「麺がないなら米を食べればいいじゃない」とマリーは言った(←違

バイオ燃料の需要増で食品価格が値上がり

【9月14日 AFP】バイオエタノールをはじめとするバイオ燃料は、地球温暖化対策の一環として日本国内でも需要が増えつつある。
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(c)AFP/Kyoko Hasegawa

AFPBB News


去年の今頃は
どのメディアも、バイオエタノールを持ち上げる記事ばかりだったんだがな。

さて、ここで考えたいのは単純なことで、
一つは、
 「バイオエタノールだから」ということだけで、
 良い、悪いの二者択一に走るな、
ということ。

そしてもう一つは、
 化石燃料の代替品を探す以前に、
 その消費を抑える努力をどこまでやっとるんかいな?
ということの検証が抜けている、ということ。

それに加えて、マリーが言ったこと(←嘘)、の話も若干展開しつつ。


◆ ◆ ◆

今あるバイオエタノール、その主流となってしまっているのは
トウモロコシやアブラヤシ、サトウキビや大豆等など、
本来であれば食べものであるはずの農作物だが、
バイオエタノールの原料は何も食料になるものだけではない。

ちょっと前まで、というか、
この10年くらいを見てみると、
ニホン国内で(石油の代替品としての)バイオ燃料の開発を、という場合、
その材料は、
増えすぎて困っている間伐材であるとか、
捨てるしかない使用後の食用油、
休耕田を活用してのナタネ、などが対象だった。

今でも、この流れはある。
当ブログでも過去記事で散々取り上げてきたとおり。

最近のものでは、これとかも。
 9月11日 河北新報
 負の跡地一面菜の花に 秋田県立大がバイオ燃料製造実験
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070911-00000008-khk-l05


◆ ◆ ◆

その一方で、
この1、2年でトウモロコシやサトウキビ、アブラヤシや大豆などを
バイオエタノールとすることが、急激に盛り上がってきた。

どうして急にこういった流れができ上がったのか。
本当に、温暖化対策が目的でできた流れなのか。
実は、別に何か目的があるのではないか。

こうした疑問が浮かんだ場合、
そこで誰が得をしたかということを見ていくと、分かりやすい。

たとえば、こんな調子だ。
 6月29日 日経
 米モンサントの3―5月期、トウモロコシ好調で71%増益
 http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20070629AT2N2800829062007.html
ここで、
>エタノール用のトウモロコシ種子の需要が拡大し、売り上げ増につながった
とあるが、モンサント社も、その株に張った連中も、しこたま儲けたことだろう。

ちなみに、
モンサント社(種苗・農薬会社である)がトウモロコシの種を農家に売る場合は、
農薬もセットであるとか、その上何年間かの継続の義務だとか、
つまりは一度契約してしまえば、もう何年間もモンサント儲けっぱなし、
のレールを敷くことが可能な仕組みを組んでいる。

トウモロコシについでは、こうやってレールを敷いてしまったので、
今さらエタノールがダメとか言われても、もうしばらくは嫌でも儲けることが可能だ。
たとえ赤字に転落したとしても、その分は農家がかぶってくれる。


で。
コトはトウモロコシだけなのかどうか。

たとえばアブラヤシだが、
世界的に需要がだぶつき始めた頃に、
アブラヤシのエタノール化の話が始まったように
記憶している。
なんか、上手くプロモーションかけてね?
とでもいうのが、ウォッチングをしていての印象だ。
大豆についても、似たような感触を持っている。

とにかく、いまや「温暖化対策」は錦の御旗といったところ。
この口実があれば、何かと話が通りやすい。
融資なども、さぞ受けやすいことだろう。


◆ ◆ ◆

バイオエタノールは何も食料になるものだけが原料なのではないこと、
その儲けについてはグローバル企業が一枚噛んでいることなどを考えた場合、
 カップヌードルが値上げ? 許せん!
だけでバイオエタノールを叩くのは、正直、間抜けにしか見えない。
(便乗の可能性についても、裏を取っているのかどうかはナゾだし)


ちなみに、よく知られているように、
ニホンの食料自給率はカロリーベースでほぼ40%。
(金額ベースでは70%)※1
つまり
ニホンの人びとが食べているもの、その消費カロリーの6割は輸入食料だ。

だが幸いにも、米だけは自給率100%以上を誇る。
ありがたや。

カップヌードルの値上げを嘆くのであれば、
その分、米を食べれば良いだけの話だ。

これが高じて米不足になる、というような心配は(ほとんど)しなくてもいい。
こうやって米の消費量が上向きになってくれれば、
無駄な休耕田が田んぼとして甦ることにもなる。
水田が増えれば、その分国内の水環境や土壌環境も改善されるから、
エコ的に見てもおすすめだ。

加えて海外から食料を輸送してくる分の無駄なエネルギーも節約できるから、
確実に温室効果ガスの排出抑制につながる。

ま、これはかなり単純化した話だが、こういう構造を構築することも可能だ。

ちなみに。
食の総合雑誌『うかたま』(季刊・農文協 発行)最新号に、
総務庁のデータとして出ていたのが、
ニホンの家庭が1年間に払うお菓子代は米の代金の2倍、という数字。
お菓子:75,463円/年
お 米:30,967円/年
(年度は恐らく2005年か06年の数字と推測)

そうしたお金の使い方(あくまでも傾向で、個人差はあるはず)を考えると、
 パンがなければお菓子を食べればいい、
を地で行うことができるヒトがほとんどなんだな、この国は、と。

