そんなに毛皮が着たいのか

密猟で残された豹の子 - インド

【グワハティ/インド 4日 AFP】生後16日の豹の子がインドアッサム州の州都グワハティ(Guwahati)のアッサム州立動物園(Assam State Zoo)につれてこられた。この豹の子供たちはグワハティの北約250キロメートルにあるガウラン保護森林(Gaurang Reserve Forest)の森林警備官に発見されたものである。自然保護論者たちは、現在毎年1,000頭と見積もられる密漁による豹殺害が続けば10年後にはインドから豹は姿を消すと警告している。写真はアッサム州立動物園で職員から哺乳瓶でミルクを与えられる生後間もない豹の子供。3日撮影。(c)AFP /STR

AFPBB News


もうそろそろコートのシーズンは終わるが、
その前にエントリを立てておく。


神田うのなどの毛皮礼賛有名人や
街中で毛皮を着ているバカニンゲンを見ると、
真っ赤なペンキを一斗缶ごと投げつけてやりたくなる。

もちろん、コトは想像の中だけで済ませるが。

現実ではちゃんと、大人の対応、ということで。
どんなに毛皮を着ているニンゲンが嫌いだろうと
心が醜いとか頭が悪いとか内心で罵倒しようとも、
顔はにっこり笑って社交辞令をクチにして。


と、いうことで、
少し前の写真だがどうしても気になる話題、
毛皮との関連も深いヒョウの密猟の話を。
.
.

◆ヒョウってどんな動物?◆

写真は赤ちゃんなのでまるで猫のようだが、
(この写真の大きさだと、恐らく1キロもないだろう)
さて、この赤ちゃんヒョウがでかくなったら、
どういう生きものになるのか、というと。

ヒョウの成獣は最大で180センチ前後、
体重も100キロにいくかどうかという大きさ。
ライオンやトラよりかは若干小さめだ。

ネコ科の生きものの例に洩れず、ヒョウも夜行性。
基本的には、単独行動で生きていく。
(ネコ科で群をつくる唯一の例外はライオン。
ライオンは、その意味ではちょっと犬的だ)

そしてヒョウの大きな特徴が、樹上生活者である、ということ。
狩った獲物を木の上に引っ張りあげて食べるほか、
寛ぐのも眠るのも樹上で行うことが多いのが
ヒョウならではの生き方。
木の上に運び上げるだけの体力もあるということで、
力自慢という話も、ヒョウに関してはよく言われる話。


尚、有名なクロヒョウは、
ヒョウの中の一種(亜種)ということではなく
個体差における体毛の違いの話でしかない。
イエネコの、黒猫も三毛猫も茶虎も猫、というのと同じこと。
ただのヒョウの黒い色のやつが、クロヒョウだ。

ちなみに、中央アジア・チベットやヒマラヤにいるユキヒョウは、
ヒョウの近縁種だが、種としては異なる。こちらも絶滅危惧種。

東南アジアやインドにいるとされるウンピョウも近縁種で、
こちらも数を相当減らしている。


ヒョウやその近縁種に限らないが、
地球に生きるほぼ全ての野生のネコ科の動物は、
絶滅の危機にさらされている。
数を減らしていないものは、いない。


◆毛皮。ただそれだけのためにいのちを奪われる◆

今回の写真のほか、
野生動物保全で頑張るニホンのNGO、JWCA
http://www.jwcs.org/
のニュースでも取り上げられているように、
ヒョウの密猟は近年も徐々に増えている模様。

詳しくはJWACのサイトの該当記事を見て判断して頂きたいが、
http://www.jwcs.org/pdf/060116.pdf
毎年200匹ものヒョウが殺されているとみられており、
その目的は毛皮であるという。
(翻訳記事ではドレスとあるが、まあこれは流石に
服に加工するよ、という意味で言っているのだろう)

