問題は、「バイオ」よりも「グローバリズム」
【4月16日 AFP】英国ロンドン(London)の運輸省前で15日、同日実施された再生可能燃料導入義務制度(Renewable Transport Fuel Obligation、RTFO)に反対する活動家らが抗議デモを行った。
RTFOは温室効果ガスを削減するため燃料販売事業者に自動車用燃料販売量の2.5%をバイオ燃料とすることを義務づける措置だが、活動家は食糧を燃料にすることなどを問題視している。(c)AFP
写真のねーちゃんがかわいい。
んなことはどーでもいいんだが、このねーちゃんの持っているプラカードは、
「パームオイル」、つまり「ヤシ油」に注視せよ、ということ。
(ヤシ油の二酸化炭素の排出は化石燃料よりも悪いぞ、というこっちゃな)
緑を身にまとっていることから想像するに、恐らくは
ヤシ油をつくるための大規模な開発・プランテーション化に対する抗議のアピールかと。
プランテーションを造成するには、
とにかくものごっつい面積の森林を伐採して裸地にして植林せなあかん、
という工程が必ず必要だから。最初に。
ヤシ油は、食料にもなっているけれども、それ以外にもいろいろと使われている
(たとえば洗剤だとか口紅だとか)
ため、ここでアピールされていることは、
単純に「食べものを燃やすな」ということではない、
というか、そういう単純化された話だけではない、ということは
知っておいた方がいいと思う。
今日は別のニュースも出ていたようだけれども、
(04月16日 バイオ燃料生産は「人道に対する罪」、国連報告官)
食料を燃料にすること云々の言い分の方が、比較的スムーズに訴えやすいし、
理解もしやすい。
と、同時に、簡単なことを見落としてしまったりもする。
けれども、この問題の本質をきちんと理解したいと思うのであれば、
トウモロコシやダイズといった食品から燃料(エタノール)を作る愚、
という側面だけではなく、
それらが産業としてどういう方向性を持っているのか、という視点が必要だ。
たとえば、ヤシ油(アブラヤシから作る油)の環境破壊性への理解は、
食料問題(人権問題と言い換えてもいいが)という視点だけでは抜け落ちる。
厳密には、プランテーションの開発によって先住民族をはじめとする地元民への
人権侵害は起こっているので、
狭義の人権問題という視点を持つことは可能ではある。
逆にバイオ(生物由来)燃料全部をひとくくりにしてダメだと切って捨てることは
廃油利用や木質バイオマス(その多くが廃材や間伐材などの廃物利用)といった
他の角度から見ても環境負荷が低くて、実際に二酸化炭素の排出量も抑えられる、
(もちろん食料とは競合しない)
という素材に対して、無駄な逆風ともなりかねない。
この手の話はこのブログで何度も取り上げてきているので、
過去記事にお目通しを頂きたいのだが、
(左の「資源・エネルギー」のタグなど。最近の記事なんかだとこれとか)
今、食料問題を引き起こすと言われていたり、
二酸化炭素の排出量以外の環境負荷がいわれていたり、
あるいは計算上その二酸化炭素すら化石燃料以上に必要だったり、
というものに共通しているのは、
「どこか遠くで」
「(原料を)大量につくって」
「(製品も)大量生産で(そうしないとコスト的に割が合わないから)」
「(原料か製品のどちらかまたは両方が)長距離の輸送をしないと手元に届かない」
といった、グローバリズムに則った方針を持っているものだったりする。
この点、石油や原子力のような地下資源と、全部が全部ではないけれども
とてもよく似ている。
最後の長距離輸送に至っては、
フードマイレージならぬオイルマイレージを考慮しないといけない。
が、それを考えることで、むしろ
その物質の環境負荷がかなり明確に意識できると思う。
逆に同じバイオマスエネルギーと言われるものでも、
地元で採れる農業廃棄物(麦わらなど)を燃料に加工して地元で消費する、
というようなモデルであれば、
上記のグローバリズムの構造からは大きく外れるけれども、
環境負荷は恐らく相当小さいものと予想できる。
とまあ、ここで問われていることは何か、
問題は「食料問題」なのか(あるいは「食料VS燃料」なのか)、
「二酸化炭素排出削減(=とにかく化石燃料を減らせ)」なのか、
それらを含めた広義の環境負荷全般なのか、
まずはそこんところをきちんと頭の中に整理整頓していかないと、
なーんも問題は解決しないと思うんだがな。
また、この件に関していくつか関係しそうな最近の報道のコピペを
<続きを読む>に残しておくので、
ご興味がある方はぜひご一読を。
.
