この道で行っていいものか?
米研究チーム、マラリアに耐性ある蚊を遺伝子操作で開発 - 米国
【ワシントンD.C./米国 21日 AFP】米ジョンンズ・ホプキンス大学(Johns Hopkins University)の研究チームが、遺伝子操作でマラリアに耐性を持つ蚊を開発することに成功し、将来的にマラリア対策に適用できる可能性が見えてきた。
≫続きを読む…
(c)AFP/CHRISTIAN PUYGRENIER
そうそう落ち込んでばかりもいられないので、
今月気になっていたものの取り上げられなかった写真から、
ひとつ。
これは、見ているだけで痒くなるような写真。
これ以外の報道も一つあるが、
(3月20日 CNN) ※
大体内容は一緒なので、
自分が抱いた疑問が解決されるわけではない。
もちろん、
ヒトがマラリアの被害を一切受けずに済むようになる、
という目標設定については、異論はない。
に、しても、
その目的を達成するための手法は、
本当にこの道筋=遺伝子組み換え技術 でよいものなのか?
CNNの報道では、
現在の実験段階では自然界へ放すことはないとしているが、
よもや永遠に外界に出さない、というわけではなかろう。
AFPの紹介の方向性も概ねそうだし、
実験を重ね成功したあかつきには外に出す、という指向がある
からこそ、
こうした実験を行っているのだろうから。
その場合、
遺伝子操作がなされた種が
そうでない種を駆逐することになるのか。
そこまで至らなかったとしても、
新しい蚊が外界に放たれた場合、
生態系はどのような影響を受ける(=攪乱)のか。
そのシミュレーションは、どの程度行っているのか。
対象が飼育生物ではない、
つまりニンゲンの管理下に置けない存在である以上、
このことは、ニンゲンだけではなく、
蚊に関係するすべての生きものに影響を及ぼすことになる。
ある一部の種に対していい影響を及ぼしたのだとしても、
別の種に対しては反作用としてはたらき、
ひいては玉突きのように生態系のバランスが崩れていく、
といった可能性を、どこまで慎重に検討したのか。
それとも、その変化も含めて(つまりはそれを肯定しつつ)、
この方向性でいこうと決めたということか。
あるいは、マラリアの替わりに、未知の、新しい病気が
この新しい蚊によってもたらされる危険性については、
どう考えているのか。
そして、それらのことについて、
それぞれどの程度危険性を推測したのか。
その対策も視野に入れて、研究を続けているのか。
疑問は、尽きない。
◆ ◆ ◆
もうひとつ気になるのが、
これ、
今既にマラリアにかかってしまっているヒトには、
まるで縁のない研究である、ということ。
もちろん、マラリアについては、
対症療法だけでなく根本的な解決策が必要だということは
理屈では分かってもいるし、
この研究者たちもその根本的対策のために考え、
ベストを尽くしているのだ、とは思っても。
◆ ◆ ◆
いくら考えても、いくら考えても、
この研究の根本的な技術である
遺伝子操作・遺伝子組み換え技術そのものに対する不安は、
拭い去れない。
これがパンドラの箱でないことを祈ることしか出来ない
のだとしたら、
なんとも憂鬱なハナシなのだが。
※:記事テキストは、以下<続きを読む>に。誤字もCNNによるもの。
.
.
