在来種を駆逐する外来ヒキガエル

オオヒキガエル、長い足で生息地拡大 - フランス

【パリ/フランス 28日 AFP】72年前にサトウキビの害虫駆除を目的として、オーストラリア北東部に持ち込まれた毒をもつオオヒキガエル(学名Bufo marinus)の生息地が徐々に拡大しており、生物学者らの予測によるとオーストラリア沿岸部の4分の3に達する可能性があるという。
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(c)AFP/Rob ELLIOTT

AFPBB News


写真の見出しにはフランス、とあるが、
これはオーストラリアで発生している問題。
打ちミスか。
ニホンでもまだ認知度が高いとは言いがたい、
「外来種」「移入種」による環境破壊の一例の写真である。


このオオヒキガエルの出身地がどうもはっきりしないのだが、※
1935年、サトウキビ栽培時の害虫対策のために
オーストラリア大陸へと持ち込まれたのが事の発端だ。

振り返ってみると、
オーストラリアは、大陸はもちろんのことタスマニア島でも、
その地に生息していなかった外来生物を持ち込んで、
種によっては絶滅に追いやってしまった、といったことを
やらかしている。

まあ、これは別にオーストラリアだけではなく、
「外来種」概念のなかった、一昔前のジンルイが、
世界中のそこここでやらかしていたことの一例でもあるのだが。

元々はいなかったアライグマが野生化し、
野山を駆け回っているニホンだって、同類だ。

今回のこの、オーストラリアのオオヒキガエルを見ていると、
ハブを駆逐するためにマングースを導入した沖縄の場合と、
ほぼ似たような経過を辿っている。
新天地に天敵がいないことや自身の生命力が強すぎること、
そしてそれがゆえに数も生息域も増やしていることなどは、
ブラックバスやブルーギルなんかの場合と、
これもまたほぼ一緒。
まるで雛形として使えそうな、
典型的な外来種問題と言えるだろう。

それと、
一度放たれてしまった外来種を再び回収することが
ほぼ不可能に近いことも、
この問題に共通する大きな難点のひとつ。


◆ ◆ ◆

どうしてこんなことがたくさん起こっているのかというと、
大体はニンゲンが「良かれ」と思って取った行動が
発端となっている場合が多い。
(もちろん、荷物にまぎれての移入などもあるわけだが、
その話は別の機会に置く)

その結果起こることといえば、
その地の生態系のバランスが失われるような事態、つまり
在来の生物種が受ける駆逐であったり、
絶滅の危機というようなことであったりするわけだ。

これ以上の災いを食い止めるためにも、
これらの事例で引き起こされた顛末を、わたし・たちは
きちんと知っていかないといけない。

たとえ、そもそもの動機が
純粋で良心的なものであったのだとしても、
その結果失われてしまう生きものの命の前には
それらの「良心」などは害悪でしかないのだから。


※ロイターと時事の記事テキストは、<続きを読む>に保管。


ロイター通信3月27日
オーストラリアのダーウィンで巨大なカエル発見
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070327-00000784-reu-ent
 [シドニー 27日 ロイター] オーストラリアのダーウィンで26日夜、通常の2倍のサイズのオオヒキガエルが捕獲された。全長20.5センチ、体重は840グラムだという。
 有毒性のこのカエルは、サトウキビの害虫対策として、1935年にハワイからオーストラリアに持ち込まれたもの。
 ただ、皮膚の部分に毒を持つこのカエルの影響で、現地では在来種のヘビやオオトカゲなどの数が激減。2億匹以上にまで増えてしまった現在では、生態系に悪影響を与える存在とみなされている。
 環境保護活動家らは、このカエルの豪州全土への拡散防止を目指して捕獲・処分を推進。現地では、カエルを冷凍処分した後、液体肥料として利用しているという。

時事通信3月28日
小犬ほどもある巨大カエルを捕獲=豪北部
http://news.goo.ne.jp/article/jiji/life/070327080433.d9mtx1bo.html
 【シドニー27日】オーストラリア北部のダーウィンでこのほど、小犬ほどもあるオオヒキガエルが捕獲された。ダーウィンを含むノーザンテリトリーで見つかった中ではこれまでで最大という。環境保護団体「フロッグ・ウォッチ」が27日明らかにした。(写真はシドニーのタロンガ動物公園のオオヒキガエル)
同団体によると、捕獲されたのは体長20.5センチ、体重861グラムのオスのオオヒキガエル。最大のカエルはメスであることが多く、同団体関係者は「このオスは巨大だ。姉に当たるメスとは会いたくないものだ」と語った。
オオヒキガエルは1930年代、豪北部沿岸のサトウキビ畑を荒らす甲虫を駆除する目的で南米から移入された。しかし、現在は数百万匹にまで増え、ノーザンテリトリーの西部にまで生息域を拡大、世界遺産に登録されているカカドゥ国立公園の湿地帯にも広がるなど、生態系への脅威となっている。生息域の拡大阻止の試みはすべて失敗に終わっており、オオヒキガエルの移入は豪州が行った最大の失敗の一つとする指摘もある。
オオヒキガエルは頭の後ろの嚢に、クロコダイルやヘビなどを数分で死なせるほどの猛毒を持つ。〔AFP=時事〕

カテゴリー[ 種の多様性 ], コメント[2], トラックバック[0]
登録日:2007年 04月 03日 23:48:42

コメント

外来種のオオヒキガエルを同じ日本の外来種のアライグマに食
わせることや(毒を抜かせて捕食させることや)、ヒキガエルを食べても平気なヤマカガシで捕食させることが可能ならこの方法で自然に駆除させることもできるはずです。この考えはいいことですか、詳しく教えてください。

増田哲丈 @ 2009年 09月 11日 22:44:07

その考えはあり得ません。そもそも一度環境に適応した生き物を絶滅駆除するのは大変困難で、ヒキガエルが絶滅したあと、ヤマカガシが他の生き物にどれだけ負荷を与えるか考えればそんな発想は出てこないと思います。

あ @ 2010年 10月 08日 14:46:26

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