水を燃やす、というハナシ?
【8月12日 AFP】ストックホルム水協会(Stockholm International Water Institute、SIWI)が主催する会議、「世界水週間(World Water Week)」が13日、ストックホルム(Stockholm)で開幕する。
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(c)AFP/Sophie Mongalvy
少し前の写真だが、
写真で取り上げられていた「水環境とバイオエタノールの関係」に関して、
若干の補足を。
当ブログの過去記事でも取り上げているように、
7月18日 食料を燃やす、ということ http://www.actiblog.com/yamaneko/39883
ごみや糞尿、農業廃棄物や間伐材(端材)等ではなく、
わざわざ畑で栽培したものバイオ燃料として利用していこうとする場合、
当然のことだが農業用水が必要となる。
では、実際にどのくらいの水が必要なのかというと、
過去記事でも紹介したとおり、
フード・ファースト/食糧・開発政策研究所(オークランド)事務局長の
エリック・ホルト=ギメネス(Eric Holt-Gimenez)氏の紹介する試算では、
1リットルのエタノールを作る際には、3リットルから5リットルの灌漑用水が必要
13リットルもの廃水が放出される
とある。
(ル・モンド・ディプロマティーク「アグリ燃料にまつわる5つの幻想」
http://www.diplo.jp/articles07/0706-3.html より。
数字は恐らく英国の「The Ecologist」2007年5月号から引用した模様)
もちろん、何を栽培するか(栽培したものをエタノールに変えるか)によって、
水の消費量は変わるだろう。
に、しても、要は
食べ物でもないもんをわざわざ栽培することで、
農業用水の使用が増える・水の過剰摂取というマイナス面・環境影響もある
ということだ。
実際、食べるための農業ならまだしも、
車を動かすために農業を行う(水資源を潤沢に使う)ことができるほど、
今の地球には潤沢に水資源があるわけではない。
◆ ◆ ◆
ニホンで暮らしているとあまりピンとこないかもしれないが、
世界では生存に必要な水を満足に確保できないまま暮らしている人が
かなり大勢いる、ということは紛れもない事実である。
>ハイチやガンビアでは、一日あたり3リットルしか水を得られない人々さえいるのだ。一日にミネラルウォーターの大瓶1本分しか水を使えない生活を想像してみてほしい。(中略)インドでは、一般家庭で使える水はひとり一日あたりあわずか31リットルで、飲み水を得るために各世帯の収入の25%が使われる。この数字はケニアでは36リットル、ボリビアでは41リットル、そしてドミニカ共和国では48リットルである。
これは、『水をめぐる危険な話』(ジェフリー・ロスフェダー著 河出書房新社 2002年)
からの引用だが、
当然この数字の中には
洗顔や入浴、調理や食器洗いのような、飲むための水以外の利用も全て含まれる。
飲み水すら満足に確保できない人が世界中にいるというのに、
特に飲み水に困ることのない、ニホンやらアメリカ合州国やらといった国々が、
石油の代替品としてのエタノールを水を大量に消費して生産するというのは、
恐ろしく不公平なハナシだ。
と同時に、この仕組みに乗るということは、好むと好まざるとにかかわらず、
飲み水か、それとも動力か?