<続きを読む>
03月28日 環境部.com(環境goo経由)
農林漁業バイオ燃料法案を国会に提出―環境、農水、経産の3省が共同で
http://eco.goo.ne.jp/news/law/law_20080228_86.html
規制の背景
農林水産物の生産や加工に伴い、農産物のうち稲わらなど食用でないものや、林地残材などの副産物や廃棄物が大量に発生する。農林漁業から出るこうした有機物資源(以下「農林漁業有機物資源」という)は、ほとんどが十分活用されずに廃棄されている。しかし、農林漁業有機物資源にはエネルギー源として利用することができるものも含まれており、バイオ燃料の原材料としての活用が期待されている。環境、農林水産、経済産業の3省は2008年2月15日、国産バイオ燃料の原材料生産や製造を支援する「農林漁業有機物資源のバイオ燃料の原材料としての利用の促進に関する法律案」(以下「農林漁業バイオ燃料法案」という)を閣議決定し、第169回国会に提出した。
ポイント
農林漁業バイオ燃料法案は、農林漁業有機物資源のバイオ燃料の原材料としての利用を促進するため、主に次の事項を定める内容だ。1) 原材料生産者と燃料製造業者が連携した取り組みに関する計画や研究開発に関する計画に関する制度の創設、2) 計画の実施に対して農業改良資金の償還期間を延長するなど支援措置の実施。
具体的には、主務大臣による基本方針の策定や、次の事業計画の作成と主務大臣による認定に関する事項が定められる予定だ。1) 生産製造連携事業計画(農林漁業者など)、2) 研究開発事業計画(研究開発を行う者)。
また、支援措置として、関係各省それぞれが所管する次にあげる法律についての特例が設けられる予定だ。
1) 環境省関連:産業廃棄物の処理に係る特定施設の整備の促進に関する法律の特例として、研究開発事業計画の認定を受けた者が行うバイオ燃料の製造(産業廃棄物の処理に該当するものに限る)に用いる施設の整備などについて、産業廃棄物処理事業振興財団が行う債務保証などの業務の範囲を拡大。
2) 農林水産省関連:農業改良資金助成法、林業・木材産業改善資金助成法、沿岸漁業改善資金助成法の特例として、生産製造連携事業計画の認定を受けた農林漁業者などが計画に従って農林漁業有機物資源の生産を行うために必要な資金の償還期間を、10年以内から12年以内に延長。また、種苗法の特例も規定。
3) 経済産業省関連:中小企業投資育成株式会社法の特例として、研究開発事業計画の認定を受けた者などが設立する株式会社について、中小企業投資育成株式会社が株式の引き受けなどを実施できる範囲を拡大。
本法案は成立した場合、公布日から6カ月以内に施行される。
03月28日 日経エコロミー
東京ガス、バイオガスの購入を開始・4月から
http://eco.nikkei.co.jp/news/article.aspx?id=2008032807418n1
東京ガスは28日、生ゴミや下水汚泥を処理することで発生する可燃性ガス「バイオガス」の購入を4月1日から始めると発表した。圧力や性質などが同社の定める基準を満たす、加工済みのものが対象。ガスは計量設備を備えた上で直接自社の導管に受け入れる。買い取り価格は1立方メートルあたり50円を目安とする。
一部の企業が自家用コージェネレーション(熱電併給)システムなどでバイオガスを活用する事例はあるが、商業用としてガス事業者が本格的に活用するのは珍しいという。
03月28日 フジサンケイビジネスアイ(yahoo! 経由)
スーパー酵母使いバイオエタノール 月桂冠研究所、京大など
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080328-00000004-fsi-bus_all
