この見出しは酷い。
【3月28日 AFP】ドイツ・ミュンヘン(Munich)にある「人間と自然の博物館(Museum of Men and Nature)」で26日、ヒグマの「ブルーノ(Bruno)」のはく製が公開された。
ブルーノ、別名「JJ1」は、2006年夏に農場を襲うなどして人々をパニックに陥れた。一方で、170年ぶりにドイツに姿を見せたヒグマに人々は心をとらわれた。その後、ブルーノは06年6月26日早朝に射殺された。(c)AFP
これは「お騒がせ」ヒグマなんかじゃない。
AFPの邦題のセンスは時々首をかしげるが、これはあんまりだ。
「死んでいった命」に対して「お騒がせ」のような遊び感覚の形容詞をつけるセンスは、
理解に苦しむ。
それとも、日本語の「お騒がせ」という言い方、受け止め方の感性に
自分とAFP編集部とではものすごく差があるのだろうか。
ブルーノは元々自然保護区にいたヒグマで
http://www.afpbb.com/article/life-culture/culture-arts/2076714/680829
そこから逃げ出したことがニンゲンとの軋轢となったわけだが、
そうした「ヒトと野生生物との軋轢」という深刻な問題が
片方の強制排除(=死)をもって幕を閉じた、というのが
この事件の全体像である。
とてもではないが、「お騒がせ」というような軽い物言いで片付けられるような
事柄ではない。
ちなみに自分、身内がきこりをやっている。
だもんで、山とクマとヒト
(身内の場合はニホンのきこりだからツキノワグマ;
これも生息地によっちゃぁ希少種だ)
との付き合い方、関係性というものに関しては、
動物オタクの綺麗ごとでは済まないということは日々、自覚している。
(下手したら身内として葬式を出す可能性もあるんだよ、こちとら)
そろそろクマも冬眠から覚める頃だし。
きこりは、もちろんクマ鈴をつけて作業に行っている。
命を失ったブルーノも、
ブルーノの徘徊によって命の危険を感じ続けた地元民たちも、
その一方でクマをなんとか生き延びさせたいと努力をした人びとも、
みんなこのことを軽い騒ぎだなどとは思っていないだろう。
特に、この不幸な結末を迎えたことを考えてみれば。
原文のタイトルがその手のニュアンスだったのかもしれないが、
日本語のニュアンスとしてこの件を「お騒がせ」と訳してしまうのは、
命あるものへの共感の姿勢に欠けているというか、
そうした大事な事柄を誤訳しているんじゃね? ということで
どうにもこうにも違和感ありまくり、
何度読んでも馴染むことはないだろう。
そして、今後このような不幸な邂逅とならないようにはどうしたらいいのか、
というような思索の機会をもまた、封じてしまうのではないか、
というと、言い過ぎだろうか。
.
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登録日:2008年 03月 30日 00:25:38
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