ビールだけで済む問題か?

ドイツ国民がこよなく愛すビール、バイオ燃料生成で価格上昇の危機か - ドイツ

【ベルリン/ドイツ 22日 AFP】ドイツ人が愛してやまないビール。
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(c)AFP/JOE KLAMAR

AFPBB News


ビールの値段がどうこうというレベルの話ではないと思うのだが。
それとも、身近なビールをきっかけに
この問題へと誘うため、ということか。

食物と燃料とどっちにするの? 問題というのは、
過去にもハナシが出ている。
特に、エタノール生産によるビール価格の影響というハナシは
2ヵ月前、2月26日の日経(英ファイナンシャル・タイムズの記事)
で既出。

バイオ燃料の生産拡大がビール価格押し上げへ
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/media/20070226NTE2IFT0226022007.html


一部のバイオエタノールと食糧生産との軋轢については、
過去にも当ブログで幾度か取り上げているが、 ※
今回は、それとは別に
最近報道されたものを中心にまとめて紹介する。


◆ ◆ ◆

まずは先月あたま。
3月3日の日経より。
 トウモロコシ高騰、食品会社が悲鳴
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20070303AT1G0203V03032007.html

ここでバイオエタノールの原料として取り上げられているのは
大麦ではなくトウモロコシ。
記事内ではトウモロコシ製品全般の値上げの可能性も
示唆されているが、
これは食料自給率40%というニホンにとっても
近い将来大問題になるのではないか、と。


◆ ◆ ◆

4月4日 時事通信
 エタノール燃料ブームが食糧危機を悪化させる=米研究
http://news.goo.ne.jp/article/jiji/life/science/070403185953.lp28y5e1.html

具体的提言あり。特に、
>バイオ燃料がトウモロコシや大豆以外の材料から経済的に製造されるようになるまで、各国政府はエタノール燃料に対する優遇政策を控えるべき
という提案はもっと大きく知られた方が良い。

というのも、
>補助金などの優遇政策が導入されれば、農民たちがトウモロコシやその他の穀物を大量にエタノール用に転換
すると見られているため。

もしもそうなった場合、
>バイオ燃料に回ることが原因となって主要食糧品の実際の値段が1%上昇するごとに、世界中で食糧危機に見舞われる人々が1600万人以上増加すると推定
という専門家の話が述べられている。
ビールの値段どころの騒ぎではない。


◆ ◆ ◆

エタノール用の栽培が増えたおかげで、
種苗会社などの株も上がりっぱなし、の模様。

4月5日 日経
 米モンサント、トウモロコシ種子伸び純利益23%増・12―2月期
http://www.nikkei.co.jp/news/past/honbun.cfm?i=AT2M0500C%2005042007&g=G1&d=20070405

ちなみにこのモンサント社は、
遺伝子組み換え技術などで物議を醸している
農薬会社でもある。
ヴェトナム戦争の枯葉剤を開発したのも
確かこの会社だったっけ?
儲かるためには何でもやる、という企業姿勢は、
ある意味すがすがしい(←モチロン皮肉だ


◆ ◆ ◆

ちなみにトウモロコシの高騰の話がまたも出ている。
この手ニュースが流れるだけで、相場が上がって、
その手のヒトタチはえらく儲けているんじゃないかと推測。

4月25日 日経
 トウモロコシ高騰波及、米で食品・農地価格上昇
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20070425AT2M2401724042007.html

◆ ◆ ◆

もちろん、バイオマスの全てに問題があるというわけではない。
これまでも繰り返し述べてきているように、
食用廃油をバイオマスとして活用したものや 
間伐材(植林木の間引き材でその多くが活用されずにいる)
等を利用した木質バイオマス、
サトウキビの搾りかすのような農業廃棄物などなど
廃棄物由来のバイオマスも各地で作られている。