一応、インド国内でも
ヒョウやトラなどネコ科の野生生物の狩猟は違法とされている。
「密猟」という括りで言われていることからもわかるように、
合法的な狩猟は、ヒョウに関してはありえない。
つまり政治的な場面でも、
それだけ数を減らしている、ということが
共通認識となっているわけだ。


◆金になるなら法を犯しても、という闇の仕事を支える「需要」◆

だが。
にもかかわらず、
売れば金になるんだし、とりあえず狩っちまえ、という輩は
どの世界にも必ずいる。


さらに分からないのは、
絶滅の危機がこれだけ言われていながら、
でも欲しい、
と思うニンゲンがこの世界に存在する、ということだ。

絶滅してもいいから毛皮が欲しい、
という欲望は、
いったいどういう神経から来ているのだろう。

自分が直接殺戮に手を下すわけではないから、
(どう見ても、これはもの凄く頭の悪い考え方にしか思えないのだが)
とでも言うことなんだろうか。
結論は一緒なんだがな。


一方の売る方の立場にしてみたら、
むしろ数が少ないほうがより希少価値が高まり、
より高く売れる、という構造を生むことにもなる。


逆に言えば、この構造は、
需要さえなければ、起こりえないことでもある。

需要はないにこしたことはない。
たとえ少しであっても、そこに需要があることによって
そこから利益を得ようとするニンゲンは必ずいる。

現在、多くの世界で金銭のあるなしそのものが
生存の保障になってしまっている以上、
それを売れば金になる、という仕組みがあるかぎり、
その欲望を止めるのはとても難しいものだと思う。

欲望なんてものはヒトが理念でコントロールすべし、
というのは確かに理想なのだが、
理想論を現実に当てはめても必ず取りこぼしが生じる。
そうはいかないのがニンゲンというものだ。

ここはある程度システムとして構築してしまう必要がある。
毛皮を売っても、決して儲からない、というように。
毛皮売買よりも安全で楽に豊かになれる合法的な方法を保証する、
といったように。

そうすれば、少なくともいのちを殺して金に換える、という欲望の流れは
せき止めることができる。


それにしても。
他者のものであれ、「いのち」を犠牲にしても美しさが欲しい
と思う気持ちは、
背筋が凍るほど禍々しいとしか思えないけれども。

カテゴリー[ 絶滅危惧種 ], コメント[2], トラックバック[0]
登録日:2006年 03月 22日 15:27:39

コメント

禁猟にしているから絶滅の危機が起こるという説もありますが。解禁すると養殖ヒョウをするようになって、値段も下がって希少価値も減って…というのはどうですかねぇ。

自分が毛皮を欲しいことと絶滅の危機にあることを結びつけて考えれる方が少数派でしょ。

毛皮を着たいばっかりに、フロリダから冬のシカゴに行くヒトもいるしねぇ。

はっぱもの @ 2006年 03月 23日 12:03:54

コメントありがとうございます。

養殖は、生物学的にも難しいんじゃないんでしょうか。できるのだとしたら、まずは産業用よりも野生の数を増やす方で実用に入っているでしょうから。でも、ニンゲンにはそこまでの技術はない。まあ、技術で増やせればいい、という考え方もアレですが。
確かに、自分の考え方は少数派ですね。だから、こういったブログで情報発信をしたい、と思うわけで。神田うのやデビ夫人みたいな毛皮礼賛バカヤロウ共はたぶん何を言っても考え方を変えないと思います。でも、恐らくマジョリティの、野生生物のことや毛皮産業のことをよく知らない人には、可能性があるかもしれないし、伝えたいと思うんですね。で、「うわ、毛皮着てるだなんてカッチョワル~・プ(笑」みたいな感覚をマジョリティ化して毛皮の持つ価値を解体していくことが、1つの目標、なのかなぁ、と。
最後の話は初耳でした。身の回りにはその手のタイプがいないもので……そういうヒトもいるんですねぇ。

管理人(山猫通信社) @ 2006年 03月 23日 17:40:51

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