お風呂と温泉(その1)
【台北/台湾 18日 AFP】日本の温泉文化が台湾の温泉産業の発展に大きな影響を与えている。スプリング・パーク・インターナショナル(Spring Park International)提供の写真は、台北(Taipei)郊外の人気の温泉スポット、烏来(Wulai)の浴場で湯船につかる女性。(撮影日時不明)(c)AFP
記事のように台湾で温泉がブームになっているらしい。写真をみるかぎりでは、ほとんど日本の温泉・露天風呂と変わらない光景であるが、よくみると水着着用の写真もあったので、少しちがうようだ。というわけで建築とも全く関係のない話ではないので、今回は柔らかい話題で温泉やお風呂についての話題で行ってみましょうか。「入浴」と「温泉」は取りあえず切り離して考えたほうが良さそうなので、まずざっと入浴について学んでみるとしよう。
<入浴とは>
日本人なら温泉とかお風呂あるいは入浴というと、裸になってお湯にざぶんとつかることをイメージするが、入浴というのは何もお湯という液体につかることばかりではない。蒸気や熱気という気体欲、ラドンや森林浴などの吸入欲、砂風呂や最近流行の岩盤欲などの固体欲と様々な種類がある。最近の若い人は、お湯につからなくてもシャワーだけでいいよう声も聞こえますが、私はやはりお湯につからないとダメだ...。(笑)中国の老人ホームを視察した時に個室の浴室に浴槽がなくシャワーのみであった。慣習や文化の違いなんだろうか。日本人としては、何と寒々しく可哀想なんだと思ってしまったが。
<入浴の歴史>
さて、少し歴史的な考察をしてみよう。
歴史的には入浴の起源は、ほとんどの場合、衛生や健康ということよりも宗教的な儀式の一環として、世界的に蒸し風呂や釜風呂のようなも熱気欲あるいは蒸気欲が主流だったようだ。「風呂」という言葉は元々は「ムロ(室)」から来ているということもうなづける。
日本でも同様で洞窟を使った「石風呂」という蒸気浴に始まり、釜風呂に発展したのちに、お湯につかる入浴としては、鎌倉時代にお寺で「施浴」というものが始まり(東大寺の大湯屋など)で、江戸になって発展した公衆浴場の「町湯」が、現代の日本人の入浴の原点といえそうだ。
この江戸時代の「町湯」はひとつの町人文化として発達したが、湯女がいたり混浴であったりとずいぶん江戸幕府にとっては問題の種であったらしい。この時代に来日したキリスト教圏の西欧人は、この有様を見て、自国では公衆浴場が禁欲的な宗教上の理由で排除されていたので、随分とショックを受けて帰っていったという。日本人のおおらかさにあきれていたのかもしれないが。このあと明治政府によって完全に混浴は禁止されてしまったという。このように江戸の頃に銭湯の前身が出来たのではあるが、当然現代のように豊富で清潔な湯になるのは、もう少し時がたってからのことであるようだ。
<海外の入浴史>
海外にも目を向け、やはり歴史を参照してみるとヨーロッパのものがが驚くほど現代の日本の浴場に似ている。古代ギリシャの「パラネイオン」が銭湯なら風呂付きの体育・教育施設の「ギムナシウム」はさしずめフィットネスクラブだし、さらに古代ローマになって進化した共同浴場の「テルマエ」にいたっては、現代の健康ランドやスパリゾートさながらで、ちょっと驚きすら覚えます。しかし、この贅沢を極めた快楽的なローマの「テルマエ」もローマ帝国の滅亡と禁欲的なキリスト教の流布とともに衰退してしまい、キリスト教の中で細々とした宗教的入浴になってしまったようだが、現在でもベルギーの「スパ」やドイツの「クアハウス」、「バーデハウス」、「テルメ」などに受け継がれている。もっとも快楽的なものではなく療養的なものなのだが...。
コメント[2], トラックバック[2]
登録日:2006年 04月 28日 18:59:39
コメント
いつも楽しく読ませていただいています。
いつも勉強になります。
江戸時代の混浴の時代を見てみたかったですね。
mumu @ 2006年 04月 29日 03:07:19
mumuさん、
>いつも勉強になります。
ありがとうございます。こちらも勉強しながらって感じですけどね。
AFPの記事から建築の話題に結びつけるのに結構苦労しています...笑。
YUKIO @ 2006年 05月 02日 00:46:25
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Millsap (Jazz) - 15 points (6-9 FG), 5 rebounds, 2 assists, 1 steal,
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- プロフィール
- 斉藤 友紀雄
- (男)
- http://nittem.exblog.jp/
- 1959年生まれ
一級建築士/設計専攻建築士
趣味/70年代の米英の音楽の鑑賞
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