そのほかにも、ニホン国内でいえば、
稲作の転換作物としてのナタネなど、
従来の循環システムを巧みに活用するバイオマスの手法は
幾らでもある。

最近では、植物性ばかりではなく
動物性の油脂からディーゼル化という
バイオマスの話も出てきている。
この技術については正直、まだ情報が少ないこともあって
判断は保留する。
とりあえずそういうものもある、ということで。

そういった中から、幾つかの報道を下に紹介。

4月11日 神戸新聞
 お花畑は未来のエネルギー 稲美町
http://www.kobe-np.co.jp/kobenews/sg/0000298289.shtml

4月17日 日経
 動物脂肪からディーゼル燃料、米コノコとタイソンが事業協力
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20070417AT2M1700T17042007.html
(↓別アドレスによる同一記事)
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20070417AT2M1700T17042007.html

4月17日 AFP
 石油会社と食肉処理会社が共同で「バイオ燃料」製造へ - 米国
http://www.afpbb.com/article/1518453

4月19日 ロイター
 ゾウのふん、バイオ燃料の生成に一役=オランダの科学者
http://news.goo.ne.jp/article/reuters/world/JAPAN-256310.html


◆ ◆ ◆

ともあれ。
温暖化対策になれば何でもエコ、というような考えは
まんま思考停止しているようなもんだし、
それをいい口実にして儲けようとする輩も幾らでもいるだろう。

昨日4月27日のAFPのこれにしても
 http://www.afpbb.com/article/1545675
このバイオエタノールの原料の出所はどこなのか、
生産地の環境破壊はないのか、人権侵害はないのか、
競合する産品との間に問題を生じさせていないか、
といったところまでしっかりとチェックしないことには
単純に歓迎できるものなのかどうなのか、微妙だろう。
(原生林破壊をしたヤシ油からのエタノール、という可能性も
疑わないといけない、ということだ)

だいたい、Aという問題についてはBという技術で解決!
というような、クビの挿げ替えで納めようという発想そのものが
地球の環境破壊の源となっているわけだし。



当ブログの関連過去記事はこちら。
2006年8月2日 「エコ」的イメージに ご用心
 http://www.actiblog.com/yamaneko/12111
     9月25日 植物性なら問題なし?
 http://www.actiblog.com/yamaneko/16268
    11月13日 バイオ燃料だけでエコになれる、わけではない
 http://www.actiblog.com/yamaneko/20236
2007年2月13日 オランウータンが絶滅しても、わたしは二酸化炭素の排出量を減らしたいんです
 http://www.actiblog.com/yamaneko/29404
     2月25日 バイオといってもピンきりだ
 http://www.actiblog.com/yamaneko/30609

エントリ内の報道関係は<続きを読む>に収録。多いので注意。一部は省略。
.
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エントリ内の報道収納庫。

2月26日 日経
バイオ燃料の生産拡大がビール価格押し上げへ
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/media/20070226NTE2IFT0226022007.html
 オランダのビール大手ハイネケンは先週、バイオ燃料の生産拡大によって欧米農業市場に構造変化が起きており、その結果としてビールの原料価格が上がり、ビールの価格も長期的に上昇する可能性があるとの見通しを明らかにした。
 世界的な環境意識の高まりでバイオ燃料の原料となるトウモロコシ、大豆、菜種の需要が増え、農家はこうした作物の栽培を増やしている。このあおりでビールの原料である大麦は生産が減って価格はここ1年で大幅に上昇、欧州の麦芽用大麦の先物価格は1トン当たり230ユーロ(320ドル)を超え、昨年5月から85%上昇している。
 2006年の米国の大麦生産量は1億8005万ブッシェルと1936年以来の低水準となった。干ばつに見舞われたオーストラリアで生産量が3分の1に低下し、大雨の影響を受けた欧州で収穫が質、量ともに低下したことも大麦の価格を押し上げる要因となった。
 米農務省によれば、世界の大麦の需要は過去5年のうちの4年で供給を上回った。同省の穀物取引アナリスト、レビン・フレーク氏は「米国ではエタノール需要拡大を受け、大麦を栽培していた農地がトウモロコシ畑に変わっている。米国は1980年代に大麦の主要輸出国だったが、栽培面積は85年の1300万エーカーから400万エーカーに減少し、現在では純輸入国になってしまった」と話している。
(英フィナンシャル・タイムズ特約)

