知らないものは存在しない
反捕鯨団体、仲間割れ? グリーンピースがシー・シェパードへの協力拒む
【1月20日 AFP】南極海で日本の調査捕鯨の妨害を試みている米環境保護団体「シー・シェパード(Sea Shepherd Conservation Society)」は20日、同じく国際環境保護団体のグリーンピース(Greenpeace)が日本の捕鯨船団の位置を知らせることを拒んだため、グリーンピースを「見掛け倒し」だと非難した。
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(c)AFP
今日は、クジラの話ではなくメディアについての話を少し。
この写真記事のタイトルに「仲間割れ」とあるが、
そもそもこの2つの団体が本当に「仲間」なのかどうか、
特に調べたり疑問を持ったりしなかったんだろうか、
このテキストを書いた記者は。
あるいはデスクなどから、
仲間ならどうして別々に活動しているんだろうね?
てなツッコミがなかったのか、などなど。
それぞれの成り立ちをちょっとでも調べれば、
こういうことになるんだろーなー、
ということはすぐに分かりそうなもんだが。
特に、シー・シェパードのやり口なんかを見ていると。
まあ、要するにこのテキストを上げた記者の頭の中では、
環境NGOというものの理解というのはその程度だったんだろう。
環境団体で捕鯨反対、ということで十把一絡げで見ていたからこそ、
こういうかたちでの疑問がタイトルにつけられたんだろうな、とでもいうか。
◆ ◆ ◆
ニホンにもまた、国内にたくさんの環境団体(NGO・NPO)がある。
とはいうものの、それはそれぞれの得意分野が異なるために
いろいろな団体が別々に存在しているのであって、
別にグリーンピースとシー・シェパードのように
方針が食い違って(←ものは言いよう)袂を別ったわけではない。
また、自分の知っている範囲でのことだが、
そうした異なる取り組みをしている団体同士であっても、
共同で何かを行うということは(少なくともニホンでは)
比較的良くなされていると思う。
最近の例だと、以下のような報道などから理解できると思う。
1月23日 毎日新聞
再生紙偽装:国にグリーン購入法の見直し要望 市民5団体
とか、
1月23日 共同通信
古紙配合率、国がチェックを 再生紙偽装で保護団体要望
など。
一緒に調査や催しの開催などもごく普通に行われるし、
別に他団体だからといって仲が悪いわけでもない。
ただ、団体にとっての目標や取り組み対象がそれぞれ異なるため、
いろいろな団体があるにすぎない。
だから、同じ取り組み対象や共通の接点があると、このようなことが行われる。
余力のあるヒトはそれぞれの記事で名前の出ていた団体のサイトを
訪問してみることをオススメしたい。
それぞれの団体が、どこがどう違い、
にもかかわらずここで同じ取り組みをしているということの理由が
よくわかると思う。
◆ ◆ ◆
上はニホンの例だが、かように
世界中には多くの環境団体があって、
実にさまざまなテーマに対して
かなり多彩な取り組みをそれぞれが行っている。
けれども。
これはAFPだけではないのだが、
大手のマスコミに名前の出る団体、報道される機会のある団体は、
それほど多くはない。
ごく一握りの団体がいつものようにループして登場している(ように見える)。
その昔のエントリで、
2007年7月9日 選んだ理由
http://www.actiblog.com/yamaneko/39168
上げた通り。
これはたまたまAFPを事例にしているけれども、
別に他の報道がそうではない、というわけではない。
どれも五十歩百歩だ。
報道する立場のヒトビトも、知らないものに関しては何も想像が及ばない、
どころか
知らないものはそのヒトの中には存在していない(というか存在できない)。
そしてその「知らない」は、報道の読み手であるわたし・たちにも
引き継がれていく。
つまり、報道されていない団体なんて「存在しない」というわけだ。
メディアリテラシーなどでよく言われる、
報道を読むときには、
そうした「何が欠けているか」「報道されていない部分」を
意識する必要がある、
ということに注意を払ったとしても、
存在すら知らない団体のことに思いを馳せるだなんて、ちと無理だ。
◆ ◆ ◆
知らないものは、存在しない。
かといって、
何もかも、すべてのことについて最低限その業界の常識を持っておこう
だなんてことは、物理的にも限界がある、というかあり得ない。
(もちろん、自分も、そうなんだが)
だから。
少なくとも、世の中には常に「自分が知らないもの・こと」が存在している、
ということと
それによって割を食ってる立場のヒトビト(なり団体なり)が必ずいる、
ということだけは、
絶えず意識していたい、と思う。
(なんだか弱々しい結びになっちまうんだが、ちと仕方が無いと言うかなんと言うか)
※:引用した国内報道は、次のエントリにて対応。
.
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登録日:2008年 01月 30日 21:24:05
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