■もみ殻や稲わらから生産
酒造りの基礎研究などを手がけている月桂冠総合研究所(京都市伏見区)は、東北大学、神戸大学、京都大学と共同で、バイオエタノールの新たな生産技術を開発した。酒造りに使う麹(こうじ)と酵母(こうぼ)を組み合わせた「スーパー酵母」を使う方法で、もみ殻や稲わらなど、食用でない植物原料からも直接エタノールを生産することができる。
バイオエタノールの原料になる植物セルロースは、化学的に安定した強固な構造をもっているため、この構造を弱めて発酵可能な状態にするための前処理が必要。開発したのは、臨界点(水の場合374度、218気圧の高温・高湿)より低い「亜臨界水処理」とよぶ方法で処理する。
「超臨界」状態で処理するのに比べて、処理装置が簡素ですみ、また、硫酸など化学薬品を使う前処理に比べて、環境負荷や安全性の面で優れているのが特徴。
酒造りでは、麹菌が米のでんぷんを糖に分解し、その糖を酵母によって発酵させる。開発した「スーパー酵母」は、麹菌から見いだしたセルロース分解酵素をつくる遺伝子を、酵母に組み込んだもの。
酵母が麹菌の機能を有しているため、前処理したセルロースから、単独でエタノールを作ることができる。
生産工程がシンプルなため、原料となる植物が発生する場所で、小規模なプラントでエタノールを生産することも可能という。今後、エタノールの収量や収率を上げる研究などを進め、実用化をめざす。
開発した新技術は、名城大学(名古屋市天白区)で開かれる「日本農芸化学会2008年度大会」で28日に発表する。
04月03日 毎日新聞(goo経由)
笠岡市:バイオマスタウン構想 エネルギーの“地産地消”へ 策定委が答申 /岡山
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080403-00000262-mailo-l33
◇高木市長に答申
笠岡湾干拓地で収穫される作物のエネルギー資源化について検討を重ねてきた「笠岡市バイオマスタウン構想策定委員会」(委員長、佐藤豊信・岡山大教授)がこのほど、バイオエタノール製造プラントの誘致や油の採れる作物の活用などを盛り込んだ構想を高木直矢市長に答申した。持続可能なエネルギー循環を作り出すことで、環境にやさしい農業とエネルギーの“地産地消”を目指す。
植物を原料とするバイオエタノールは、石油など化石燃料の消費削減に効果的とされる一方で、小麦やサトウキビなど食用植物を利用することへの批判もある。今回の構想では、観賞用の菜の花やヒマワリをバイオディーゼル化し、食料にならない麦わらなどのソフトセルロースをバイオエタノール化して干拓地内の農業機械の燃料として使用。また、それらの植物栽培に家畜のたい肥を利用することを想定している。
エタノール生産プラントのコスト削減や資源作物の安定供給などが課題で、今後は「市バイオマス利活用推進協議会(仮称)」を立ち上げ、産学官が連携して新技術の検討や利害調整にあたる。
同干拓地は90年に完成し、農業用干拓地としては日本で2番目の約1800ヘクタールの広さ。大規模園芸や畜産が中心で、家畜の排泄(はいせつ)物の堆肥(たいひ)化処理施設の充実や、食料や飼料とならない未利用植物の活用方法が農業関係者の中で大きな関心事となっていた。また、市内の総農家数は05年で2218戸と30年前に比べて半減し、農業の活性化も深刻な課題となっている。【山崎明子】
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登録日:2008年 04月 16日 23:07:09
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