森を潰して油をつくる、というハナシ

代替自動車燃料、一部はガソリンより環境を汚染、米環境団体報告

【11月14日 AFP】米非営利環境団体「憂慮する科学者連盟(Union of Concerned ScientistsUCS)」は13日、石炭液化油など一部の代替自動車燃料は、ガソリンやディーゼル油より有害な温室効果ガスを多く排出する可能性があるとの研究結果を発表した。
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(c)AFP

AFPBB News


代替よりも排出削減を、というのは当ブログで何度か繰り返してきている通り。
たとえばこれとか。
 http://www.actiblog.com/yamaneko/44196
またはこれとか。
 http://www.actiblog.com/yamaneko/39883
それとかこれも。
 http://www.actiblog.com/yamaneko/34421
はたまた、つい最近のこれとか。
 http://www.actiblog.com/yamaneko/49710

当該の写真で触れられているのは
主にトウモロコシ由来のバイオエタノールについてだが、
じゃあ他のものはどうか。

見た人も多いかもしれないが、
12月1日の毎日新聞で
<インドネシア>代替燃料製造で熱帯雨林の破壊進む
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071201-00000072-mai-int
とあるように、
トウモロコシ以外でも、
アブラヤシであってもこの通り問題を引き起こしている。

特に、ニホンに暮らすわたしたちにしてみれば、
遠く南米のトウモロコシよりも
近くの東南アジアのアブラヤシの方が
輸入対象としてはかなり現実的だろう。
投資しているニホンの企業もいるかもしれない。

さらに、
ニホン政府などは、バイオ燃料の一部に関して
無税化をする予定であるようだし。
12月5日 時事通信
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071204-00000223-jij-pol

きっと、インドネシアや、あるいはその隣国のマレーシアからも、
たくさんのアブラヤシ由来のバイオ燃料が輸入されるようになると見て
まず間違いないだろう。


◆ ◆ ◆

このバイオ燃料の原料となっているアブラヤシは、
別に燃料のためだけではなく、
食品から乳製品の代わりから化粧品から洗剤まで、
ありとあらゆる「油」として使われてきている。
ニホンだけではなく、他のアジア諸国や欧州でも
大量に使われていると聞く。

このアブラヤシを作るための植林、
いわゆるアブラヤシプランテーションが環境破壊を招いている
として指摘があったのは随分と前からのことで、
決してここ最近のバイオ燃料がらみのことだけが主要な原因というわけでは
ない。

ニホンでこの問題に熱心に取り組んでいる環境NGOもあり、
そうした団体などは既に90年代の初頭にはこの問題を取り上げて
鋭く提起してきていた。 ※


ニホンだと、どうしても植林のイメージが良すぎること、
また決定的なことに
これらの油の需要が幅広すぎ、かつ多すぎることなどから、
なかなかプランテーション化を止められないというのも事実である。

ことにこのインドネシアやマレーシアといった、
プランテーションがバンバン造られるような国は、
国のシステムとして、いわゆる民主主義的なものが機能しておらず、
為政者やプランテーションで儲けたいと願う企業等の資本家が
いいように土地を搾取しやすい構造がまかり通っている。
ニホン的な反対運動や不買運動は実施すら叶わず、
それに近いことを実行した場合、文字通りの「弾圧」の憂き目にあう。


◆ ◆ ◆

さて。
そうした背景を辿っていくと、
 化石燃料がダメだった
 →トウモロコシでいこう→トウモロコシがダメだった
  →アブラヤシでいこう→アブラヤシがダメだった
   →●●●でいこう→●●●がダメだった
    →……
この構図を延々と繰り返していくのか? それでいいのか? 
というハナシのように思えてくる。

車用のバイオエタノールを頭から外して考えれば、
たとえば地域の不要な食用廃油を使ったり、ごみ発電をしたり、
間伐材を有効活用したり、休耕田の菜種油を使ったりと、
地域密着で行う分にはバイオ(生物由来)のエネルギー源は
かなり有効な点が多い。