3月3日 日経
トウモロコシ高騰、食品会社が悲鳴
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20070303AT1G0203V03032007.html
  【シカゴ=毛利靖子】トウモロコシ価格の高騰に米国の食品会社が悲鳴をあげている。ガソリン消費を削減する狙いで、ブッシュ大統領が代替燃料のエタノール利用を奨励したところ、エタノール原料のトウモロコシ価格が急騰。原料調達コストの上昇でコカ・コーラや食肉加工大手の業績が悪化している。日本企業もコスト増になると懸念し始めた。一部米企業は製品の値上げに動いており、トウモロコシの価格上昇が続けば食卓へも影響が出てきそうだ。
 シカゴ市場のトウモロコシ価格は2月下旬に1ブッシェル4ドル台半ばまで上昇し、10年8カ月ぶりの高値圏で推移している。2006年初の1.8倍の水準。エタノール向け需要の拡大を見込んだヘッジファンドがトウモロコシへの投資を増やしている。米国産エタノールのほとんどはトウモロコシが原料。今週ワシントン郊外で開いた農業集会では「エタノール原料の多様化が急務だ」との指摘が相次いだ。 (16:00)

4月4日 時事通信
エタノール燃料ブームが食糧危機を悪化させる=米研究
http://news.goo.ne.jp/article/jiji/life/science/070403185953.lp28y5e1.html
 【ワシントン3日】米ミネソタ大学の研究者2人が、米国や世界各国で政府がエタノール燃料の使用に殺到すれば、食糧の価格に大きな影響が及び、世界的に飢餓の状態を悪化させると警告した。(写真は、エタノール燃料車)
この論文は米誌フォーリン・アフェアーズの5/6月号に発表され、バイオ燃料がトウモロコシや大豆以外の材料から経済的に製造されるようになるまで、各国政府はエタノール燃料に対する優遇政策を控えるべきだと提言している。
世界銀行などの経済学者の研究によると、主要食糧の値段が1%上昇すれば、世界の貧困層のカロリー消費が0・5%低下するとの結果が出ている。ミネソタ大の研究者は、各国でエタノール燃料に対して補助金などの優遇政策が導入されれば、農民たちがトウモロコシやその他の穀物を大量にエタノール用に転換するとみている。このような動きは米国ではトウモロコシに、ブラジルではサトウキビ、アフリカではキャッサバに現れるだろう。
研究者は、もし他の条件が同じだとすれば、バイオ燃料に回ることが原因となって主要食糧品の実際の値段が1%上昇するごとに、世界中で食糧危機に見舞われる人々が1600万人以上増加すると推定している。その結果、2025年までに、慢性的な飢餓に見舞われる人が、以前の予想を6億人上回る12億人に達する可能性があるという。〔AFP=時事〕

4月5日 日経
米モンサント、トウモロコシ種子伸び純利益23%増・12―2月期
http://www.nikkei.co.jp/news/past/honbun.cfm?i=AT2M0500C%2005042007&g=G1&d=20070405
  【ニューヨーク=米州総局】種子大手の米モンサントが4日発表した2006年12月―07年2月期決算は、売上高が前年同期比19%増の26億1600万ドル、純利益が同23%増の5億4300万ドルと、増収増益だった。1株利益は0.98ドル(前年同期は0.80ドル)。
 代替燃料エタノールの原料となるトウモロコシの需要拡大で、エタノール収量が多い遺伝子組み換えトウモロコシ種子の売り上げが急増した。これを受け、同社は07年通期(9月期)の1株利益予想を当初の1.50―1.57ドルから1.60―1.65ドルに引き上げた。 (11:00)

