カメのためにできること
アカウミガメ 繁殖なるか オス37歳、メス41歳 - ドイツ
【シュトラルズンド/ドイツ 10日 AFP】8日、北東部のシュトラルズンド(Stralsund)にある海洋博物館でアカウミガメの交尾が確認された。オスが37歳、メスが41歳で、オスはポーランド北部グディニア(Gdynia)の水族館からシュトラルズンドにやってきた。写真は交尾の様子。(c)AFP/JENS KOEHLER
昔乗っていた自転車(MTB)を「亀号」と呼んでいた。
10年びっちり、本当にみっちり乗って、乗り潰した。
(ちなみに今のMTBは「駱駝号」と命名)
結構、好きなんだよな、カメ。ピースフルで。
.
.
◆カメ カメ カメ~!!◆
アカウミガメは、ニホン的には比較的おなじみのウミガメだ。
これをお読みの方の中には、
アカウミガメの産卵地の近くに住んでいる(羨ましいっす、
マジ)
人もおられるだろう。
鹿児島や徳島、静岡など太平洋沿岸のきれいな砂浜で、
アカウミガメは産卵する。
実はアカウミガメの産卵の北限は、ニホンの福島県。
しかも、ニホンは北太平洋唯一の産卵地でもある。
その意味では、生物学的にも貴重、かつ親しみのもてる
生きものだ。
アカウミガメのガタイは、でかい。
なみの成獣で
甲羅の長さが70センチ~1メートル、
重さは100キログラムくらいと言われるが、
大きい個体ともなると130センチ、180キログラム程度にまでなる。
ちなみに同じウミガメでも、アオウミガメの北限はもっと南。
小笠原諸島や屋久島、沖縄諸島等の暖かい海の浜でないと
産卵ができない。
アカウミガメとアオウミガメの違いは名前だけでなく、
食べるものも違う。
非常に大雑把に分類すれば、
アカウミガメは肉食系で、アオウミガメは菜食主義者、
ということになる。
アカウミガメをはじめ、ウミガメは基本的には
魚介やクラゲなど肉食系の食生活なのだが、
アオウミガメだけは海草類を主食とする。
なお、地球上にいるウミガメは2科6属7種1亜種。
まあ大雑把に7種類のウミガメがいる、と覚えておけば大丈夫。
で、
そのすべてがIUCNのレッドリストに記載されている。
当然、ほとんどのウミガメが
ワシントン条約で捕獲を禁止されている。
◆成獣になれる確率はわずか5000分の1◆
交尾の写真の後は、その後に続く産卵の話を。
基本的に、カメは卵は多く産むが、
それらがきちんと成獣にまで育つ確率は
実は非常に低い。
以下はアオウミガメの数字だが、
1回の産卵で産む卵は約100個。
だが、そのなかで子孫を残せるまで成長できるものは
5000分の一の確率だとも言われている。
多くは、成長の過程でその生命を終える。
この確率の低さに、さらにその他の阻害要因が重なると、
なかなか大変なことになる。
実際、数を減らしているからこそ、
こうした水族館での繁殖にも期待がされる、というわけだ。
◆今回は「具体的にできること」をしっかりと推奨◆
どうして減ってしまっているのか。その訳は、
ことウミガメに関しては、捕獲関連の問題よりも、
海洋汚染の問題と
漁業の網にひっかかるといった物理的要因が意外と大きい。
だから、管理人のようなそこいらへんの庶民が
カメのためにできること、というと
意外と地味だが、
「ごみはごみ箱へ」
ということがまず一番大切、なのかもしれない。
この、ごみはごみ箱へ、は決して冗談ではなく。
海辺で遊んでいる時などにポリ袋が風で飛ばされて、
というような場面を経験する人も多いだろうが、
ウミガメはあのポリ袋を餌のクラゲと間違えて食べてしまう。
研究者たちによると、
ウミガメの死体を解剖すると
その胃袋からポリ袋が大量に出てきた、ということが
実際に多数あるという。
ポリ袋は別に海沿いの地域だけが回収しそこなうわけではない。
地球上の多くの川は海へと繋がっているように、
山奥のごみ袋が知らんうちに、
それこそ何ヵ月もかけて海へと流れ出る、ということも
決して珍しいケースではない。
◆子ガメにとっては光も問題◆
ごみということでいえば、
砂浜での花火なども、あまり感心できない。
焼け落ちた小さな小さなごみまできちんと拾えるならばまあ、
強くは止めないが。
それでも、産卵の時期と重なった場合、
花火の光が母カメの産卵を躊躇させたり、
卵から孵った子ガメが明かりの方向に間違って誘導され
海にたどり着けなくなる可能性もある。
孵った直後の子ガメは直後から海へと向かう。
時間帯は、夜だ。
子ガメは夜が明けないうちに海へと入らないと、何かと危ない。
だから、一刻も早く、とばかりに海を目指す。
その際、子ガメは月明かりに照らされる海を目標にする。
なんせ何億年間も、夜に光るのは月光に照り返す波だけ
だったのだから。
なので、海の近くに海面以外の明るい物があることは、
子ガメにとっては非常に危ないことにもなる。
でもまあ、やはり花火はごみ問題との兼ね合いで考えた方が
現実的かもしれないが。
◆砂の轍は死の壁になる◆
もうひとつ、産卵地独自の困った行動として、
砂浜への車の乗り入れがある。
これは、ヒトが思っている以上に
カメにとってはやっかいな問題となっている。
車が入ることで砂浜が汚されるほか、
砂浜に残る車の轍は、
生まれたばかりの小さな小ガメにとっては物理的な壁となる。
壁を越えられぬまま、その命を落とすことにもなりかねない。
手の平よりもずっと小さい子ガメが
砂に残った深い轍の壁をよじ登るのは、相当に無理があることを
想像されたし。
さらに、
