環境(破壊)問題の基礎
【香港 15日 AFP】現地の報道によると、珠江デルタ(Pearl River Delta)一帯の約2000の地場工場が、自らが引き起こした公害や環境汚染が原因で、閉鎖あるいは移転に追い込まれている。写真は香港の摩天楼も霞む公害による大気汚染。(c)AFP/Philippe LOPEZ
実に環境破壊問題の基本的なフレームをなぞっているような話。
.
.
◆二項対立的な考え方は使えない◆
加害者が実は被害者でもある、その逆もまた、というのは
環境破壊の問題における基本項目のひとつなのだが、
ニホンでの日々の暮らしの中でそれを実感することは
あまり多くないと思う。
(し、
加害者と被害者という二項対立的な分かりやすさがない分、
理解しづらいという点もある)
確かに、よく言われている「地球温暖化問題」でも、
温室効果ガスを出しまくるジンルイは、加害者である一方で
温暖化により健康被害や経済被害も受ける、という構造は
確実に存在している。
だがいかんせん、多くの場合、こういった話は
空間スケールと時間スケールがでかすぎて
なかなかどうにも実感しづらいというのが
多くの人びとの正直な感想だろう。
◆持たざるモノにより酷いしわ寄せがいく◆
と、加害者と被害者が実は同じだった、という話がある一方で、
実はそれだけではない、というのが
この「環境破壊の問題」のややこしいところ。
どうにも、一筋縄ではいかないというか、
多面的な構造を持っている問題だということで
理解していかないといけない。
たとえば、地球温暖化の問題でも、
温室効果ガスの発生源の一番大手はアメリカ合州国だが、
(ニホンは世界で4番目)
温暖化で真っ先に被害を被るのは太平洋の島嶼国の国々だ。
なんせ海抜3メートルとかって高さの島国たちなのだからして、
温暖化による海面上昇で国土の大半、もしくは全土を
物理的に失いかねない。
もちろんアメリカ国内もハリケーンの巨大化や農業環境の激変
などの被害を受けるのだが、
被害の度合いの酷さでいえば、
南の国々の方が先に被害を受けるしより割を食う、
ということになる。
また、公害などに顕著な例だが、
たとえば水俣病のように健康被害を受けた人びとは庶民で
水銀を垂れ流したチッソは現地のエリート企業だった、
というような被害と加害が対立構造を描くような図式も
未だにある。
この写真の事例であれば、
工場を移転する資金がある会社は生き延びるであろう。
しかし、この地でつつましく暮らす地元の庶民たちは
その汚されてしまった環境の中で暮らしていかなければならない。
金のあるモノ、持てるモノたちはなんとか生き延びるけれども、
そうでないモノたちはそのまま被害を受けっぱなし、というか。
◆ジンルイもまた自然の中の一つの駒に過ぎない◆
ともあれ。
やはりこれは「自分に唾を吐いている行為」だと
きちんと自覚するしかないだろう。
あるいはベタなところで、「自分の足を食べている蛸」の絵でも
頭に思い浮かべればいい。
逃げ延びた工場だって、移転できるような土地がなくなれば
逃げ続けられない。
その前に、工場の製品を買ってくれている人びとが
環境悪化によって死に絶えでもしたら、
企業もまた潰れる。
まあ、
どのような行為も、結局は何かに繋がっていき、
それは巡り巡って必ずや自分にもかえってくる、
という。
それは、ジンルイもまた、
「自然」「地球環境」を構成しているその一部である、
ということから逃れられないのと一緒で。
ジンルイだけが、生態系ピラミッドから外れているわけでも、
自然との二項対立にあるわけでもないのだから。
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登録日:2006年 05月 16日 16:00:20
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