掲げる環境省の委託事業で総事業費は10億円。
計画では、ガソリンとエタノールを混合する施設と貯蔵タンクは、堺市の製造プラント近くにつくる。まず公用車や企業の車両への供給を想定し、多く立地する利便性の良い場所に専用スタンドを設ける方針だ。
2月19日 goo自動車&バイク
大阪府、バイオマス燃料の普及を推進
http://autos.goo.ne.jp/news/society/article_91686.html
大阪府は2007年度から本格的に廃材、建材など再生可能な木材を原料にしたバイオマス燃料の普及を推進する。そのための予算として、07年度10億5500万円を計上する。
大阪・堺市にバイオエタノール製造設備をつくり、あわせて府内にバイオエタノールガソリンを売るガソリンスタンドを約10カ所設置し、5年をかけて実証実験を行う。
実証実験を行うバイオマス燃料は、建設廃木材を原料とするバイオエタノールを3%混合したガソリン「E3」で、まず公用車から使っていく方針だ。
また、菜の花を活用したバイオディーゼルについても3000リットル製造することを計画しており、バスやトラック、公用車などに活用していく。
欧米に比べて、日本はまだバイオマス燃料の普及が進んでいないのが実情で、大阪府は先陣を切って取り組み、この分野で日本をリードしていこうというわけだ。(19日 08:29)
2月25日 毎日
バイオエタノール:大増産計画が本格化 技術開発に課題
http://www.mainichi-msn.co.jp/science/env/news/20070225ddm008020112000c.html
国産バイオエタノールの大増産構想が本格的に動き出す。政府は「2030年までに年間生産量600万キロリットル」を掲げ、実現に向けた「工程表」を作成した。ただ、達成には、技術開発など多くの課題が残る。議論の過程では関係省庁・業界の間の温度差も表面化した。構想は絵に描いた餅に終わることにならないか、安倍政権の実行力が問われる。【位川一郎、松尾良】
■農水省は期待
現在30キロリットルに過ぎない年間生産量を600万キロリットルに引き上げる目標は昨年11月に松岡利勝農相が提案した。ガソリン消費量の約1割に当たる量だ。
温暖化防止、資源の有効活用、地域活性化に役立つとして、安倍晋三首相が具体化を指示。工程表を含む報告書が、農林水産省を中心とした関係省庁の「バイオマス・ニッポン総合戦略推進会議」によって22日にまとめられた。
600万キロリットルの原料別内訳(農水省試算)を見ると、サトウキビ、規格外小麦などの既存原料は5万キロリットルにとどまる。大半は稲わら、木材、資源作物(コーリャン、多収穫米など)といった新しい原料に頼る形だ。食料用に生産されている既存原料を大量にバイオエタノールに振り向けると、穀物価格の高騰や食料自給率の低下につながる懸念があるためだ。
新しい原料が使えるようになれば、未利用の資源や耕作放棄地を有効活用できるため、「攻めの農政」の一つとして農水省は大きな期待を寄せている。
ただし、それには技術開発が絶対条件。1リットル当たり100円とした生産コストの目標も高いハードルだ。
バイオエタノールを普及させるには、制度面の整備も必要になる。ガソリンへの混合率は現在、法律で3%まで認められているが、報告書では混合率の引き上げを課題の一つに挙げた。税制優遇についても「検討する」とした。
■決め手にならず
工程表づくりの議論では、エネルギー政策を担当する経済産業省が農水省と対立した。
経産省は当初から「600万キロリットル」に対し「非現実的だ。数字を入れると言われたら席を立つ」(幹部)と反発。ガソリン消費の急減を恐れる石油業界も「地に足のついた政策を」(渡文明石油連盟会長)と繰り返しけん制した。結局、報告書では600万キロリットルの数字を「別紙」にだけ記載することで何とか折り合った。
経産省は昨年、自動車など運輸部門の石油依存度を現在の100%から、30年までに80%まで引き下げる目標を掲げた。
バイオエタノールについても、実際の販売に向けて今年5月ごろまでに品質確保や脱税対策をまとめる。
ただ、最大の生産国ブラジルさえ、将来需給がひっ迫するとの予測から「脱石油の決め手にはならない」とみている。
このため、経産省はクリーンディーゼル、電気自動車用バッテリーなどとバイオ燃料を組み合わせた新戦略を、政府の「骨太の方針」に盛り込む意向だ。
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登録日:2007年 02月 26日 23:54:12
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