砂浜そのものの減少や汚れの増加なども問題になっている。
開発計画なども、ウミガメにとっては大きな阻害要因になる。
そうしたニンゲン側の都合に目を光らせることも、大切だ。
開発のような大きな都合だけではなく、
海沿いの道のパチンコ屋の建設、みたいな話も、
先の子ガメの行動の阻害要因となることを
充分に考えてほしいもの。
◆NGO・NPOや研究者の努力を支えるのも1つの方法◆
アカウミガメの場合、
ニホンの沿岸で産卵するということもあり、
保護活動も各地で熱心な例も多い。
そうした活動に取り組むグループを支援したり、
教えを請うというのも大いに意義深いこと。
地域で地道に活動をしている団体の姿勢には、
その姿勢も含めて学ぶべきことは多い。
延岡市の観光協会のカメのページ
http://www15.ocn.ne.jp/~nobekan/crea/kame/kame.html
(観光協会が、というところが頭の下がるところ)
サンクチュアリ・ジャパンのホームページ
http://www.tcp-ip.or.jp/~sanc-jp/index.html
小さい手リトルハンド倶楽部=Little Hand Clubのサイト
http://www1.ocn.ne.jp/~naoki77/MyPage/menu0.html
このほか、ウミガメで検索すると
地道な取り組みをしているグループを
かなりの数見つけることができる。
近かったり何か手伝えそうだったりウマが合いそうだったり
するところを見つけてみるのも、
カメのためにできること、かもしれない。
カテゴリー[ 絶滅危惧種 ], コメント[3], トラックバック[1]
登録日:2006年 03月 30日 13:55:47
コメント
この件について、追加のニュースを確認。
共同通信の配信によると、太平洋のアカウミガメが、日本などでの産卵上陸が激減し、危機が高まっているとのこと。ニュースソースは国際自然保護連合(IUCN)より。
産卵上陸の減少の程度だが、過去25年間で90%以上(ニホンだけではなくトータルで)の減少というから恐ろしい。日本の場合、テトラポットなど護岸工事等に基づく砂浜の減少が響いているものと分析されている。
共同の記事(4月7日)はこちら
http://news.goo.ne.jp/news/kyodo/shakai/20060407/20060407a4570.html
読売の記事(4月8日)も
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060407-00000515-yom-soci
ちなみに、情報源となったIUCNの日本委員会のサイト
http://www.iucn.jp/
ではまだ記事のアップがない模様(4月9日22:00現在)。
但し淡水カメについての最新記事があるので、
カメ好きはそちらもチェックされたし。
管理人(山猫通信社) @ 2006年 04月 09日 22:13:40
ちなみにいい追加情報も。
3月31日付の共同通信によると、愛知県豊橋市がアカウミガメのために、砂浜に設置した消波ブロックの撤去を決定。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060331-00000007-kyodo-soci
上陸が本格化する5月までに作業を終える予定であること、600万の予算を組んでいることなどから、それなりに評価できそうだ。海岸100メートル分、というのはちと短い気もするが。
豊橋市の行政ホームページではこの件についての記載はないが、アカウミガメについて詳細なデータを取っているのを公開している。
http://www.city.toyohashi.aichi.jp/kankyo/umigame.html
この点については大いに評価。エライ。
管理人(山猫通信社) @ 2006年 04月 09日 22:55:06
更に追加の情報。こちらは悲しいニュース。
死亡した子どものアカウミガメの胃から、ストローが出てきたとのこと。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060423-00000045-mai-soci
(2006.04.23毎日新聞の記事を伝えるヤフーのサイトより)
このストローが胃に突き刺さったことが原因で死亡したほか、胃の中はポリ袋などの漂流ごみでいっぱいだった様子。オトナのカメならなんとかなったようだが、子ガメには致命傷となった、とのこと。
上の本記事でも言ったように、解決にはごみ問題が基本的な問題への道筋へとなることを改めて痛感。漂流ごみの問題も含めて、だ。
管理人(山猫通信社) @ 2006年 04月 24日 20:01:02
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date:2006年 03月 31日 18:30:59
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◆屋号の「山猫」は宮沢賢治から。大阪に長くいたので時々関西弁が混ざることあり。
◆07年3月、ブログタイトルを一部変更。今後も、カメだけでなく、ワニやラクダやトカゲからも いろいろと学べるもんだろうと思いつつ、のてのてと更新中。
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