※:3月20日 CNN
遺伝子組み換えで「マラリア耐性の蚊」を開発 米研究者
http://www.cnn.co.jp/science/CNN200703200026.html
ワシントン──米ジョンズホプキンス大学の研究者が19日、熱帯から亜熱帯に広く分布し、蚊が媒介する感染症マラリアの病原体「マラリア原虫」に耐性のある蚊を、遺伝子組み換え技術を利用して開発したと発表した。米科学アカデミー紀要の最新版に発表する。
研究を行ったジョンズホプキンス大学分子生物学・免疫学部のジェイソン・ラスゴン助教授は、まだ実験室段階の話だと強調した上で、マラリア撲滅に向けた一歩になるのではないかとしている。
ラスゴン助教授らは、遺伝子組み換え技術を用いて開発したマラリアに耐性のある蚊を、
耐性のない通常の蚊と一緒に、同じ個体数で飼育した。飼育環境下には、マラリア原虫に感染したマウスを置いた。
その結果、9世代後には、蚊の集団のうち70%を耐性型が占めていた。
このことから、マラリア原虫の存在条件下では、耐性のある個体は耐性のない個体よりも生存率が高いことが分かったとしている。
理論的には、マラリア耐性の蚊を自然環境に放せば、マラリアの感染拡大を防ぐことができる。
しかし、現段階ではあくまでも「実験室内」の話であり、この耐性のある蚊を自然界へ放すことはない、としている。特に、マラリアに耐性はあるものの、他の寄生虫に対する耐性がないため、自然界での生存は難しいという。
米疾病対策センター(CDC)はと、マラリアによる死者が世界で年間70─270万人に達すると推定している。
カテゴリー[ 環境配慮 ], コメント[0], トラックバック[0]
登録日:2007年 03月 31日 22:51:51
コメントを追加
Trackback
この記事に対するトラックバックURL:
- プロフィール
- 山猫通信社 篠宮
- 山猫通信社
- カメでも読める のてのて環境ニュースクリップ
- このメモは猫のヒゲ
- ◆環境カウンセラー兼フリーランスのライター・編集業の「山猫通信社」については、上のHPをぽちっとどうぞ。ブログをみてのご連絡は、sorano_ki@yahoo.co.jpへ。
◆屋号の「山猫」は宮沢賢治から。大阪に長くいたので時々関西弁が混ざることあり。
◆07年3月、ブログタイトルを一部変更。今後も、カメだけでなく、ワニやラクダやトカゲからも いろいろと学べるもんだろうと思いつつ、のてのてと更新中。
◆トラックバック、どうも故障中の模様(早く直してくれAFP)。
- 最近のエントリー
- [07/12] 伝言ゲーム。
- [07/11] あくまで一時的な話、かと。
- [06/30] 産卵は確認、孵化は危うい
- [06/30] ま だ い う か (あるいは、どうしていつもそのことはスルーしまくるのか、という件について)
- [06/26] どうか生き延びて欲しい、でも、
- [06/13] 【事務連絡】停滞中。
- [05/31] 「間男」を生んだワケ
- [05/31] 森のねだん
- [05/30] 生きている!
- [05/29] 虹の記録 08、春
- 最近のコメント
- [06/30] 食うは一時の欲、食わぬは一生の快 管理人(山猫通信社)
- [06/27] 食うは一時の欲、食わぬは一生の快 kkneko
- [06/27] 食うは一時の欲、食わぬは一生の快 kkneko
- [05/29] ホッキョクグマは野生のクマ 管理人(山猫通信社)
- [05/28] ホッキョクグマは野生のクマ あるる
- [04/07] オーストラリアのアジアゾウと森林 管理人(山猫通信社)
- [04/05] オーストラリアのアジアゾウと森林 うえ
- [02/12] これはいい記事。 管理人(山猫通信社)
- [12/19] 発見、即、絶滅危惧指定、とならないように 管理人(山猫通信社)
- [10/05] なんかちょっと本質からビミョ~にズレている(ような気がする) 管理人(山猫通信社)
- 最近のトラックバック
- 月別アーカイブ
- 2008年 07月 [2]
- 2008年 06月 [4]
- 2008年 05月 [9]
- 2008年 04月 [9]
- 2008年 03月 [16]
- 2008年 02月 [19]
- 2008年 01月 [22]
- 2007年 12月 [14]
- 2007年 11月 [11]
- 2007年 10月 [11]
- 2007年 09月 [16]
- 2007年 08月 [18]
- 2007年 07月 [11]
- 2007年 06月 [12]
- 2007年 05月 [20]
- 2007年 04月 [19]
- 2007年 03月 [22]
- 2007年 02月 [20]
- 2007年 01月 [16]
- 2006年 12月 [21]
- 2006年 11月 [25]
- 2006年 10月 [24]
- 2006年 09月 [21]
- 2006年 08月 [19]
- 2006年 07月 [27]
- 2006年 06月 [27]
- 2006年 05月 [21]
- 2006年 04月 [17]
- 2006年 03月 [29]
- 2006年 02月 [11]
- 検索