原因のすりかえ

遺伝子組み換え作物への反対活動がアフリカを苦況に、英科学者が指摘

【9月10日 AFP】西側諸国の反GM(遺伝子組み換え)ロビー団体は、アフリカでの収量アップにつながる可能性がある現代農法の開発を妨げようとしている。
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(c)AFP

AFPBB News


ゆっくりエントリを練る時間があまりないので、
とりあえず問題点だけ軽く指摘。


◆ ◆ ◆

まずは、
世界の貧困、飢餓の問題を少しでもきちんと調べたことがあるならば
知っているはずの、
  アフリカの最貧国をはじめ地球上の多くの人々が飢えているのは、
  決して「食物が足りないから」ではない
ということが、
これ、すっぽり抜け落ちている。

たとえ食べるものがあったとしても、
それを買う金がないということ。
あるいは、
それを運ぶ輸送手段がないということ
(インフラ整備の問題や輸送にかかる経費が高すぎるということ等)。
はたまた、金持ちが買い占めて、実質的に
貧しい人びとの口には届かないような仕組みを構築してしまっている
ということ。

こちらの話は非常に極端に聞こえるかもしれないけれども
 09月08日 AFPBB
 気候変動対策として「肉食はひかえるべき」、IPCC議長
ここで指摘されているように、
人がそのまま食べられる・食べればいい穀類などを
わざわざ牛や豚に食わせることを優先させる、といった仕組みがあることも
忘れてはならないだろう。

世界規模で見れば、(とりあえずはまだ、これ以上人口が増えなければ)
食べるものだけは、辛うじて、ある。
問題は、それが公平に分配されるシステムがない、構築できない、
ということにこそあるわけだ。


GM(遺伝子組み換え技術)のすすめる農業のような
大規模・モノカルチャーだと、逆にこの不平等の動きを
拡大しないとも限らない。
現に、
「手元に食物がない」「それを運ぶ輸送手段がない(高くて使えない)」と
いったあたりのことは、
大規模農業とカードの裏表のような関係だ。
たとえば
輸出用作物で土地を使い切っているから自分の口に入れる作物を作れない、
というような構造があることは、忘れてはいけない事実だ。

飢える人がいるということは
物理的に食べるものがない、ということと
簡単にイコールで結べるような話ではないのだ。


◆ ◆ ◆

それにしてもほんま この学者さん、本当に
世界の貧困の問題をきちんと考えたことがあるんやろか?
てか、
GM(遺伝子組み換え技術)を使いたいがために
口実として「食にも事欠くアフリカの貧しい人びと」を
引き合いにしているんじゃなかろうか。

GM反対派が推進している(とみなしている)有機農法を貶めることには
熱心なようだけれども。


そうした、有機農法の推進といったムーブメントと
アフリカ諸国の貧困への対策とが
大きな流れとしてガッチリリンクしているという話は
あまり聞かないよなあ。
雀の涙ほどのNGOレベルでちまちま有機農法をやってる、
という例なら幾つか知っているが。
それは別に環境保護や反GMという観点ではなく
あくまでもその地域の経済的自立という視点からのプロジェクトだから
(むしろ開発教育とか、そういうジャンル)
ここでそうした主体を「環境派」と言い切ってしまうのは事実ではないし、
知っていて言っているのだとしたら
かなりのミスリードを狙ってのことか、と勘ぐりたくなるよなあ。


それと
環境保護活動が反科学的・反テクノロジーであるといったレッテルを貼るのも、
ステレオタイプすぎ。
科学的見地に基づいてその道を選択した環境保護活動のヒトビトは
山ほどいることだし、
そうした人からの科学的な反論は
このGMの問題に対しても
たくさん出されているんだが、そちらはスルーなんだろうか。
スルーなんだろうな。


◆ ◆ ◆

ともあれ。
少なくとも、この反論を見る限りでは、
この学者さん、本気でアフリカの飢餓をどうこうしようという気は
あまりないと見た。
てか、そうとしか見えない。

てか、
この学者さん、GM業界から どの程度銭貰っとるんだ? という疑問すら
涌いてくる。
AFPもそこんとこ 裏を取るような取材をすればよかったのに。

.

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登録日:2008年 09月 13日 23:25:30

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