ミスリードを誘う見出し

クマが木で背中をこするのは「痒い」からではなく「怖い」から?

【9月6日 AFP】ハイイログマ(grizzly bear、グリズリー)が自分の背中を松の木の幹にこすりつけるという習性は、一般によく知られている。
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(c)AFP

AFPBB News


なんでこう擬人化したがるんだろ、AFPの見出しは。
つか、言葉遊びの延長で
「痒い」と「怖い」を対比して出したかっただけ、
のような気もするが。

これは、マーキングの意味をどう捉えるか、というのがカギを握りそうだ。

ご存じの通り、マーキングとは、匂いや印し付けなどによる縄張りの主張で、
空間ごとに対応している場合もあれば、
時間差で同じ空間を使い分けるような場合もある。
(グリズリーのような大型の生きものの場合、
同じ縄張りを時間で使い分けるのは無理だろうから、
これは前者に当たると思う)

マーキングの方法としては、
糞尿によるものがイメージしやすいだろう。ほかにも、
ツキノワグマなどがよくやるような、木の皮を剥ぐといった印し付けもある。
よく知られているように、
犬の散歩中のトイレやイエネコが家具に馴染みを入れるのも
マーキングの一種だ。

で、どうして多くの動物たちがマーキングをするのか、という理由については、
餌場の確保(主張)や、
写真説明にもある伴侶探し云々などが考えられている。
マーキングが行われることで、無駄な争いをすることなく、
それらの行為を比較的円滑に行うことができる、というわけだ。

その意味では、この写真の説明文書は決して捏造ではないと思うのだが、
争いの回避を「怖い」と簡単に表現してしまうところが、
なんというか、擬人化が過ぎるというか、
明らかにニンゲンの価値観を気軽に投影し過ぎていて、
クマが本来持っているであろう意向を見えなくしている。

本文を見る限りでは、
恐怖心から争いを回避したいのか、
闘争そのものにかかる(体力消耗などの)エネルギーコストを減らしたいから
なのか、というの部分については
発表元の科学者たちは特に何も言っていないように読める。
ここ、取材したカメラなりジャーナリストなりの筆が滑ったとしか思えない。

だいたい、
野生生物の心理を分析して「恐怖心」を科学的に証明できたのだとしたら、
その方がすっごい大発見なわけで。
(ここが「恐い」ではなく「面倒くさいなぁ」であったとしても、一緒)

諺にも「君子危うきに近寄らず」とある通り、
ヒトでもヒト以外でも、無駄な争いを避けるのは
恐怖心云々以前の話だと思うのだが。

.

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登録日:2007年 09月 07日 14:34:47

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◆トラックバック、どうも故障中の模様(早く直してくれAFP)。
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