という、凄まじく筋の違う二択を突きつけていることと同じだと言える。
と、いうのが、写真の言う水資源とバイオエタノールとの関係だ。
でも。
◆ ◆ ◆
最初にちらちら挙げたとおり、
わざわざ栽培するのではなく元々あったものをエタノールへと転用する、という方式も、
同じくバイオ(生物由来の)エタノールである。
こちらは、農業を行うわけではないから、
その意味ではあまり水を過剰消費することなくエタノールを得ることができる。
それとこれとをごっちゃにして論ずるわけにはいかない。
てなわけで、最近のちょっとイケそうなバイオ関連記事を、以下に軽く紹介していく。
7月25日 東奥日報
県バイオ燃料推進協議会が発足
http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2007/20070725221024.asp
農林業の振興ともからめた展開。
木材(主には間伐材や端材などと推測)等の有効利用の可能性。
8月9日 毎日
バイオエタノール:稲わらを原料に 食べない素材、有効活用--農水省、実証試験へ
http://www.mainichi-msn.co.jp/science/env/news/20070809ddm008020111000c.html
食料と競合をしないエタノール生産を模索。
8月15日 東奥日報
むつ市福祉車両にバイオ燃料活用
http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2007/20070815214223.asp
地元の廃油を集めてバイオディーゼルに。まさに地産地消。
8月21日 紀伊民報
鮮やかな黄色 ヒマワリ満開(和歌山)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070821-00000000-agara-l30
休耕田の有効活用としてひまわりを栽培し、花を愛でた後、種をバイオ燃料へ。
厳密に言えば栽培モノではあるが、
休耕田の放置で土地が荒れることを考えると、
まだ水資源がなんとかなるニホンでの栽培は一律に否定しなくてもいいと思う。
8月25日 河北新報
路線バスも環境配慮 県と宮城交通 バイオ燃料車を運行
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070825-00000004-khk-l04
廃食用油をディーゼル燃料に。こちらも地産地消。
※上記の記事たちは<続きを読む>に収納。
.
<続きを読む>
7月25日 東奥日報
県バイオ燃料推進協議会が発足
http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2007/20070725221024.asp
木材などの生物資源を原料としたバイオ燃料の実用化を目指し「県バイオ燃料推進協議会」が二十五日発足した。企業や経済団体をはじめ大学、研究機関、特定非営利活動法人、金融機関、県、市町村関係者や県議ら約百八十人が会員となっており“オール青森”体制でバイオ燃料を活用した新産業創出の可能性を探っていく。
同日、青森市の青森国際ホテルで開いた設立総会では、代表幹事に新戸部満男氏(フジモーターズ会長)を選任。当面の活動方針として、国内外のバイオ燃料の現状と将来性などに関する情報の共有化を中心としつつ「セミナーなどの開催」「会員相互や研究者との交流・情報交換会の実施」「会員の提案による先進地視察や研究活動の検討」などを進めることを決めた。また、地球環境産業技術研究機構の湯川英明理事グループリーダーが講演した。
新戸部代表幹事は「バイオ燃料は資源を有効に循環させ、環境問題に寄与できるだけでなく、本県農業の振興、農家所得の向上につながる可能性を持っている。一次産業を復活させるチャンスという気持ちで取り組む」と話していた。
8月9日 毎日
バイオエタノール:稲わらを原料に 食べない素材、有効活用--農水省、実証試験へ
http://www.mainichi-msn.co.jp/science/env/news/20070809ddm008020111000c.html
農林水産省は、食料生産と競合しない形でのバイオエタノール増産を目指し、稲わらを原料に使った実証試験に着手する。08年度予算の概算要求に30億円程度を盛り込む。稲わらなど草本系セルロース(繊維質)でのバイオエタノール製造としては「世界に先駆けた試み」(環境バイオマス政策課)と位置づけている。【位川一郎】
バイオエタノール生産は、原料のほとんどがトウモロコシ、サトウキビなど植物の食べられる部分。米国やブラジルのエタノール増産で食料供給に悪影響が出始めたことから、草本系、木質系のセルロースなど食用でない原料を使う技術が注目されている。
セルロースからエタノールを作るには糖に分解しなければならないため、トウモロコシなどに比べ技術的に難しいとされる。国内ではホンダなどが微生物を使い稲わらを効率的にエタノールに変える技術を開発した。