4月11日 神戸新聞
お花畑は未来のエネルギー 稲美町
http://www.kobe-np.co.jp/kobenews/sg/0000298289.shtml
 黄色い花畑は未来のエネルギー。兵庫県稲美町の田園地帯にこのほど、広大な菜の花畑が出現した。次世代燃料として期待されるバイオディーゼル燃料(BDF)を精製しようという同町の試みで、転作田を利用して栽培している。
 稲美町が二〇〇七年度から取り組む「バイオマスタウン構想策定事業」の一環。食品廃棄物や農作物の非食用部分などから環境に優しい燃料を製造するバイオマスエネルギーの実用化を目指す。
 町は三十アールの畑で菜の花を栽培。約百八十キロの種が採れ、その三割を油にできるといい、この菜種油で精製したBDFを農機具の燃料として使うことにしている。
 県内では、淡路市や南あわじ市でも同様の取り組みが進んでいる。一九九七年に地球温暖化防止に向けた国際会議が開かれた京都市は先進地で、すでに廃食用油から精製したBDFを市バスやごみ収集車の燃料として活用している。
 「温室効果ガスの削減による地球温暖化防止の手段として、資源循環型のまちづくりにつながる」と稲美町産業課。今後は多収穫水稲を栽培し、ガソリンと混ぜて使うバイオエタノールの生産にも挑戦するという。(藤家 武)

4月17日 日経
動物脂肪からディーゼル燃料、米コノコとタイソンが事業協力
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20070417AT2M1700T17042007.html
 【シカゴ=毛利靖子】米石油3位のコノコフィリップスと食肉加工世界最大手のタイソン・フーズが動物の脂肪からディーゼル燃料を生産する事業で協力する。タイソンは牛肉などの加工工程で余った脂肪の約半分を燃料生産に回す計画。燃料生産が順調に拡大すれば、家畜価格を押し上げる可能性もある。
 コノコが米テキサスに保有する製油所を使い、07年中に生産を始める計画だ。09年には年1億7500万ガロン(約6億6000万リットル、1ガロン=3.78リットル)の生産を目指す。コノコはすでにアイルランドで大豆油からディーゼル燃料を作っている。脂肪の加工方法も現地で開発し、今回の提携にこぎつけた。
 コノコは今後3―5年間で合計1億ドルを再生可能燃料事業に投資する。動物の脂肪以外にも複数の案件を検討中で、タイソンとの提携分はディーゼル燃料の生産量全体の3%に相当する見通し。タイソンによると、新事業は09年度の1株利益を0.04―0.16ドル押し上げる見込み。 (12:34)

4月19日 ロイター(goo経由)
ゾウのふん、バイオ燃料の生成に一役=オランダの科学者
http://news.goo.ne.jp/article/reuters/world/JAPAN-256310.html
 [プラハ 18日 ロイター] オランダの科学者らがゾウのふんに含まれる菌が繊維や木材を分解し、バイオ燃料を生成する働きを持つことを発見した。オランダのアルコールメーカー、ロイヤル・ネダルコ社の事業責任者が18日に開かれたバイオ燃料に関する会議で発表した。
 それによると、ロイヤル・ネダルコ、デルフト工科大学、バード・エンジニアリング社の科学者が、ゾウのふんに含まれる菌に、木材の糖分を効率的に発酵させる酵母の発生を助ける作用があることを発見したという。
 ロイヤル・ネダルコの事業責任者マーク・ウォルドバーグ氏は「われわれは今回の発見を技術面での大きな進歩ととらえています」とコメント。
 商業的に実用化するにはまだ時間がかかるとしながらも、2009年には新手法での燃料生産を同社の工場でスタートさせることが可能だという。
 バイオエタノールを手がける企業では、穀物やてん菜などからの糖分抽出が広く行われている。また、一部の会社では小麦などのふすまや、わら、木材から燃料を生成する技術の開発が進められている。

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登録日:2007年 04月 28日 20:26:49

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