目的に共感ができても、その手段が……
【4月28日 AFP】デング熱の感染が拡大しているマレーシアで、デング・ウイルスを媒介する「ネッタイシマカ」の対策として遺伝子組み換え(GM)を施した蚊(カ)、数百万匹を試験的に放つ計画が進められている。
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(c)AFP
新たな災いを生まなければいいのだが。
以下、遺伝子組み換え(GM)技術に対する
不信感丸出しのエントリとなるが。
研究室のような閉鎖空間での、1対1(オスとメス)だけでの実験結果と、
自然界において天敵やその他
複数の生物種とのかかわりを持ちながらの結果とでは、
とてもではないが同じものとはならないと思う。
このGM蚊を食った天敵はどうなったか
(しかも捕食者は何も1種の生物だけではない)、
その(GM蚊を捕食した)天敵たちの子孫に遺伝的な影響は無いか、
また近種との交雑の不安はないか、などなど、不安は尽きない。
現に、
たとえば食品関係でいえば、
GMナタネが非GMナタネと交雑をして次世代が育ってしまった、
というような事例もある。 ※1
また、対象が昆虫の場合、生命のサイクルが短いがため、
植物以上にこうした「雑種」が確立されやすいのでは、という心配もある。
そいつがデング熱を媒介するものだった場合、
あるいはもっとたちの悪い病気を発生させるものとなった場合、
そこに対しての対処は実際問題可能なのか、否か、
その点は、どこまで検討しているのだろうか。
基本的には、
この手のものは放ったが最後、
やべぇ、失敗した! と判明したところで、
後になって回収する・自然環境の状況を元に戻す、といったことが
不可能な場合がほとんどだ。
これはGM技術だけではなく
外来種(移入種・侵入種)問題でも一緒だけれども、
自然界というのは、そういう
ニンゲンのコントロールのきかない空間
であるという認識は、科学者であるなしにかかわらず
持っておくべきことだと思う。
やってみなけりゃ わからない
けど、
やり直しがきかない
ような事例の場合は、あえて「やらない勇気」(研究室だけにとどめておく)
てなことも必要だと思う。※2
お題にもあげたとおり、
デング熱の感染者を将来的にはゼロにしていくという目的は
まず否定できないとしても、
そのために取った手段が穴だらけで、
デング熱こそ遠ざけることができたけれども、
それ以外の災いを新たに呼び込んだ、なんてことは
誰も望んではいないと思う。※3
※1:04月21日 日経BPネット(写真アリ)
美しい菜の花畑に潜む遺伝子組み換え品種 交雑で2代目も出現
http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/column/z/28/
本文は<続きを読む>に収納。
※2:それとこの場合、生物種の絶滅を願うような手法が好ましいのかどうか、という視点は持ち得ないのだろうか。これが美しい哺乳類の希少種であれば検討課題にすら上らないだろうと言うことを考えると、昆虫思いっきり差別されてまんがな、という話に聞こえなくもない。(まあ、この程度で絶滅するような蚊ではないとも思うが)
※3:これはGM蚊の開発をしている科学者たちだってそうだろう。
.
04月21日 日経BPネット
美しい菜の花畑に潜む遺伝子組み換え品種 交雑で2代目も出現
http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/column/z/28/
菜の花(ナタネ)が咲き乱れる季節になった。アスファルトの割れ目から伸びる“ど根性菜の花”(右下)も見受けられる。しかし、こうした幹線道路沿いのけなげな菜の花に、遺伝子組み換え品種が浸透していることがわかってきた。
環境省が2006年度に鹿島港、千葉港、横浜港、清水港、四日市港、博多港、北九州港の周辺の主要道路と河川敷を調査したところ、18地点の30試料から除草剤耐性の遺伝子組み換え西洋ナタネが見つかった。日本では遺伝子組み換えナタネは栽培していないため、輸入ナタネの種子が発芽したとみられる。
マーガリンや食用油の原料であるナタネの日本の自給率は1%以下と低く、大半を輸入に頼る。その大部分を占めるのが遺伝子組み換え西洋ナタネだ。港湾の荷揚げやトラック搬送時に種子がこぼれ、全国で野生化し始めているのだ。
しかも、四日市港周辺では2つの除草剤耐性を持つ遺伝子組み換え西洋ナタネが見つかった。通常の組み換え品種は1つの除草剤耐性しかないため、「2つの組み換え品種の間で交雑が起きた可能性がある」と国立環境研究所の佐治光氏は言う。環境省は組み換え品種の世代交代の可能性も指摘する。
河川敷など西洋ナタネの菜の花畑に遺伝子が広まる危険性もあり、生態系の継続的な調査が必要だ。
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登録日:2008年 05月 03日 23:43:55
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