単なる企業の宣伝だろ、これ

英ヴァージン航空、バイオ燃料で初飛行

【2月25日 AFP】(写真追加)英航空大手ヴァージンアトランティック航空(Virgin Atlantic Airways)は24日、バイオ燃料を一部使用した旅客機のテスト飛行を行った。
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(c)AFP

AFPBB News


この件はとりあえずこれとセットで読むといいと思う。
2月8日 AFPBB
バイオ燃料生産目的の土地開墾で温暖化が加速、研究発表


◆ ◆ ◆

何故
「バイオ」由来の燃料だと二酸化炭素の排出が抑制されると見なされるのか。
その答えは、そのバイオ、
つまり生物的組織が、
成長する過程において二酸化炭素を吸収して成長した、
その部分を「プラスマイナスゼロと見なしましょうね」という
取り決めをしたからである。

植物の場合であれば、二酸化炭素を吸収して成長する。
その吸収された分が、燃料となったときに出てきているだけだ、
という「解釈」である。


◆ ◆ ◆

ただし。
植物であれば、その栽培をするために
開墾したり肥料や農薬をまいたりする必要性もあるし、
そうなれば当然その分のエネルギーがかかる。
さらに。
収穫、そして、燃料として製造する過程でも
またエネルギーが発生する。

そう、そこの部分では二酸化炭素は排出されるが、
その分は吸収された二酸化炭素の中にカウントされていない。

それらも含めてトータルでの二酸化炭素の排出と吸収をカウントすると、
 モノによっては温室効果ガスの抑制にもなる、
 けれどもそうじゃないものもあるよ、
というのが現状だろう。


◆ ◆ ◆

それと、この「解釈」「みなし」には重要な視点の欠落がある。

まずは、
ここで考えられている環境負荷の対象が、二酸化炭素だけである
ということ。

温室効果ガスは別に二酸化炭素だけではない。
メタンガスや各種フロンなども、地球温暖化に加担している物質で、
それぞれノ物質においてもまたそれぞれの対策が必要となる。
ちなみに京都議定書では
メタン、亜酸化窒素(N20)、ハイドロフルオロカーボン(HFC)、
パーフルオロカーボン(PFC)、六フッ化硫黄
の6つの温室効果ガスが排出削減の対象である。


それだけではない。
地球の環境悪化を考えた場合、
負荷の原因は何も地球温暖化だけが問題なのではない。
もちろんこれは大きい問題ではあるのだが、
そのほかさまざまな環境破壊の問題があることも、
それらがニンゲンの活動にかかっていることも
忘れてはならない。

たとえば、
原生林を開発してトウモロコシなり大豆なりアブラヤシなりのプランテーション
を造れば、
いくら二酸化炭素の吸収源を生産しているとはいえ
原生林に生きていた生物種にすんげー悪い影響を与えているのは当然のこと。

プランテーションの造園で
ゾウやサイやオランウータンのような動物の棲み処がなくなり絶滅の危機にある、
という話はこれまでこのブログでも何度も取り上げてきたし ※2
AFPですら何度か報道してきている。
(過去記事関係は左のタグで
「絶滅危惧種」「森林」「資源・エネルギー」あたりで見て欲しい)


また、バイオ燃料といっても、その由来する生物によっては
文字通り ピンきり だ。

バイオ燃料の原料と見なされているものの中には、
トウモロコシやアブラヤシのように大量生産と大量消費を前提に
遠方で作って運んでくる、という仕組みのものもあれば、
逆に近県の間伐材を燃料に使うといったような
そういうルートとは別の仕組みを持つバイオのものもある。


◆ ◆ ◆

ま、バイオ燃料を使うことについて、
「誰か」から「それがエコになる」と言われて丸呑みするのは
あまりにも考えが浅すぎる。

てか、「誰が」それを言っているのか、
もうちょっと気にした方がいいんじゃねーか、と思うんだが。

バイオエタノール用のトウモロコシ関係で言えば、
種苗会社がえらく株価を上げたという話は日経にも出ていたし。

(一方で、近県の間伐材で木質バイオマスやったって
どこの株価も変動しないから
話題にするのはほん一部の人びとだけになる、という構造があるわけだ)

大きな開発やって大量にこさえて大量に流通させれば、
そのときにどんなにエネルギーを使っていようとも
儲かるヤツは出ているから、まあ、
「ここの部分がありますからわが社はこーんなにエコですよー!」
と広告的に使うヤツは使うよな、と。
てか、自分がその関係者だったならそうするけどな。


この飛行機会社の話に関しては、まあ
 石油の代替燃料の話もいいんだが、飛ばす量を減らす方がもっとエコでっせ
てな提案をしてみたいと思う。

必要な旅行を止めろとまでは言わないけれども、
無闇に飛行機を使わなくてもいいケースはそれを控える方が、
確実に二酸化炭素の排出を減らせるのは確かなことなのだから。


それと、細かい部分なんだが、
>使用されたバイオ燃料はババス油とココナツ油を混合した燃料

とあるが、不勉強すまんがババス油がよくわからないのと、
あとこれココナツ油なのか。ヤシ油じゃなくて。 ※1
ヤシ油はココナツ油とちゃうで。

ちなみに上の2月8日のAFPの写真はアブラヤシのプランテーションだから、
ココナツ油ではない。
アブラヤシの油・ヤシ油もまた化粧品などにも使われているのは
ココナツ油と一緒。


※1:読売の記事なんかもココナツと言っていたから、おそらく現場の記者が間違えていなければココナツなんだろうけれども。

※2:
関連する当ブログの過去記事のうち、とりあえず幾つかのリンクを
1月23日 ペンギンとトウモロコシ
2007年
12月19日 金持ちはどこでも皆 同じことを言う
12月 5日 森を潰して油をつくる、というハナシ
11月30日 ごみ発電やナタネ油の車も、バイオマス・エネルギーだぜ
9月17日 まさかと思うけど、アブラヤシとココヤシを取り違えていないよな?

.

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登録日:2008年 02月 26日 23:39:38

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◆07年3月、ブログタイトルを一部変更。今後も、カメだけでなく、ワニやラクダやトカゲからも いろいろと学べるもんだろうと思いつつ、のてのてと更新中。
◆トラックバック、どうも故障中の模様(早く直してくれAFP)。
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