農作物と同じく、地産地消の発想を持って行えばとても優れたものとなる。
その潜在的能力は、高い。

太陽光などのように、災害時のライフラインとしても安全性が高いし
メンテナンスがしやすいというのも利点としてある。


かたやアブラヤシや、はたまたトウモロコシのように
 遠方で生産して持ってくる、大量に消費し続ける、
という今までの図式をいつまでもガチガチに維持していくとなると、
上に挙げたような矢印つきの構図が延々と繰り返されていく。

それって、なんだかものすごく頭の悪いことのような気がするんだが。
確かに、それで儲かるヒトもいるんだろうけどね。


※:前とあまり代わり映えはしないが、この問題に取り組んでいるNGOのサイトアドレスを貼り付けておく。
・熱帯林行動ネットワーク
http://www.jatan.org/
・サラワクキャンペーン委員会
http://www.kiwi-us.com/~scc/
昔の記事でも充分参考になる。それから、こちらも。
・FoE Japanの、アブラヤシの燃料に関しての当該のページ
http://www.foejapan.org/forest/doc/070208.html
とその背景情報(PDFファイル) http://www.foejapan.org/forest/doc/doc_recmndbiofuel.pdf

あと、毎日の記事は<続きを読む>へ。

.

<続きを読む>

12月1日 毎日(yahoo! 経由)
<インドネシア>代替燃料製造で熱帯雨林の破壊進む
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071201-00000072-mai-int
 インドネシア・バリ島で気候変動枠組み条約第13回締約国会議(COP13)が3日、開幕する。アジア最大の熱帯雨林を誇るインドネシアでは、軽油の代替燃料としてバイオディーゼルの需要が伸びる中、原料(パーム油)となるアブラヤシの栽培が急拡大している。だが、大規模農場開発は熱帯雨林の破壊だけでなく、地中に蓄えられた温室効果ガスの大量放出を招き、逆に環境に大きな負荷を与えている。【クアラチナク(インドネシア・リアウ州)で井田純】
 スマトラ島中部のリアウ州クアラチナク。州都プカンバルから車で約300キロ走り、さらにボートで川を約1時間さかのぼると、見渡す限り黒く焦げた大地が広がっていた。切り株のまま炭化した木々が墓標のように立つ。その中で植えられて間もないアブラヤシの苗木が風にそよいでいた。
 「ここのような泥炭層は多量の炭素を蓄えている。それが、伐採による破壊で大気中に放出されてしまった」。森林保護活動を続ける地元NGO(非政府組織)のウィディさんは話す。
 国際湿地保全連合の昨年の報告書によると、植物が湿地などに堆積(たいせき)してできた泥炭層には、地球全体で二酸化炭素2兆トン分の炭素が蓄えられている。インドネシアでは森林伐採による泥炭層破壊で年間約20億トンの温室効果ガスが放出される。同国の排出量は化石燃料使用量だけなら世界20位前後だが、泥炭層からの放出分も含めれば米国と中国に次いで3位となる。
 アブラヤシ栽培のため、開発業者は熱帯林からラワンなど有用な木を伐採し、泥炭層の水を排出するため水路を掘る。水に浸っていた泥炭層の成分が酸素に触れて分解されることで、メタンや二酸化炭素などの温室効果ガスが放出される仕組みだ。アブラヤシ栽培の障害となる草木を焼き払う際、泥炭層も燃え、さらに二酸化炭素が出る。
 主に食用油や洗剤などに使われてきたパーム油は、バイオディーゼルの原料として需要が急増。価格は今年に入り約5割上がった。アブラヤシ農園は約607万ヘクタール(06年)と5年間で2割も増えた。昨年の生産量はマレーシアに次いで2位となった。カラ副大統領は「今年は1位になる」と増産を進める。
 環境団体関係者は「パーム油の輸入制限など何らかの措置を取らなければ森林破壊は続く」と指摘し、COP13での論議に期待を寄せている。
最終更新:12月1日19時8分

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登録日:2007年 12月 05日 23:59:40

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