ハクトウワシ、舞い上がる
【米国 16日 AFP】米国政府が白頭ワシは絶滅危ぐ種ではないと発表してから7年、当局は白頭ワシを絶滅危ぐ種リストから外す予定であると表明した。
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(c)AFP/US FISH
ご近所のお宅の庭に、シェパード(犬)がいる。
先日、その前を通りがかった親子連れ。
「ほら、あれがドーベルマンだよ」と。
それはちがうよ、あれは「シェパード」だよ、と、
(んでもって、子どもには正しいことを教えないと、とも)
指摘したい気持ちをなんとか抑えてやり過ごしたが、
あれは大人の対応、ということでよかったんだろーか。
まぁ、世の中そんなもんだ。
さて。
犬の話ではなく(全く関係のない前振りですまん)、鳥の話。
少し前の写真だが、グッドニュースなので取り上げる。
写真の説明の通り、アメリカ合州国のハクトウワシが
「絶滅危惧」の状態を脱した、という嬉しい話題。
とはいえ、まだまだ油断を許さない数であることは確からしく、
2つの法律、
白頭ワシおよびイヌワシ保護法(BGEPA)、
渡り鳥条約(Migratory Bird Treaty Act)
で狩猟や売買等の禁止などをしてしっかりと保護、
というところ。
このあたり、手堅くていい感じだ。
.
.
◆数を減らしたハクトウワシ◆
ナショナル・ジオグラフィックのハクトウワシの記事によると、
20世紀に入ってからというもの、ハクトウワシは
懸賞金つきて狩られていたという。
そのため、30年ほどで12万8000羽のハクトウワシが
殺された。
合州国で絶滅危惧種保護法が制定され、
ハクトウワシの保護が始まったのは1973年。
それから今日まで30年以上、さらに数は戻っていない、
ということだ。
レスター・ブラウン博士で有名なワールドウオッチ研究所
http://www.worldwatch-japan.org/
によると、
世界では、鳥類9775種のうち1212種、
だいたい8種に1種が絶滅に瀕していると指摘している。
また、1500年以降の500年間で、150種の鳥が
完全に絶滅したと考えられている。
たとえば、
北米の空を埋め尽くすほどいたと言われるリョコウバトも、
ジンルイの食欲が原因で失われた。
リョコウバトを貪り食っていた人びとも、
あれだけたくさんいるのだから、まさか絶滅などするはずない、
とタカを括っていたに違いない。
こうした分かりやすい例ばかりではないが、
生息地の自然環境が破壊されたことで絶滅に至った例など、
ジンルイが直接・間接的にその絶滅に手を下した例は
枚挙にいとまがない。
◆要因はひとつとは限らない◆
ハクトウワシの場合、
狩猟や生息地の環境破壊といった直接的な圧力のほかに、
農薬や水銀等の化学物質による生体への影響も
懸念が拭い去れない。(※1)
第二次大戦後になると、
DDTやPCB、ダイオキシン類など、
毒性の強い化学物質が
多くの野生生物の生体へ影響を及ぼすようになった。
ここで言う影響とは、急性中毒や慢性中毒のほか、
子や孫といった子孫への生物学的な影響も含まれる。
たとえば生殖にまつわる局面では、
せっかく卵を産んでもその卵の殻が薄くて雛を孵せない、
というような事実が指摘されている。
特にハクトウワシのように生態系ピラミッドの頂点にいる
生きものの場合、
毒物の生体濃縮がとりわけ濃くなるため、
影響もより深刻化しやすい。
これは、農薬散布のある農場近くの野生生物だけではない。
一度外部に漏れ出した化学物質は、
エントロピー概念そのままに、拡散していく。
そのため、北極など
ヒトがほとんど農薬散布をしないような場所にいる生きものの
皮下脂肪からもDDTが検出される、
という事例が数多くみられるようになった。
その意味では、生物としてのハクトウワシもまた、
数の増減の面だけを見るのではなく、
多面的な影響を踏まえて対応策を講じていかなければならない。(※2)
今回は、そうなる前に手を尽くせばなんとかなる、という
好例になりそうで、
何とも嬉しい限りだ。
まだ、油断は禁物ではあるが。
※1:レイチェル・カーソンの『沈黙の春』の警告は、決して過去のものではない。21世紀の今も尚、通用する内容である。
※2:同じくワールドウオッチ研究所によると、合州国市民が住宅用の殺虫剤の使用を10%減らすと、環境中の有害化学物質の量は年間200万キログラム減らすことができる。また、アメリカの製造企業が排出を10%減らせば、環境中の有害化学物質の量は年間で7億キログラム削減が可能だ。
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登録日:2006年 03月 14日 23:52:06
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