食うは一時の欲、食わぬは一生の快
【12月21日 AFP】町村信孝(Nobutaka Machimura)官房長官は21日の記者会見で、調査捕鯨で計画されていたザトウクジラの捕獲を当面見合わせる方針を明らかにした。
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(c)AFP
横顔がナイスなザトウクジラの写真。
表情が実にいい。
◆ ◆ ◆
これはひょっとして捕鯨に限らないのかもしれない。
食っちまえばそこでそいつはいなくなっちまう。
けれども、食わずにとっておけば、また何度も楽しめる、
と、お題に挙げたようなことは
あれこれの事例に当てはまるのではないかと思いつつ。
実際、全体的な産業構造を考えた場合、食べることよりも
ホエールウォッチングのような観光に力点を置いた方が
長い目で見て上手く儲けられると思う。
しかも、敵をつくることなしのWin-Winで。
◆ ◆ ◆
だいたい、今の(飽食)ニホンで
そこまで必死こいてクジラを食わなければいけない理由は何なのか。
同じように絶滅が囁かれているマグロと比べても、
多くの食卓においては
マグロほどの切実さはクジラに関してはないだろう。
んでもって、第一次産業振興の観点から言えば、
近海漁業へのてこ入れや沿岸で行う養殖の技術を高めるといった
自給率アップにつながる施策の方が
ずっと重要というか、優先度が高いと思う。
それでもまあ結局、こんだけ捕鯨派の声がでかいということは、
それだけ業界が上手い具合に為政者に圧力かけてんだろう。
◆ ◆ ◆
もうひとつ言ってしまうと、
ニホンの文化だ、伝統だ、云々という
メンタリティに訴えかけるような宣伝は、正直鬱陶しい。
(ついでに白人たちが反対している、というのがまた感情を煽っているというか、
何気にうまい具合にニホン側の感情をコントロールしているところが
その野暮ったさに輪をかけている) ※
だいたい、伝統的な捕鯨のあり方と、今の商業捕鯨とでは、
ぜんぜん違うよなぁ。
昔は遠洋に出ることもなかったんだから、
これを伝統やら文化やらというカテゴリーに括るには、
いくらなんでも無理がありすぎるだろう。
日常的に和装をすることもないようなニホンジンが大半の状態で、
ここだけ限定で「捕鯨は文化」と言ってもねぇ。
それに、食に限っていえば、捕鯨のあるなしよりも米の消費減少の方が
ずっと文化破壊だろうに。
◆ ◆ ◆
もうひとつ大きな疑問があるんだが、
ニホンって何年調査捕鯨やってんだろう。
かなーり長々と、毎年「調査」をやっているよな、これ。
そんだけ長年の調査があるのだから、
さぞかし相当のデータが蓄積されていることだろう。
で、捕鯨賛成論者の中からは
数が増えているとか適切な間引きが必要だとかいう話もあるようだが、
そのデータがまるで説得力を持っていない(ように見える)のは、
単に宣伝が下手なのか、それとも
自分たちに都合のいい数字しか拾わないから
本当に説得力がないのか。
いったいどっちなんだろう。
◆ ◆ ◆
温暖化の影響でオキアミの量が激減していることや、
(捕鯨に限らず)収奪的な漁業が行われることによって
人為的に海中の生態系が相当乱されている事実を考えると、 ※2
海中の生態系ピラミッドの頂点に立つクジラ類が増えているというのは、
科学的に考え難いと思う。
クジラのみならず、イワシやマグロまでも資源枯渇が言われる中で、
反対論者の議論を突き崩すには、相当の科学データが必要だと思われるが、
それはいったいどこにあるのか。
ことに絶滅の危機というケースに関しては、
予防原則の適用が相応しい。
いや、実は大丈夫でした
ということが科学的に証明されれば、
その時点で再開すればいいだけの話ではないのか、これは。
※:クジラが利口だとかバカだと可愛いとか醜いとか、あるいは白人がウシは食っていいがクジラはだめというのがけしからんとか、そういう感情論的なものはもう止めにしたほうがいいと思う。海洋中の種の多様性が損なわれるかどうか、だけで見ていくことができないものなのか……と溜め息が。
※2:捕鯨ではないが、ヴァンダナ・シヴァの『食糧テロリズム』の62~63Pくらいにそのあたりの詳細なデータがある。
.
カテゴリー[ 種の多様性 ], コメント[3], トラックバック[0]
登録日:2007年 12月 22日 00:29:29
コメント
ご連絡ありがとうございました。リンク集のほう登録させていただきました。
(メールのほうも送らせていただきましたのでご確認ください)
kkneko @ 2008年 06月 27日 20:50:12
ご連絡ありがとうございました。リンク集のほう登録させていただきました。
(メールのほうも送らせていただきましたのでご確認ください)
kkneko @ 2008年 06月 27日 20:51:13
kkneko さん、当ブログへようこそ!
というか、ご訪問に気づくの遅れて、すみません。
kkneko さんのサイト(「捕鯨批判ブログ・リンク集」)が、とても有意義だったので、つい反応してしまいました。有意義というか、ただ単純に見ているだけでも、すげー面白いです。
さらにまた、お返事まで頂いて、ありがたいことです。
(他の訪問者の皆様、「捕鯨批判ブログ・リンク集」へはkknekoさんのお名前のリンクから飛ぶことができます。訪問推奨! です)
管理人(山猫通信社) @ 2008年 06月 30日 23:47:57
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