もちろん、
トウモロコシが主食の国の人、
食うや食わずや、本当にカツカツで苦しんでいる国の人びとにとっては、
文字通り、
 食料かそれとも燃料か、
という二者択一を突きつけていることは確かな話なので、
その観点からの食料をエタノールにする話への批判は充分に意味があると思う。

その際には、上の数字のことを、どこか念頭に置いて喋ったり考えたりするのが
いいような気がする。


◆ ◆ ◆ 

それにしても、代替燃料の話が散々出てくるが、
肝心の燃料の消費の削減(全体の)については、
どの程度お話が進んでいるんざんすかね? ※2


※1:つまり、国内で食料を生産するよりも輸入してくる方が安い、ということがズバリ分かるのが、この数字なわけだ。

※2:頑張ってバイオエタノールこさえるよりも、燃費のいい車にするとか、車そのものをやめて自転車や公共交通を使うとかした方が、結果的に温暖化防止になるんじゃね? というような展開のハナシ。これはまた今度、別の機会に。

※3:新聞報道などは<続きを読む>に収納。

※4:当ブログの、関係する過去記事など
2006年8月2日 「エコ」的イメージに ご用心
 http://www.actiblog.com/yamaneko/12111
     9月25日 植物性なら問題なし?
 http://www.actiblog.com/yamaneko/16268
    11月13日 バイオ燃料だけでエコになれる、わけではない
 http://www.actiblog.com/yamaneko/20236
2007年2月13日 オランウータンが絶滅しても、わたしは二酸化炭素の排出量を減らしたいんです
 http://www.actiblog.com/yamaneko/29404
     2月25日 バイオといってもピンきりだ
 http://www.actiblog.com/yamaneko/30609
     4月28日 ビールだけで済む問題か?
 http://www.actiblog.com/yamaneko/34415
     7月18日 食料を燃やす、ということ
 http://www.actiblog.com/yamaneko/39883
     8月25日 水を燃やす、というハナシ?
 http://www.actiblog.com/yamaneko/42605
.

報道記事などはこちら。

6月29日 日経
米モンサントの3―5月期、トウモロコシ好調で71%増益
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20070629AT2N2800829062007.html
 【ニューヨーク=伴百江】米種子・農薬大手モンサントが28日発表した3―5月期決算は純利益が前年同期比71%増の5億7000万ドル、売上高は同23%増の28億4200万ドルと、大幅な増収増益だった。1株利益は1.03ドル(前年同期は0.60ドル)。エタノール用のトウモロコシ種子の需要が拡大し、売り上げ増につながった。(10:40)

9月11日 河北新報
負の跡地一面菜の花に 秋田県立大がバイオ燃料製造実験
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070911-00000008-khk-l05
  大王製紙(愛媛県)が工場進出を断念し、空き地となっている秋田港の県有地(秋田市)で、秋田県立大が15日、大規模な菜の花の栽培実験に乗り出す。潮風が強い「限界地」での栽培可能性を探り、バイオエネルギー普及の拠点も目指す。進出断念をめぐり同社と訴訟にまで発展し、負の遺産とも言うべき土地で、「逆境」を乗り越えて黄色の花を咲かせられるか。壮大なチャレンジが始まる。
 菜の花畑となるのは、大王製紙が工場進出を予定した用地の一部約10ヘクタール。サッカーグラウンドが10面とれる広さで、利用方法が決まらず荒れ地になっている。寺田典城知事が10日、県立大に使用許可を出した。
 県立大によると、土地は砂地でアルカリ性。日本海からの潮風が直接当たり、塩害も懸念され、菜の花栽培には必ずしも適さない環境だという。
 実験ではそこへ種をまき、限界条件での栽培可能性を検証し、研究に役立てる。15日は「都市の近くで菜種をまく会」を開き、関係者が一般県民と種をまく。
 開花までは、ホームページ(HP)などで生育状況を公開。来年の初夏に開花すれば、県内の経営者や農家らでつくる「秋田菜の花ネットワーク」と連携し、各種イベントを開く予定だ。
 秋田県内では、菜の花を植えて菜種油を生産し、廃食用油からバイオディーゼル燃料(BDF)を製造する循環型社会形成の動きが活発化している。県も本年度、「菜の花バイオエネルギーチーム」を発足させた。
 菜の花畑はこうした活動の拠点にする計画で、種まきの参加者が菜の花のオーナーとなって自分たちで菜種の収穫と搾油を行い、使った菜種油をBDFにする構想も練られている。
 県立大菜の花研究プロジェクト代表の佐藤了教授は「菜の花から循環型社会をつくろうと、県民に強烈なメッセージを発信するため、あえて大王製紙の予定地跡を実験場に選んだ。暗いイメージが一新され、地球環境を重視する県の姿勢のアピールにもなる」と話している。

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登録日:2007年 09月 15日 13:37:08

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◆環境カウンセラー兼フリーランスのライター・編集業の「山猫通信社」については、上のHPをぽちっとどうぞ。ブログをみてのご連絡は、sorano_ki@yahoo.co.jpへ。
◆屋号の「山猫」は宮沢賢治から。大阪に長くいたので時々関西弁が混ざることあり。
◆07年3月、ブログタイトルを一部変更。今後も、カメだけでなく、ワニやラクダやトカゲからも いろいろと学べるもんだろうと思いつつ、のてのてと更新中。
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