「餌付け」と野良にされ猫
【シンガポール 10日 AFP】急速な近代化のなか、シンガポールでは、国内の至るところに原生林が残されている。しかし、野生のサルは車が通る際に餌を与えられることで、人間に対する警戒心が薄れ、与えられる餌に頼るようになってきている。この為、政府はサルに餌を与える行為に罰金を課すことを検討している。写真は9日、ブキティマ(Bukit Timah)自然保護区内を通る道路上で食料を探す野生のサル。(c)AFP/ROBERTO COLOMA
自分自身は元々、超軟弱なマウンテンバイク乗りである。
ここ数年、自分のアウトドアの師匠が
ロードレースにはまっているということもあり、
ロードレースにも時折チェックを入れている。
(ロードに乗るほどの根性は、まだない)
AFPのサイトについても、
まずは自転車の写真が充実しているし、また
「本日も自転車、操業中」さん
http://www.actiblog.com/coba/
や
「ツール・ド・はじめっちょ」さん
http://www.actiblog.com/procycling/
をはじめ、
Actiブログに多くの優れた自転車ブロガーがいることも
自分のようなライトな自転車ファンには助かっているところ。
さて、都内のとある自転車屋(ロードレーサー専門店)が、
実はいたく気に入っている。
店がきれいだとかラインナップが充実しているとか
店員の知識が豊富だとか、
そういうことではなく(お店、ごめん)。
その店、地域の猫たちに
飯と棲家(立派な猫小屋を手作り、たぶん)を
提供しているのである。
少しでも猫が好きなヒトならば、間違いなく
大好きになるお店なのである。
猫好きというか、動物好きというか、
もうこれはたまりませんな、大共感! というくらい。
ところが。
野生生物に餌付けをしてはいけない。
というのが、
エコロジーというか、環境保全のはじめの一歩、なのだ。
.
.
◆ ◆ ◆
基本的に餌付けは、よほど気をつけて行わないと、
生態系を破壊する。
確かに希少種・絶滅が心配されている種に対しては
そうした取り組みが必要な場合もある。
しかしまあ、それはあくまでも
研究の結果それが必要とされると判断された希少種のみが対象。
数少ない例外と見ておいたほうがいい。
餌付けのようなかたちで
一つの種だけがその生息域で優遇されると、
どうなるか。
餌が豊富にある状態であれば、
その餌を主食とする生物種のみが
数を増やす機会をより多く得られる。
すると、その生態系における適正なバランスが崩れ、
競合するような他の種を圧迫したり、
糞の増加などで植生や水質を悪化させたり、
といった生態系の攪乱が起こる。
種によっては、ニンゲンへの警戒心を怠るようになり、
別の種類の災難を呼び込むこともある。
写真のサルの場合だと、交通事故などの増加や、
ヒトとの接触による病気の蔓延(ヒトの病気を貰うこともあるし、
逆にヒトが新種の病気を貰う可能性もある)などが
可能性として考えられる。
またヒトの食糧の味を覚えることで、
餌を得るためにヒトへ危害を加えるようになったり、
逆にこれまで餌にしてきていた植生などに悪い影響が出る
可能性も無視できない。
しかも、餌やりはたいていの場合、哺乳類や鳥類といった
ヒトが見て綺麗だったり感情移入が(というか単なる投影が)
しやすかったり、といった種に限られる。
ヒルや昆虫や蛇といった野生種に餌やりをするヒトは
まずいない。
つまりは、えこひいきが絶対に入る。
だから、理念としては、飼育動物以外に
餌は「やってはいけない」のだ。
野生生物も、野良にされ猫のような半野性状態のものたちも。
これは、たとえば白鳥などにも言える。
よく白鳥への餌やりが季節の風物詩としてニュースになったり
もするが、
愛鳥家たちの中でもより生態系破壊の問題に詳しい人びとは
これもあまり好ましいことではない、と受け止めている。
(もちろん、白鳥に餌やりをしている熱心な愛鳥家もいる)
なので、本当は
よくある公園でのハトへの餌やりはもちろん、
野良にされ猫たちに餌を与えることなどは、
環境的には「してはいけないこと」になるのだ。
厳密に分類すれば。
◆ ◆ ◆
とはいえ、
自分は、やっぱり猫に愛着がある(同じくらい、
犬もウサギもカメもワニもトカゲも駱駝も好きだが)。
野良にされ猫をみかけると、やはり餌をやりたいし、
現にやることもある。
流石に外来種である鎌倉のリスたちに餌をやることはないが。
どこか本筋を外しているな、と思いつつ、
野良にされ猫たちへの餌やりを止めることができないでいる。
本当の環境派ならば、
ここで心を鬼にすることができるのだろうが。
似非エコロジストを名乗る軟弱な自分は、
そうあることができないでいる。
そして同時に、自分は猫に餌をやる自転車屋を
一生支持し続けるだろう。
◆ ◆ ◆
ところで実は、
家の近くの「猫公園」が潰された。
正確には、そこは公園に隣接した私有地で、小さな林であった。
林の中には、複数の野良にされ猫たちが棲んでいた。
今年の初め、そこが売られ、更地にされ、家が建った。
もう間もなく、ヒトが住むのだろう。
自分が大阪から関東へ戻ってすぐ、
この公園に猫たちを見つけ、それ以来、
ここの猫たちと、その猫たちに餌をやる熱心な人びとに
過大な興味を持った。
5年間、のんびりと猫たちを眺めたり、
餌やりのおっちゃんたちと会話をしたりしていたが、
そうした楽しみも奪われた。
林と猫が去り、家が建つ。
少なくとも、この結果を見る限り、ここでの環境負荷の大きさは、
餌やりよりも
林を潰して家を建てるという行為の方が大きい。
餌やりに逡巡している間に、コトはどんどん動き出している。
そんな実例が、またひとつ。
カテゴリー[ 環境与太話 ], コメント[2], トラックバック[0]
登録日:2006年 05月 25日 00:12:08
コメント
僕のブログをご紹介くださりありがとうございます。
それも、別府さんより先の記載、恐縮です。
coba @ 2006年 05月 25日 11:47:42
カキコ、ありがとうございます~♪
順番のことはあまり考えていませんでした(汗。自分にとってはどちらの記事も参考になることばかりなので、順位とかあまり意識していませんでした。
それにしても某自転車屋さん、あの地域猫たちへの入れ込み方は半端じゃないと思います。一方、猫たちのことに気づいていないお客さんも多そうですが。逆に、そこがイイ感じというか、好ましいです。
管理人(山猫通信社) @ 2006年 05月 26日 22:54:00
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