同省の実証実験は、こうした実験レベルの成果を進め、実用化に近づける。公募などで全国数カ所をモデル地域に設定、稲わらの収集からエタノール生産、自動車での利用まで一貫した技術の確立を目指す。稲わらは飼料などとして3割程度しか利用されていないことから、エタノール原料として有効活用を図る。
2030年までに年600万キロリットルの国産バイオ燃料を生産するとした同省の目標に対しては、食料生産への影響を懸念する声もある。食料に頼らない技術を実証することで懸念を払拭(ふっしょく)し、日本型の増産構想をアピールしたい考えだ。政府の「工程表」では、大半を稲わらなど新しい原料でまかなうとしている。
毎日新聞 2007年8月9日 東京朝刊
8月15日 東奥日報
むつ市福祉車両にバイオ燃料活用
http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2007/20070815214223.asp
むつ市は十五日、市社会福祉協議会が管理する市所有の外出支援サービス用福祉車両で、使用済み食用油を再生したバイオディーゼル燃料(BDF)の活用を始めた。燃料は、同市の知的障害者授産施設(通所)工房「歩み」が事業の一環で精製・販売している。BDF導入は、授産施設利用者の作業工賃引き上げにつなげる狙いもある。
BDFは植物油をメタノールと反応させて作る液体燃料で、黒煙の発生が少なく、二酸化炭素排出量を削減できるなどとして注目が高まっている。同協議会によると、公用車でのBDF導入は県内の市では八戸に次いで二例目という。
同施設では二年前から、市内のホテルや食堂、小中学校の学校給食用などから月約二千リットルの廃油を買い取り、ほぼ同じ量のBDFを精製・販売。同施設の送迎バスや職員の自家用車などに主に活用してきた。
市役所前で行った給油式では、宮下順一郎市長が「施設を利用する皆さんの工賃が上がるだけでなく、社会的なつながりができる点でも意義深い。今後も行政として進めていきたい」とあいさつ。同協議会職員がポリタンクから燃料を給油し、エンジンを始動した。
BDFの販売価格は一リットル当たり八十五円で、軽油の市販価格より四十円近く割安。燃費は軽油とほぼ変わらないという。一方で、排ガスの天ぷら臭や、冬は固まりやすくなり活用しにくいなどのネックもある。
協議会では、導入の効果などを確かめながら、今後BDF導入車を増やしていきたい考えだ。
8月21日 紀伊民報 (yahoo! 経由)
鮮やかな黄色 ヒマワリ満開(和歌山)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070821-00000000-agara-l30
田辺市稲成町の休耕田(20アール)でヒマワリが満開となっている。夏の日差しを浴び、鮮やかな黄色の花を咲かせている。
NPO法人「絆(きずな)」(倉谷修治理事長)が、休耕田の有効利用を考え、6月にボランティアらと苗を植えたり種をまいたりした。
ヒマワリの種類は、バイオ燃料の原料になるハイブリッドサンフラワー。枯れたヒマワリは種が成熟するまで置き、その後油を搾るという。
大きいもので高さ約1メートル。2週間ほど前から咲き始め、熱心に写真を撮る人もいるという。見ごろは8月末まで。
倉谷理事長は「来年は肥料をやって、もっとたくさんの花を咲かせたい。子どもの教育や住民の交流の場として地域に根付けば」と話している。
8月25日 河北新報 (yahoo! 経由)
路線バスも環境配慮 県と宮城交通 バイオ燃料車を運行
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070825-00000004-khk-l04
廃食用油から精製されたバイオディーゼル燃料(BDF)を使用する宮城交通路線バスの出発式が24日、県庁で行われた。県が3カ月分の広告費と燃料費計210万円を負担して運行が実現した。
車両は87人乗りで、車体には「BDFは地球に優しい燃料です」と記された。車内には環境に配慮した行動を呼び掛けるポスターも掲示されている。
JR長町駅前発日本平行きや、ライフタウン名取発県庁市役所前行きなど、計七路線で、11月30日まで運行される。民間の路線バスにBDFを使用するのは県内で初めて。
使用されるBDFは、名取市の産廃処理会社オイルプラントナトリ(武田洋一社長)が精製。県内で回収した廃食用油を使用している。
村井嘉浩知事は「バスの乗り心地を体験してもらうことで、多くの県民がBDFへの理解を深めてほしい」と述べた。
県内では登米市が、BDFを使った市民バスを運行している。
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登録日:2007年 08月 25日 21:40:51
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