「プナン人」の言い方の方が

ボルネオ島、風前のともしびのペナン人文化を守る孤独な戦い

【2月7日 AFP】マレーシア、ボルネオ島(Borneo)の熱帯雨林にチェーンソーの音がこだまする中、かつて遊牧生活を営んでいたペナン人のAjang Kiewさん(54)は、固有文化を絶やすまいと勝算の低い戦いに挑んでいる。
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(c)AFP/M

AFPBB News


日本語的には流通度が高いかと。

あと文中の「バリケード」は正確には「ブロッケード」が正しい。
それに日本語訳を当てはめるとしたら、「道路封鎖」が一番近い概念となる。
日本語のバリケード(立てこもり)とは、かなりモノが違う。
伐採をさせないがための、トラックを通さない、という手法のことを指す。

「ペナン」人という訳語だが、ひょっとして、
マレーシアには景勝地として知られるペナン島(Penang)があるから、
それとごっちゃになってこっちの訳語を取ったのかも? などと推測。
綴りも最後に「g」がつくかどうかだけの違いだし(確か)。

ただ、昔からこの地の原生林破壊に心を痛め、
何とかしたいと取り組みをしている人はニホンにも多くいて、
その中には現地に何度も足を運んでいたり、
プナン人(Penan)に直接インタビューしたり交流したりという人もいる。
その人たちがいずれも「プナン」と言っているところから推測するに
日本語でカタカナで表記するとしたら「プナン」の方が現地の発音に近いものと
思われる。


◆ ◆ ◆

マレーシア国の中でもサラワク州は ※
人口の半数が地元の先住民族で占められているが、
その先住民族(ダヤクと総称される)の中でも少数派なのが
このプナン人。
少数派とは、人数的にもそうだし、政治的立場としても少数派である。

先住民族の多くは農耕民なのだが、プナン人たちは狩猟採取を行っており、
それゆえ森林破壊による環境影響が生活へ直結する。
暮らしが成り立たないという意味でも、その打撃はより深刻だ。

写真テキストにある「伐採会社」の最大手クライアントはニホンの消費者だし、
「伐採道路」を造った金も日本のODAから出ている。

このことに関して、わたし・たちは「善意の第三者」の立場に立つことは
できない。


◆ ◆ ◆

写真テキストにも取り上げられているブルーノ・マンサー氏は
元々スイス人、つまり白人で、
にもかかわらずプナンの生活に共鳴し、彼らと共に暮らしていた。
移動しながら狩猟する、というプナンのライフスタイルを、である。

ちなみにブルーノは
ニホンにも何度かこの森林破壊の問題を訴えにやってきている。
というか、自分が環境NGOというものに本格的にコミットしたきっかけとなったのも、
このブルーノの存在が大きいんだけども。
(その話はまあ置いといて)


◆ ◆ ◆

失踪、とあるが、これは政府というか森林をお金に換えたい立場の方々による
暗殺説が濃厚。

マレーシアだけではないが、東南アジア諸国の中には
ニホンのような、あるいは欧米諸国の考える、
いわゆる「民主主義」的価値観があんま通用しない国も多い。
マレーシアも同様なので、
こういうことがあってもおかしくはない。

ちなみにこの国では予防拘禁
(悪いことをする「かもしれない」とお上が目をつけたら
勝手にしょっ引いていいという法律のこと)を可能にしている
国家治安法も存在する。
ニホンが戦前に使用していた治安維持法と同じようなもんと考えればいい。
「誰」が悪いことををする「かもしれない」という判断は、
お上が恣意的に決められる。
んでもって、そのほかに凄いのが、
3人以上集まっての集会も、法律違反になる、という。


このテキストを上げた記者が「闇の中」などとぼやかした書き方をしたのも、
はっきり書いちゃうともう次には入国許可が下りなくなるとか、
そういう政治的な判断が働いた可能性も考えられる。

ちょっとでも政治の悪口言うと、引っ張られたり、
外国人だと追放と入国拒否となる、
それがこの国だったりする。


◆ ◆ ◆

写真の中にロングハウス(いわゆる「長屋」)の写真もあったように、
プナンに対しては
政府による定住化政策が進められており、
多くのプナンが移住生活を放棄した、とも言われている。
けれども、ちょくちょく森に狩猟に出かけたりするらしいけれども。

こうした世代間の文化的な伝承が途切れるのは、
彼ら彼女らが望んだという面だけではなく、
社会がそう追い込んだという面も意識したほうがいい。

もちろんこれは、プナンだけではなく、
ここ日本でも全く同じこと。
ニホンのグローバル化の凄まじさは、
ニホンの伝統的生活をどの程度営んでいるか、
自分たちの暮らしを振り返ってみれば分かることだろう。
中国の手づくりギョーザ、などは
食のグローバル化が進んだなれの果てでもある。

んで。

そのグローバル化によって、
ニホンはたくさんの熱帯材をこのサラワクから輸入してきている。

現地で伐採企業が原生林を伐りまくり森林破壊を行っているのも、
ニホンがその木材を購入することでそれを助長しているのだともいえる。
先に出した道路の話にしても同様だ。

かように、「風前のともしび」とか、滅びの美、的な、というかお涙頂戴的観点から、
数ある報道の中のひとつとして消費しておしまい、というわけにはいかないのが
この問題なのだ。

元記事のAFPはフランスの通信社だから、
ある程度こういった他人事的な書き方・伝え方が可能なんだろうけれども、
実は、読み取るわたし・たちは
ニホンの文脈で受け止めないとならない話なのである。

  
プナンについて、ウチのブログの過去テキストがあったので、それを紹介。
 2007年3月15日 森の香りをかいできた
 http://www.actiblog.com/yamaneko/31529

あと、この問題に明るい環境NGOなど
 サラワクキャンペーン委員会
 http://www.kiwi-us.com/~scc/


※:マレーシア国は、マレー半島の一部と、そこから飛び地となるボルネオ島の北3分の1の地域とを合せて「マレーシア」国。マレー半島側になると人口比率は一変し、先住民族の比率はかなーーーり減る。マレー人、中華系、インド系(ゴムプランテーションの労働者としてイギリス統治下の時代に強制移住させられてきた人びとの子孫)の合計で9割越え、のはず。金持ちの中華系(華人)の影響を制限しようとして、政治的に「マレー人優遇政策」を導入している。文化的にも、マレー系はムスリムが多数派、けれどもサラワクの先住民族たちは、イギリス統治の影響が濃くキリスト教(に、地元の地付きの宗教をプラスしたもの)がほとんどとされる。

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登録日:2008年 02月 09日 13:34:16

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