えらく情報の足りないものを持ち出して、何が言いたいのやら
【10月21日 AFP】収穫期の終わったエジプトでは、来年の種まき期にそなえて畑の野焼きが行われているが、この行為がエジプトにおける環境汚染の原因の1つと考えられている。(c)AFP
なんかツッコミどころが満載なので、軽く取り上げてみる。
まず、野焼きがどう環境に悪い(説明内では「環境汚染」)のか、
という解説がすっぽり抜けているのはどうしてなんだろう。
温暖化促進なのか、煙の汚染・煙害なのか、ダイオキシン類みたいな
毒物の発生なのか。
汚染というからには煙害関係か毒物関係だと思うのだが、
どのように環境に悪いのか、漠然としすぎてて、
記事としては非常に焦点のボケたものとなってしまっている。
ニホンの野焼きが法律で規制されているのは、
ダイオキシン類という毒物を発生させるからであって、
(煙害もあるけれども)
それと同じことがここでも起きているのかどうか、
これだけでは全くわからない。
野焼きをしている人びとは
肥料にするためというような感じで農業生産の一環で行っている模様。
だとすれば
野焼きを止めても生産性を維持するための代替案を提案できないこともまた
問題だろう。
◆ ◆ ◆
「汚染」とはやや異なる概念なので的外れかもしれないが、
野焼きが温暖化の促進になっている、という可能性はどうか。
で、温暖化促進というレベルであれば、
相当な広範囲の野焼きがなされていないといけないが、
そういう状況にあるのかないのかもこの写真と説明文だけでは不明。
すまん。やはり、考えるには判断材料が足りなすぎる。
◆ ◆ ◆
検証する上でもうひとつ大切な点が、
この野焼きの習慣がいつごろから始まったのか、ということ。
過去数百年、数千年のオーダーで行われていたことだとすれば、
ここ数年、数十年で急に「悪いこと」になるというのもおかしな話。※
逆に、たとえばナイル川にダムをこさえたことで農業生産性が落ちた、
その代替案としての野焼きが始まったということであれば、
多少はうなずけるのだが、
そういう情報もないので、
野焼きが悪いのかどうか、これだけではやっぱり判断材料が足りなすぎる。
一つ考えられるのは、
人口が急に増えたことで、これまで小規模なら問題のなかった野焼きが
結果的に環境破壊となってしまった、というようなパターン。
けれどもそうした掘り下げやツッコミも皆無だから、
やっぱり結論は同じで、判断は保留するしかない。
野焼きという行為が悪いのか、それともその規模の問題なのか、
という点はとても重要な情報だ。
行為の質といったことのほかに、時間軸と規模、その両方を検証することは、
どんな問題にせよ問題点を明確にするためには不可欠なことだと思うのだが。
◆ ◆ ◆
それから、
>この行為がエジプトにおける環境汚染の原因の1つと考えられている。
考えている、そう見なしている、その主体は誰か。
学術研究者たち、あるいはその問題の専門家なのか。
それともエジプト政府なのか。
国内の者か、あるいは外国の者たちなのか。
つまりは、
誰が、どういう意図でこういう話を展開しているのか
というハナシ。
これもまた、よくわからない点。
誰が、がはっきりすれば、
もっと大きな問題から目をそらすために野焼きを口実にしている可能性はないのか、
といったあたりのこともぐっとはっきりする。
実は個人的に、そこが一番気になっている。
記事にする前に、そこんところきちんと裏づけを取ってほしかったんだが。
※:マレーシアやインドネシアで焼畑(野焼きではない)による環境破壊が言われるが、これも状況と人による。たとえば先住民族が行っている焼畑は5千年前に歴史が遡れるもので、つまりは5千年間は環境破壊ではない焼畑だった(現地の自然の摂理に則している)ということが、既に学術的に証明されている。問題なのは、そうした自然の摂理をよく知らない、移住者たちが行う焼畑であったり、あるいは企業が広い土地を確保するために(アブラヤシ等のプランテーション造成のため)行う焼畑。これは、歴史的には新規の行為であること、また規模が大きいこと、という2つの相違点があることに注目。
.
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登録日:2007年 10月 23日 01:07:18
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